ジャズサックスを演奏ジャンルとするサックス奏者はもちろん、吹奏楽、いわゆるブラスバンドでもジャズビッグバンドのナンバーを演奏することも多く、「ジャズのリズムの取り方」は、多くのサックス奏者の悩みのタネとなっています。ジャズのリズムは4ビートが基本と言われますが、「スウィング」と呼ばれるリズムが特徴的です。二拍四拍の偶数拍にアクセントを付け(アフタービート)、かつ拍の裏を強調し、三連符のような感覚で演奏するリズムと言われており、「演奏をジャズっぽく」するのに不可欠な要素です。とは言え、そう簡単にジャズっぽくはならず、「あー、なんか違うなあ。揺れないで(スイングしない)跳ねちゃってるよ」、とかが多くようです。ジャズのリズムの取り方について考えてみましょう。
アフタービートもしくはバックビート、アップビート、日本語で裏拍は、小節内の偶数拍、4分の4拍子であれば2拍目と4拍目を強調するリズムのことで、ジャズばかりでなくロックや多くのポピュラー音楽の基本スタイルとなっています。日本特有の民謡や演歌は、多くの場合1拍3拍の頭に手拍子を打つ、いわゆるダウンビートです。ロックのコンサートで頭打ちで手拍子を打ち、周りから浮いて焦るなんてことも、日本人あるあるです。ジャズではこのアフタービートを強調するため、バンドのカウントを出すリーダーやコンマスは、2拍4拍に指パッチン(フィンガースナップ)を入れてカウントを出す場合がほとんどです。そのうえで、「ワン、ウン、ツー、ウン、ワン・ツー・スリー・フォー」ってカウントを出すので、ジャズに慣れていない人は、指パッチンを頭拍と思って聞いていて、「あ、あ、あ」とずっこけることも良くあります。演奏中の足でのリズム取りも、「2拍4拍で足を踏む」のが基本と言われていますが、スイングの頂点とも言えるカウント・ベイシー楽団を聴きに行ったとき、サックス隊のメンバーが1、2、3、4と全拍で足を踏んでるのを目撃したことがあります。出す音がアフタービートになっていれば、数え方はどうでも良い、ということだと思います。
二つの8分音符を、3連符のように演奏する「スイングのノリ」もジャズリズムの難関です。二つの8分音符を、付点8分音符と16分音符、もしくは1と2にタイを着けた3連符、などが良く言われているスイングのアーティキュレーションですが、これらの説明は「取っ付き易い指標」であって、絶対的な「規則」ではありません。ジャズの巨匠たちの名演奏をじっくり聴くと、スイングのアーティキュレーションはフレーズによって微妙に変化するのが通常です。メロディをどう表現するか、したいかで、演奏のアーティキュレーションは変わる訳で、「プレーヤーは音符を吹いているわけではなく、音楽を演奏している」ということです。ジャズドラミングの解説動画で、プロのジャズドラマーが言っていた印象的なコメントがあります。「ジャズはカッコ付けと遊びの音楽です。コーン、コーン、と叩くところを面白くするために、ク・コーン、ウン、ク・コーンと切っ掛けを着けて叩いて面白くしたのがスイングです。」、だそうです。拍の裏の16分音符や3連符の3番を、「切っ掛けのため」、と考えると、何故かフレーズが跳ねなくなるようです。
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