Written By: sax on 5月 24, 2017 No Comment

サックス奏者から受ける相談の中に、「サックスを長時間吹いていると、右手親指が痛くてしようがない」という悩みが少なくありません。サムフックに掛けた右手親指にサックス重量が集中し、親指が悲鳴を上げる、というよくある現象です。この記事をお読みのサックス奏者の皆さんにも、多かれ少なかれ経験があるかもしれません。今日は「親指が痛くならないサックスの構え方」をお話しします。
 身も蓋もない結論から言ってしまいますが、「親指が痛くなるサックスの構え方」は、そもそもその構え方が間違っています。サックスの構え方において一番よくある誤解が、「サムフックはフックなのだから、親指を引っ掛ける場所でしょ?」というものです。サムフックの部分で、親指にサックスを「引っ掛け」たりしたら、そりやあ親指は悲鳴を上げます。ストラップとその重量を分かち合ったとしても、「引っ掛ける」なんて行為は、親指の疲労骨折を起こしかねません。サムフックは何故フックの形をしているか?それは親指を使って前にも、上にも、手前にも動かせるようにするためです。フックになっていないと、前にはサックスを押せますが、上や手前に導くことが出来ません。いや、し難いです。サックスを動かすために、親指でガイドできるようにするのがサムフックの役割で、サックスを親指で支えるためのものではありません。
 サックスの種類によっても、サムフックの効果に違いがあります。ストレートソプラノサックスの場合は、「回転しないように支える」という役割が大きいです。テナーやアルトでは全体の安定のために、サムレストの上に置いた左手親指と一緒に、サックスを支える役割です。しかしアルトサックスでは、「サムフックは不要だね」という奏者も少なくありません。サックスの形状、重さ、大きさ等のバランスから、サムフックが無くても十分演奏姿勢を良好に保てるということです。バリトンサックスに至っては、親指でサックスを支えるというより、右手の残り4本の指の動き全体の「支点」となるためにサムフックを使う感じです。
 サックスの構えの原点を振り返ってみましょう。サックス本体の重量は、ストラップで支えます。ストラップリングに接続したスリングを通して、首や肩でサックス全体の重量を支えます。ストラップリングからブラブラぶら下がっているサックスの姿勢を保つのが、サムレストの上の左手親指と、サムフック上の右手親指です。二つの親指は互いに押し合って、サックスのストラップリングの部分を支点として、サックスをシーソーのように動かします。傾きをうまく調整すれば、簡単にネック部が口元に接近し、無理なくマウスピースを咥えることが出来ます。正しいアンブシヤ(マウスピースの咥え方)が出来、左右の親指には無理な力が掛からず、呼吸も自然におこなえ、すべての指の動きがスムースにいく。それが正しいサックスの構え方です。

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Written By: sax on 5月 17, 2017 No Comment

