どこかの国の大統領は、異常気象、気候変動は「でっち上げだ」と言い切っているようですが、世界規模で自然界は変動していることは確かです。フランスをはじめ、世界の伝統的なワイン産地の多くが存続の危機に瀕しています。温暖化がブドウの生育や品質に悪影響を及ぼし、ワインの生産量や品質の低下、さらにはワイン生産地の消滅を招く可能性が高いようです。
サックス奏者になじみの深い、リードの原料「ケーン」もしかりです。ケーンの生育には、温帯性の沿岸気候、湿度が低く長くて暑い夏、植物を休眠させる寒い冬等が重要ですが、気象変動は産地の環境にも変化を与え、ケーンの栽培にも影響を与えようとしています。ひょっとしたら、近い将来、ケーン材の天然リードの入手が難しくなるかもしれません。そこで注目すべきは、シンセリード(人工リード)です。
近年、高品質なシンセリードが数多く開発され、演奏環境の均一化、またリード選定への労力と出費の削減に大きく貢献し、多くのサックス奏者に採用されています。
かつてのRICOから発売された「Plasticover Reed」は、天然リードの「皮」以外の部分を黒い合成樹脂でコーティングし、天然リードを強度補強、耐水性向上させるという製品です。一時製造中止されたようですが、またダダリオブランドで販売しています。
人工樹脂が主成分のリードでは、プラスチック製リードの定番、BARI(バリ)、また人工繊維を利用したFIBRACELL(ファイブラセル)等が人気を博していました。そして近年、最新技術を使ったシンセリードが数多く発表されています。
D’Addario(ダダリオ)の合成樹脂リード、“VENN” がモデルチェンジして、第2世代Gen.2が発売されました。変更点は、リードの裏面の保護フィルムが無くなり、リード表面のコーティングがより強化され、強度がケーンのリードと同等となったとのことです。
Forestone(フォレストーン)の新素材リード、「響 Flex(ヒビキ・フレックス)」は、ポリプロピレン樹脂と木質セルロース繊維を融合させた独自素材を採用しています。ケーンリードと同様の切削加工技術を導入し、均等かつ安定した品質を可能にしました。これによりリード特有の反りやゆがみが減少し、安定した演奏条件が可能になります。
6年間にわたる開発期間を経て完成した、優れた音響特性と演奏性を実現した画期的なリードだそうです。
Vandoren (バンドーレン)の新製品、シンセティックリード「VK1」は、バンドーレン社が7年にわたる研究を経て生み出した新素材のコンポジット繊維で作られています。この新たなコンポジット繊維は、ケーンリードと同様の音響を得られるよう、ケーンの本質的な物理的特性を再現しているそうです。
使用している素材は低アレルギー性で、口にいれても安全で、発がん性も無い、非毒性であることが認証されるEU指令に適合しており、1枚1枚に固有のコードがプリントされており、模造製品が出来ないようになっています。
日本のベンチャーメーカー、Triolet(トリオレ)が発売した樹脂リード、Regular(レギュラー)、Marron(マロン・茶色)、Noir(ノワール・黒)の3シリーズも要注目です(Marronはクラ用のみ)。アルト用でRegularが税込\1,780 、Noirが税込み\2,000と他の人工リードと較べかなり安価です。
「もう、シンセリードしか使ってないよ」、というサックス奏者も増えているようです。
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