近年、初心者向けのサックス教室ばかりでなく、オンラインでのプロの奏者によるレッスンのシステム等も充実して来ており、「サックスを習う」ための環境がとても良くなっています。とはいえ、楽器の習得と上達には、「教則本」が欠かせません。体系立ててサックス演奏技術の習得をアシストしてくれる入門書や、技術の習熟のためのエチュード集などは、いつの時代もサックス奏者に不可欠なものです。サックス教則本の名著をおさらいしてみましょう。
アメリカのジャズサックス界の巨人、デイヴ・リーブマンが記した「サクソフォーン上達法(デビッドリーブマン 著/川里安輝子 訳/土岐英史 監修)」は、ジャズサックス奏者ばかりでなく、あらゆるジャンルのサックス奏者に向けて書かれた、サックスのすべてを勉強できる名著です。
優れた教育者でもあるリーブマンはこの本の中で、演奏メカニズム、呼吸法、喉の使い方、倍音練習、舌の位置とアーティキュレーション、 アンブシュア、リードとマウスピース、ニュアンス表現のテクニック等、サックス演奏に関するあらゆる事柄について解説しています。特に倍音練習の項目では、美しい音質やピッチの安定に必須とされる、倍音に注力した練習方法を紹介しています。教則本の中では、フレーズ集は少なめで理論的な記載が多い、「サックスを理解する」のにとても役に立つ内容です。
倍音、およびアルティッシモ奏法に関しては、「トップ・トーン・フォー・サクソフォン(シグールト・ラッシャー著)」が何十年にも渡って世界中のサックス奏者、また世界中の音楽大学などで使われている、倍音のトレーニングを体系立てて紹介している名著です。
またニューヨーク在住のサックス奏者、ベン・ウェンデルが記した「アルティッシモへの道(Path to Altissimo)」は、アルティッシモ奏法を習得し、改善するのに役立つ一連のステップと練習方法を提供しています。
サックスのエチュード集で必ず名前が挙がるのが、「サクソフォンのための48の練習曲(フェルリング/ミュール著)」です。
もともとはフランツ・ウェルヘルム・フェリングによる、「オーボエのための48の練習曲」というオーボエ向けの教則本を、パリ音楽院でサックス科教授だったマルセル・ミュールが、サックス向けに再編成し書き直したものです。長調、短調、遅い曲、速い曲の各12曲が収められており、サックス演奏の習得に必要なあらゆる要素が盛り込まれており、世界中の音楽大学で採用されている伝統的な教則本です。
また同じくミュール著の、「サクソフォン教程:全種類のサクソフォンのための18の技術練習、または練習曲」は、もともとフルートのエチュード集だったものをミュールがサックス用に書き直したものです。跳躍の多い、非常に挑戦しがいのあるフレーズが盛り沢山です。
ジャズのアドリブフレーズの研究には、「Patterns for Improvisation(オリバー・ネルソン著)」がジャズプレーヤーの間でバイブルとなっています。
アメリカのジャズサックス奏者、編曲家、作曲家兼バンドリーダーのオリバー・ネルソンが記した、ジャズアドリブの原型となるフレーズを、ひたすら12キーで繰り返すというエチュードが、体系別に紹介されています。発行当初のタイトルは「Patterns for Jazz」だったため、古いプレーヤー達はこの本のことをそう呼びます。
これら優れた教則本達は、きっとあなたのサックス人生の一生ものの友人になってくれるはずです。
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