サックス奏者にとって、リードのコストは頭の痛い出費です。消耗品であるリードは、サックスの音の鳴る原点でもあるため、そう簡単にコストダウンすることは出来ません。じやあ消耗し難いもので、ということで出現した「人工リード」ですが、出始めのころはなんとも言えない品質のものでした。しかし昨今、人工リードの性能の向上は目覚ましいものがあります。吹奏感も音質も、そして耐久性も申し分のないものが、非常にリーズナブルな値段で入手できるようになりました。今日は「人工リード」のお話をば。
 天然の植物、ケーンを乾燥し加工したリードは、自然の物ゆえの寿命があります。リードの振動に必要な硬さと反発力は、使用していくにつれ劣化し、サックスの良好なサウンドを出すための振動が出来なくなります。また、湿度にも敏感で、乾燥保管しておいたリードは、ある程度ウォームアップして、唾液による湿り気を与えないと、本来の振動をする状態に至りません。安くても一枚500円前後のリードの価格も、「リードをなるべく持たせたい!」という気持ちに拍車を掛けます。そんなサックス奏者(リード楽器奏者)の要望に応えて出現したのが人工リードです。合成樹脂で作られた人工リードは、ケーン製のリードをはるかに凌ぐ耐久性・安定性を持ち、湿度に対してのケアの不要な「ウォームアップ要らず」のリードですが、最初のころは、「吹奏感に違和感がある」、「強いブローに反応できない」、また「音のダイナミックス(強弱の表現)が狭い」等の不満も大きく、なかなか一般的になりませんでした。しかし21世紀を迎えて十数年が経った今、人工リードは目覚ましい進化をしています。プラスチック製リードの定番、BARI(バリ)、また人工繊維を利用したFIBRACELL(ファイブラセル)。また新しいところでは、Legere(レジェール)、Hahn(ハーン)、Forestone(フォレストーン)、Bravo(ブラボー)等といったブランドも支持を受けているようです。各種の人工リードはそれぞれの独自の工夫がなされ、良質な天然ケーンに近い性能を再現しています。合成樹脂を使用するだけでなく、各種の「繊維成分との合成」をおこなっているので、近年では「人工リード」に対し、「シンセ・リード(合成リード)」という呼び名のほう市民権を得ているようです。1枚の人工リードはそれなりの価格ですが、長寿命、安定性、当たり外れの無さ、等の高いメリットを考慮すると、天然リードにコスト的に勝ると言えるでしょう。
人工リードは決して永久的に使えるわけではありませんが、天然リードの10倍近くは持つでしょう。また、純粋に工業的に製造されるので、品質のばらつきは皆無です。当たり外れはありません。またマウスピースにセットすれば、即、性能全開で鳴ってくれます。音色や吹奏感の面で天然リードは根強い人気をもっていますが、深く静かに「人工リード派」も増えているようです。あなたも食わず嫌いせずに、試してみたらいかがでしょう。

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Written By: sax on 5月 10, 2017 No Comment

最近の100均は奥が深い。かつては、「これが100円?凄い!」が基本的な100均の感想でしたが、今では、「こんな物まで100均で売ってるの?」、という感想のほうが多い気がします。とにかく100円ショップでの買い物は発見が多くてめちゃ楽しいですよね。そんな100円ショップで、サックス演奏に関わる多くの便利グッズを仕入れてますので、そのいくつかをご紹介します。
 「椅子の靴下」というものを100均で見かけたことはありませんか?椅子の四つの足に履かせるニットや布のカバーで、椅子の足を覆って床に傷がつかないようにするものですが、見た目はまるで赤ちゃん用の小さな靴下みたいなものです。これがマウスピースのケースにドンぴしゃなんです。サイズがテナーやアルトのマウスピースにぴったりで、尚かつクッション性があってマウスピースへのダメージも防げます。必ずしも椅子の靴下にこだわらなくても100均には膨大な種類の小物入れが「生息」していますので、気長に探せばあなたのニーズに合致した「入れ物」が見つかると思います。特にウェットスーツのようなウレタン生地でできた「クッションバッグ」は大きさのバリエーションが豊富なので、メトロノームやチューナー、コンタクトマイク、譜面ライト、ケーブル類等のケースにピッタリなものが探せます。入れる物主体で入れ物を探すのが普通ですが、品目の種類が多い100均では、入れ物を見ながら、「それに入れる物」を考える、というのもお勧めです。「あ、このポーチ。スワブを入れるのにちょうど良いじゃん!」、なんて探し方も良いと思います。
 100均で是非揃えたい(?)のが、「譜面整理系文房具」です。透明のシート状のフォルダで文書をまとめる「クリアファイル」は、譜面の整理にピッタリです。色々な色がありますので、曲のジャンルや使うバンドによって色分けするのも良いでしょう。譜面の入ったクリアファイルを入れるための「書類ケース」も100均で揃えてしまいましょう。A4やB4など、大きさも豊富ですので、中に詰め込む譜面の量によって選びましょう。屋外の演奏で必須な、クリアブックも100均で売っているようです。譜面を入れて、ページを開いて洗濯ばさみで譜面台に留めれば、屋外の多少の風でも譜面が飛ばされることがありません。譜面用には、開いた状態がなるべく平坦になるような綴じ代のブックが良いと思います。100均のクリアブックは総じて収納ページが少ないのが難点ですが、文房具店のクリアブックは軽く千円を超える物ばかりですので、工夫して100均クリアブックが使えるなら、それに越したことは無いでしょう。
 その他にも、シールやゴムバンド、ペン立や名札など、みなさんの楽器ライフに役立ちそうなものが、沢山100均の棚に並んでいます。音楽家の為の道具があるのは、楽器屋さんだけじゃありませんよ。

