サックス 本体

サックスの進歩

サックスは管楽器の中では、比較的新しいと言える楽器です。それゆえに、生産技術や音響技術の進歩とともに、細かく改良や変更が成されて来ました。そんな「サックスの進歩」をまとめてみました。

現代の皆さんは、オクターブ上の音を出したいとき、左手親指を置くサムレストの上側にあるオクターブレバーを押して吹きます。
しかし初期のサックスには、このオクターブレバーは二つ付いていました。レ~ソ♯までの音には第一オクターブレバー、ラより上の音は第二オクターブレバーで、二つの別々のオクターブキーを開けるのが、アドルフ・サックスの設計でした。それが1900年代には、キーの連動の仕組みによって、一つのオクターブレバーで賄えるようになり、操作性は格段に上がりました。
そしてセルマーが1935年に発表されたモデル、バランスド・アクションのメカニズムによって、B♭、B、C♯の低音トーンホールを外側に配置し、さらに操作性が高まります。
それまでのほとんどのサックスは、管体の軸に対して、トーンホールが直線状に並んだ、「インライントーンホール・レイアウト」で、低音トーンホールはベルの内側に配置されており、左手小指のテーブルキーは、内側に押す形のキー操作になっていました。それがトーンホールを管体軸に対し、ネジって配置する「オフセットトーンホール・レイアウト」にすることで、メカニズムが大きく変わり、低音トーンホールをベルの外側に配置し、小指を外側に「引く」動作で操作できるようになりました。
現在の楽器はこのバランスド・アクションのレイアウトがベースになっていますので、その操作のし易さは皆さん自身が毎日感じている通りです。

ジャズ黄金時代のアメリカで、多くのプロに愛用されたサックス、CONN(コーン)は独特のチューニング機構を採用していました。
「New Wonder(チューベリー・モデル)」から「New WonderⅡ」、「6M」まで採用されていた、「マイクロチューニングデバイス」です。ネックの先端に付いた長めのダイヤルを回すことで、ネックとネックコルクの間隔が変わり、チューニングをすることが出来ます。ジャズ黄金時代の名プレーヤー、チャーリー・パーカーが吹いていた写真が有名です。
しかし一説では、多くのプレーヤーがデバイスのネジを締め切った状態で、マウスピースをコルクに抜き差ししてチューニングしていたととも言われています。

近年のサックスの材質の多様化も要注目です。サックスの材料としては銅と亜鉛の合金、真鍮が基本ですが、銅65%亜鉛35%の普通真鍮に対し、亜鉛5~20%のゴールドブラス(丹銅:赤みが強い)、30%のイエローブラス(七三黄銅)等、柔らかな音色を求めた材料も使わるようになりました。実際に各サックスメーカーはもっと複雑な成分の「真鍮」を使用し、独特なサウンドの実現に挑戦しています。
またブロンズ製サックスというのも数多く出回っています。銅とスズの合金で、サックスの素材としては太く柔らかなサウンド傾向ですが、ブラスの鳴りとは性格が異なり、メーカー側は「アンティークなサウンド」と称することが多いようです。
高価ですが、925銀製のサックスも人気です。ほとんど純銀なのですが、強度を維持するために7.5%の銅などを混ぜています。
洋白(ジャーマンシルバー)製のサックスも登場しました。洋白は銅、亜鉛、ニッケルの合金です。銀に類似の特性を持っており、廉価版フルート等で銀に代用する合金として多用されていましたが、サックスでは最近になって注目されて来ました。
同様にメッキやラッカーの「フィニッシュ材」の新しいものも、続々開発され、サックスは益々進化しています。

 

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