サックス奏者の必需品は、サックス本体に加え、マウスピースにリード、そしてストラップです。サックスを演奏する際、ストラップがないと演奏する構えが出来ません。「うわあ、ストラップ忘れちゃった!」ってときの絶望感は、他の楽器奏者には計り知れないものがあります。ストラップのあれこれを探ってみましょう。
かつてサックスストラップといえば、ネックレス型(と勝手に呼びます)がほとんどでした。革製のネックパッドの両側からボールチェーン(金属ビーズにナイロン糸を通した紐)が伸び、金属のスライダーでまとめられ、先には金属のフックが付いたもの。それが普通のサックスストラップでした。しかしその形状は丈夫なナイロンベルト(樹脂を編んだ丈夫なベルト)の登場で様子が変わります。ナイロンベルトのサックスストラップの先駆者は「Ray Hyman(レイハイマン)」でした。18mm幅の細身の白いベルトに黒くて薄いボックス型の金属スライダー、そして先端にはプラスチック製のフック。あまりのカッコ良さに多くのサックス奏者が魅了されました。そしてナイロンベルトの強度や使い易さから、ストラップといえばナイロンベルト、という時代に変わっていきました。
素材の変遷もありますが、ストラップの形態、構造にも変化が現れます。2007年、ブレステイキングが全く新しい構造の、奏者の負担を軽減するストラップを発売しました。左右のスリングは長い金属バーでほぼ平行に広げられ、V型のスリングで起こっていた首の締まりを解消し、ネックパッドの中心から後方にサブストラップを伸ばすことで首の重量負担を軽減しています。「演奏が楽なストラップ」の考え方は業界に瞬く間に広がり、その後アクセサリーメーカー各社は独自の人間工学デザインのストラップを次々と発表していきます。並行スリング型のヒット製品は「バードストラップ」でしょうか。翼を広げた鳥のような形状のスライダーにより、左右のスリングの並行性とスライダーでの長さ調整のし易さが両立されています。並行スリング型の普及とともに、ストラップを背面交差の襷(たすき)のように身体に装着する、ハーネスタイプのストラップも浸透してきました。装着のし易さ、長さ調整の簡便さ、身体への負担の程度で多くのメーカーが技術を競い合い、今ではほとんどのストラップメーカーがハーネスタイプのストラップをラインナップしています。
初期のネックレス型ストラップからは想像もできないような、斬新な形状のサックスストラップも多数現れました。Jazzlabの「saXholder PRO」はカギ型のアルミフックを両肩に掛け、そこから伸びた伸縮バーをお腹に当て、両肩とお腹の3点でサックスの重量を支えます。バンドレンの「ユニバーサル・サックスハーネス」は、左右のショルダーパッドから後方にスタビライジングロッドという棒が伸びており、腰に廻したサポートベルトに繋がっています。左右の肩と腰のベルトでサックスの重量を支える構造です。BGの「S02M サックスストラップ ショルダー」は、片方の肩から斜めに掛ける、首の負担を軽減するストラップです。本当に色々なタイプのストラップが選び放題の昨今ですが、正しい方法での装着と、正しい演奏姿勢が必須なのは言うまでもありません。自分に合ったストラップを選び、身体をリラックスさせてサックス演奏を楽しみましょう。
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