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Written By: sax on 5月 3, 2017 No Comment

PA(ピーエー)アンプとは、Public Address Amplifier(パブリック・アドレス・アンプリファイアー)のことで、校内、工場内、店舗内、駅構内などで、沢山のひとにアナウンスを伝えたり、BGMを流したりする拡声システムの総称です。音楽関係に限れば、ステージの音をマイクで拾い、会場内の聴衆にバランス良く音を伝えるためのミキサー兼拡声装置です。リハーサルスタジオや音楽練習室には必ずと言って良いほど備えてありますし、ライブ会場などで、「機材はあるけど、ミキサー(音を調整する技術者)はいません。演奏者が操作してね。」という会場もあります。通常は技術者が操作しますので、面倒くさい操作を覚える必要は無いのですが、自分でPAアンプを操作する必要がある場合の、「困らないための超基本PA操作」をお教えしましょう。
 「PA」とざっくり称するものの対象は、マイク、ミキサー(ミキシング・コンソール:マイクからの音量や音質を整える機械)、増幅アンプ(スピーカーを鳴らすための増幅器)、スピーカー、の四種の器材から成り立つシステムです。操作らしい操作が必要なのはミキサーだけですので、今日の話しはほとんどミキサーの基本操作です。他の器材については、全部の機械をオンにしたのに、全く音が出てこない、なんて場合の対応に、音の入口のマイクから、出口のスピーカーまで、線がつながっているかどうかを確認するくらい良いでしょう。ミキサー(技術者ではなく機械です)はほとんどの場合つなげられるマイクの本数分のスライドボリューム(フェーダー)が付いています。フェーダーでは「入力のレベル」を操作します。一番上のポジションでは「マイクから音を沢山もらう」、一番下では「音をもらわない」となります。「GAIN」と書かれたボリュームも重要です。このボリュームはフェーダーで操作する前の入力の信号を、どの程度増幅するかのボリュームです。ミキサーにマイクではなく携帯ミュージックプレーヤーやスマホ等をつなげるときは、この「GAIN」で入力信号の加減をします。やたらノイズが入ってしまう場合は、このGAINを下げていくと止まる場合が多いです。
「PAN」と書かれたツマミは、ステレオスピーカーの左右(R&L)のバランス調整です。真ん中にすれば左右同じ音量、左右に振ると音がそっちに勣きます。 LOW、MID、HIGHのツマミは低音域、中音域、高音域の音成分の調整です。必ずミキサーの右にある赤い(ほとんどの場合)フェーダーは、マスターボリュームとしてスピーカーを鳴らす音量全体をひとまとめにコントロールするものです。
 なんとPAについて知っておくべきことはこの程度で十分です。マイクフェーダーとGAINは入れる量を、マスターボリュームは出す量をコントロールするのだという事を理解しておきましょう。入力機器を接続・脱着するときにはマスターボリュームを絞って、不用意な爆音がスピーカーから出ないようにし、音質がおかしいときはGAINやマイクフェーダーを調整すれば解決できる、と知っておけば十分です。これ以上の操作が必要になっても、この基本さえ押さえておけば、何とかなると思います。

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Written By: sax on 4月 26, 2017 No Comment

