サックス 本体

ショートバリって何?

ショートバリ、ショート・バリトンサックスの略です。ショートベル、なんて呼び方もあります。通常Low Aまで出るモデルが多いバリトンサックスですが、他のサックスのように最低音がB♭のバリトンサックス、それがショートバリです。最低音がAでなくB♭なので、その分ベルが短くなり、楽器全体も軽くなっています。
かつてはショートバリが「普通のバリトンサックス」でしたが、いつの間にか楽器店ではLow Aバリトンしか見られなくなってしまいました。ショートバリについて深掘りしてみましょう。

全長約1メートル、重さ約6.5kg、ハードケースに入れれば10kg近いというバリトンサックスですが、多くの名プレーヤーによって、多岐に渡る音楽ジャンルで確固たる地位を築いています。
バリトンサックスが音楽界に認知されるようになったのは、1930年代後半、マルセル・ミュールがサックス四重奏団を結成し、その美しいハーモニーがヨーロッパ中の人気を得たあたりと考えられています。
同じころアメリカでは、黒人音楽をルーツとするジャズが人気を得始めており、ダンスホールではビッグバンドの演奏に需要が高まって来ました。しかし初期のビッグバンドにはバリトンサックスは入っておらず、あの有名なベニー・グッドマンやグレン・ミラーの楽団においても、この時代にはサックスセクションにバリトンはいませんでした。そんな中、デューク・エリントン楽団が名バリトンサックス奏者、ハリー・カーネイを採用し、その豊かなサックスハーモニーで、ビッグバンド・ジャズにおけるバリトンサックスのポジションを不動のものにしました。
こんななか、まだバリトンは当時一般的だったLow B♭、ショートバリでしたが、アンサンブルでの需要の増加から、多くのメーカーがロングベルを中心にラインナップを揃え、かつアレンジャーもバリトンに「Low A」の音を求めるようになり、ショートバリは徐々に市場から姿を消していくことになりました。

Low Aモデルのバリトンには、左手親指を乗せるサムレストの左下、オクターブレバーの反対側に、ちょっと大きめのLow Aレバーが付いています。ド♯、ド、シ、シ♭と右手小指と左手小指の動きの運指ですが、突然左手親指で「ラ」となります。この親指の動きがシャフトの連動で、ずーっと先のベル先端近くの「Aトーンホール」のパッドに伝えられます。凄いですね。
ところがショートバリ、Low B♭のバリトンでは、バルが短くなると同時に、このLow Aのメカニズムもごっそり無くなります。そう、ショートバリはめっちゃ軽いのです。

セルマーのMark VIあたりから徐々にカタログから消えていったショートバリですが、近年、新参入のメーカーが標準ラインナップとして採用するようになっています。
EASTMAN(イーストマン)のEBS251やP. Mauriat(ピー・モーリア)のPMB-302は、標準カタログ記載モデルのショートバリ、Low B♭バリトンサックスです。ソロ演奏を主とするバリトン奏者、ジェリー・マリガン時代のジャズ信者等に、また「軽い楽器が欲しいよ」というバリトン奏者に人気があるようです。
「ラ」の音に困るかもしれませんが、ショートバリユーザーの中には、譜面を丸めてベルに突っ込んで、「ラ」を出しちゃう、なんて豪傑もいるようです。

 

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