楽器演奏をするものにとって、人前で演奏する機会は大きな楽しみであり、同時にとても緊張するものでもあります。多分皆さんの多くは、人前で演奏するために日夜サックスの練習を積んでいると思いますが、練習と本番とでは緊張の度合いが大きく違います。ライブの本番前日なんて、目が冴えて眠れない、なんて人も沢山いるはずです。今日はステージでの本番前、準備を万全にし、自分をリラックスさせるための、「ルーティーン(必ずおこなう定番の動作)」の話をしましょう。音楽に限らず、演劇や講演、ダンスや演芸、ステージでおこなうどんなものでも、「手の平に人という字を書いて、それを飲み込む」なんていう、「人前であからないためのおまじない」があります。サックス奏者のステージ前のルーティーンも、実はそんな「おまじない」のひとつなのかもしれません。ただし根本は、「サックスという楽器を無事に吹ききるためのチェック」がそのルーティーンですので、覚えておおいて損は無いと思います。
 演奏本番前の大事なルーティーンのひとつに、「呼吸の確認と調整」があります。「ステージに立つ」とう緊張感は、知らず知らずに自分の体の各部をも緊張させています。緊張した体をリラックスさせ、いつものサックス用の呼吸が出来るようにしましょう。まず胸で数回深呼吸をし、続いて横隔膜を意識して最大に息を吸い込みましょう。喉を開いて、ゆっくりと「温かい息」を細く開けた口から吐いていきます。背筋の緊張もほぐしておきましょう。背中を丸めて床を見る姿勢から、ゆっくりと背中を延ばし、天井を見るまでぎゅっと背中をそらします。そのとき、両肩の力は、くるくると肩を回してリラックスさせましょう。体のためのルーティーンの基本はこんなもんでしょう。
 次は楽器、サックスのためのルーティーンです。ネックオクターブキーのシャフトスクリューが飛び出ていないか確認しましょう。演奏をしているとこのスクリューが緩んで出っ張って来ている場合があります。出ていたらドライバーで軽く締めこみましょう。ネックスクリュー(本体のジョイント側でネックを締め付けるネジ)は緩んでいないか。このネジが緩んでいると、ネックが回転したり、息が漏れて音がうまく出なくなったりします。うっかり緩んだままで演奏しがちですので注意してください。G#とC#のキーで、ちゃんとパッドが開くか。この二つのキーアクションは、閉まったパッドを開く動作です。パッドが卜-ンホールに張り付いていると、キー操作をしてもパッドが開かない場合がよくあります。くっ付いていたら手で開けて、張り付きを治しましょう。ルーティーンの最後はサックス管体のウォームアップです。すべてのキーを塞いで、温かい息をゆっくりと、そしてたっぷりとサックスの中に入れ、楽器全体を温めましょう。サックスに関しては、もっと色々な部分を確認したいところなのですが、ステージ袖で本番直前に直せる不具合はそんなに多くありません。直せない不具合は発見しないほうが良いのではないでしょうか。その類のチェックは演奏前のリハーサルや音合わせでやっておきましょうね。

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Written By: sax on 4月 19, 2017 No Comment

譜面はバンドの命であり宝です。ビッグバンドやブラスバンド等の大きな編成のバンドは皆、譜面の有無で一喜一憂します。やりたい曲を持っているか、買うための資金、欠譜(パート譜の一部欠損)、書き込みだらけで見難い譜面、違法コピーへの対処、などなど、演奏環境を整えるための譜面に関する問題は沢山あります。色々なバンドが苦労しながら譜面管理をしています。今日は譜面管理のポイントについて考えてみましょう。
 アマチュアビッグバンドでは、パートごとに譜面を管理しているケースが少なからず見受けられます。各パートのメンバーひとりひとりが責任を持って「自分の譜面」を管理するのは、人任せにしない意味でも重要です。あるバンドでは、バンド所有のオリジナル譜面のパートファイルと、メンバー持ち帰り用のコピーファイルと2種類を常に持ち、オリジナルの譜面は絶対に持ち帰らせない、かつ練習には必ずオリジナルを用意する、という譜面管理をしています。この方式の良い点は、どのパートのメンバーがリハーサルを休んでも、その代役(トラ)さえ確保すれば、代役はオリジナル譜面でリハを遂行できるという点です。持ち出し禁止ですので、揃っている譜面がいつの間にか欠譜するのも防げます。ただし何かの理由で欠譜してしまうと、その発覚が遅れ、取り返しのつかないことにもる場合もあります。この譜面管理方法の場合は普通、各曲には番号がふられており、番号でやる曲を指示します。ビッグバンド全盛時代の歴史的なビッグバンドのほとんどが、各メンバーが数百曲もの譜面を各自ステージに持参し、「ナンバーXX!」のリーダーの掛け声で演奏曲を選んだそうです。
 逆に曲ごとにまとめて譜面を管理しているバンドも沢山あります。レギュラーメンバーが決まっていないプロのバンドは皆この方式です。リハや本番でその曲をやる度に譜面を各メンバーに配布します。この場合は曲単位の管理がやり易いのですが、メンバーは個人練習のために必ず自分の譜面をコピーしなければなりません。ちなみに、バンドで購人した譜面を、メンバーが自分のパートをコピーして持っていることは違法ではないそうです。

 IT技術を使った近代の譜面管理の進歩も素晴らしいものがあります。あるバンドではすべての譜面をデータ化し、リハ前の「リハ告知メール」に、そのリハで練習する曲の譜面データを添付しています。メンバーはデータをプリントして持参すれば、そのリハで譜面に困ることは無い訳です。ま、事前にそのリハーサルで練習する曲を決める必要はあります。またプリンターを練習場に用意するバンドもあります。紙の譜面は普通に用意していますが、必要な譜面が見つからない場合、また急きょ参加した助っ人メンバーの為などに、グラウト (ネット上の保存場所)に保存した譜面データから必要なものをダウンロードして、その場でプリントしてしまう、という荒業です。同じ方法で自分のパートの譜面をグラウト保存し、リハや本番ではタブレットPCで譜面を見て演奏する、というIT系サックスプレーヤーも数多くいるようです。譜面めくりがちょっと面倒臭いらしいです。

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Written By: sax on 4月 12, 2017 No Comment

春となり、温かくなってくると外に出たくなります。サックス奏者の皆さんも、公園や空き地、河原などでの「外練」をしたくなる、おあつらえ向きの天気になってきます。サックスだけでなく、管楽器は総じて大きな音が出るため、家での練習にはいきおい制限がかかります。外で伸び伸びと大きな音が出せるこの季節、「外練」でのいくつかの注意を紹介しましょう。
 「外練」の基本は、なにはともあれ「自分」を大事にすることです。寒さや雨などの天候で「外錬」を強行すれば、あなたが風邪をひいてしまいます。サックスの練習で風邪をひいたなんて、誰も同情してくれません。まずは自分の体を第一にいたわってください。体の次にいたわるのが楽器です。サックスは木管楽器と言っても、ほとんどの部品は金属製なので、かなり丈夫な部類の管楽器です。クラリネットなど自然木材で出来た楽器は、室内と屋外との湿度や温度の差で木材が膨張してしまい、ひどい場合には主管の割れ(クラック)も引き起こしてしまいます。湿度はともかく、サックスも大きな温度差は決して良い条件ではありませんので、室温と外気の温度差には注意を払ってください。また、「外錬」での直射日光にも注意が必要です。サックスの表面処理にはラッカー等の塗料が使用されていますが、これらの塗料は概ね太陽光に含まれる紫外線の影響を受けます。強い紫外線下に長時間サックスをさらすことで、塗料の色が変色する「焼け」や、塗装面にしわがよる「ちじれ」等の影響が出る場合がありますので、夏の直射日光などには十分注意してください。
 「外錬」では風にも注意してください。ま、風が当たるくらいではサックスは壊れませんが、警戒ポイントは風が飛ばしてくる「砂ぼこり」です。外気には風に運ばれた細かい砂や埃が含まれ、空気中を舞っています。これらの砂や埃がサックスのシャフトの軸受けや、回転部に付着すると、機械油の中に留まって、可動部を擦る「やすり」のように機能してしまいます。目に見えないような砂埃でも、長い間にサックスの可動部をすり減らします。気が付いたら、「シャフトがガクガク」なんてことにもなり兼ねません。風邪で埃が舞っているような日に、外で練習するようなことは避けるのが賢明でしょう。
 「外錬」では、サックスの故障などの楽器への配慮に加え、練習の方法そのものにも注意が必要です。広い屋外では、自分のサックスの音を反射する壁等は無いことがほとんどですので、自分の耳を使った音量のコントロールが難しくなります。ついつい無理して大きな音を出してしまう傾向が出てきますので、それがもとで喉にダメージを与える場合もあります。また小さな音が聞こえ難いので、サックスのコントロールが雑になりがちです。しかし、広い場所で、自分の音を「遠くに飛ばす」のはとても気持ちが良く、かつ重要な練習です。気持ちの良い「外錬」をしてください。

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Written By: sax on 4月 5, 2017 No Comment

最近、カッコ良くて機能的で、値段も手ごろなサックスのケースが沢山あります。でも、「気にいったケースでも、自分のサックスが入らない」、という悩みも多く聞きます。カイルベルスのサックスや、ヴィンテージのベルレフトトーンホール(ベルの左側にトーンホールがあるサックス)などのサックスの持ち主に多い悩みです。またバリトンサックスでは、ペグレシーバー(ペグ足のねじ込み部分)が出っ張っていてケースに入らない、なんて場合もあります。そんなときは…カッターやらトンカチの出番でしょ。(笑)
 管楽器ケースの内部で、楽器をホールドしショックから守る部分を「あんこ」と言います。自転車のサドル(座る部分)に入っているクッション材も「あんこ」ですし、段ボール梱包の荷物と段ボールの間に入れる風船のようなエアークッションも「空気あんこ」と呼ぶようです。「スポンジ」という便利な緩衝剤が発明されてから、楽器ケースのあんこはスポンジが主流です。必要なクッション性を実現するために、スポンジの柔らかさは多種多様ですし、高級なケースでは衝撃吸収性のあんこも入っているようです。しかし管楽器、特にサックスの外部形状は、メーカーやモデルによってまちまちです。したがって、楽器と一緒に付いてくる専用のケースはその楽器の形状に最適化して作られていますが、単独販売のケースはどんなメーカーやモデルのサックスでも入るよう、平均的なサイズを想定して作成されています。この「平均的サイズ」が問題です。入れるサックスによって、ある部分が「ゆるゆる」だったり、ある部分は「キツキツ」だったりする事があります。きつい位ならまだしも、「入らない」なんてことも無い訳ではありません。デザインや機能が気に入って「欲しい」と思ったケースでも、「自分のサックスが入らない」で諦める場合があります。でも、諦めるのは本当に必要でしょうか?何とか入りそうに感じたら、買ってしまったらどうでしょう。
 サックスケースの内部の「あんこ」のほとんどはカッターで切れます。クッション性の少ない発砲スチロール系のあんこなら、硬いものでぐいぐい押せば凹みます。緩くてグラグラする場所は、タオルやハンカチ、クリーニングクロス等を詰めてはいかがでしょうか。ケースの中身はしょせん「内側」です、ほとんど人目にさらされない部分です。自分しか見ないのですから、とりあえず見た目は気にしなくても良いのではないでしょうか。どうしても気になる場合は、大きなビロード等の生地をケース内部に敷きつめ、布の端をあんことケース外装の間に折り込んでしまうのもよくある手です。知人の「DIY系サックス奏者(?)」は、「ケースメーカーのあんこの設計は信用できない!」と、ケース内部のあんこを全部取り去って、自分の思うように衝撃吸収スポンジを敷き詰めたうえに、サックスを自作のバスタオル製の袋に入れてケースに収めています。見栄えはともかく、そのケースはそのサックスに、超絶「ぴったり」しています。 どうでしょ?

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Written By: sax on 3月 29, 2017 No Comment

最近のサックスケースの進化には目を見張るものがあります。丈夫で軽くて機能的で、昔の「管楽器と言えば木箱ケース」の時代とは隔世の感があります。そして最近のサックスケースの多くが備えている機能が、「バックパック型に背負える」ということです。ケースの裏に下駄の鼻緒のようにベルトが付いており、リュックサックのように背中に背負えるサックスケースです。楽器を持っての移動時でも、両手が開いているのでとても便利、かつ安全です。今日はサックス奏者のケースおよび荷物の持ち方について考えてみましょう。
 背負えるサックスケースを使って楽器を運ぶ時、注意すべきなのが「重心」です。軽いサックスならさほど問題にはなりませんが、テナーやバリトンサックスを背中に背負って移動するときは、ケース全体の重心があまり上に来ないように注意してください。何故ならば、「転び易くなる」からです。テナーサックスやバリトンサックスがケースに入っていれば、それ全体はかなりの重量の「荷物」です。重心が高くなれば、少しの弾みでバランスを崩し、悪くすれば転倒することになります。楽器を背負って前に倒れれば、あなたは楽器と道の間に挟まれて、楽器の重量ごと床に叩きつけられます。楽器を後ろに倒れれば、楽器はその重量プラスあなたの体に押しつぶされます。どちらにしろ、あなた自身にも楽器にも相当なダメージは避けられないでしょう。重心さえ低く保っておけば、「バタン」が「コテン」くらいに回避できるかもしれません。また、背中のケースの重心が低いほうが、歩くときに余計な力を入れないで済みます。ただし肩紐を延ばし過ぎてケースを下にし過ぎると、足に当たり、かえって歩き難い場合もあります。

 サックスにはダブルケースやトリプルケース等、複数の楽器をひとつのケースで収納できるものもあります。また、周辺小物の収容能力が高く、スタンドや譜面台、相当量の譜面等、かなりの荷物をひとパックに出来るものが少なくありません。しかしひとつの荷物にしても、その荷物の総量が軽くなる訳ではありません。ひとによっては「分散派」として、「背中や両手に荷物を分けたほうが軽く感じるし、移動がし易い!」、という方もいます。とはいえ、両手がふさがっているのは、かなり危ない感じはします。
 そういえば、楽器を手に持った状態で万が一転ぶようなことがあったら、まず楽器を手放して、両手で身を守る動作をするよう日頃から意識するのが良いと思います。なにか楽器に愛情が無い、楽器が壊れそう、と思うかもしれませんが、冷静に状況を考えると、転びそうなときに楽器を手放したほうが、結果的に楽器や自分の体へのダメージが少ないはずです。 「結果、転ばなかった。」ならハッピーエンドですが、「楽器を守って頭から転んだ!」となることは、決して少ない確率ではありません。

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Written By: sax on 3月 22, 2017 No Comment

管楽器は空気を振動させて音を出す道具です。その楽器の長さ、もしくは共振する波長によって、その楽器から出る音の高さが決まります。普通の気温の変化程度では、楽器素材の熱膨張は無視できるほどの些細なものです。すると、気温が上がると空気の波長が変わり、その長さの楽器で出る音の振動数が大きくなる、つまり音が高くなってしまいます。楽器がいつもより冷えているとき、いつも吹き方では楽器から出る音は低くなります。そして楽器を吹くにしたがって暖かい息が楽器の中を温めていき、音がだんだん高くなります。今日は温度とピッチのコントロールについてお話しします。
 真冬のアンサンブル練習。みんなが楽器を準備したら、各々が自分の楽器をチューニングします。練習が進むにつれて、楽器達のハーモニーが崩れていきます。みんなの楽器のピッチがめちゃくちゃ高くなっています。真夏の野外コンサート。控室でチューニングしたはずなのに、楽器のピッチがどんどん高くなっていきます。自分の音を聞きながら、マウスピースを抜いてピッチを合わせていますが、もうこれ以上抜けません。楽器はもの凄く熱くなっています。皆さんにもこんな経験はありませんか?サックスでもトランペットでも、管楽器は冷えていれば音のピッチが低くなり、熱くなれば高くなります。奏者の息の温度は36度前後で均一ですので、外気の寒さやエアコンで冷えた楽器を吹いていれば、だんだん温まりピッチが高くなります。真夏の日差しで高温になった管楽器は、息を通したくらいでは温度は下がってくれません。アッチッチでピッチの恐ろしく高い楽器になります。
 サックスに限らず、管楽器奏者はこの「楽器の温度と気温」に注意して演奏しなければなりません。「ウォーミングアップ」とは、演奏前の肩慣らしだけでなく、文字通り「楽器を温める」ことが必要です。あなたの楽器が冷たいと感じたら、全トーンホールを塞ぎ、温かい息を大量にサックスに入れましょう。マウスピースやネックを手で温めるのも効果的です。ベルに軽くタオルを詰め、低い「ド」の運指で息を入れると、息が楽器を効率的に温めてくれます。温まった楽器は決して寒い場所には持って行かないように。すぐに冷たくなってしまいます。ステージ本番前などで楽器を温める時間が無い場合は、楽器が吹いていると温まり、ピッチが上がることを想定してチューニングをします。あらかじめ低めにチューニングする、ということです。もしくはアンブシャを強めに、口をきつく締めた状態でチューニングをし、演奏中に普通に戻していく、という難度の高いやり方もあります。
 炎天下の直射日光で熱くなった楽器は…。霧吹きをして楽器を冷やすトロンボーン奏者を見たことかおりますが、効果はどうなのでしょう。日陰に入るのが一番。日向に出ない、楽器を日向に置かないのが基本です。

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