急速に普及を続けている3Dプリンタ。最ヒットモデルのBambu Lab A1 miniはネット販売で29,900円と、すぐにでも手の出せる金額です。そしてこの3Dプリンタが、サックス界をも変えようとしています。サックスに関連する、3Dプリンタ界の現状についてご報告します。
かつての3Dプリンタは、CADデータを物体化して、デザインや機能等を試作検討するための、数千万円もあたりまえの、非常に高価な産業機器でした。レーザー光線で樹脂を硬化させたり、往復するプリンタヘッドから液状樹脂を射出したりと色々な方法がありますが、基本は立体を積層成形して積み上げていき、最終的な立体物を作り上げます。しかし現在一般向けに普及している3Dプリンタは、ロールに巻き取られた針金状の成形素材(各種あり)を、ヒーターの付いた可動ノズルから少しづつ吐き出し、立体に積層していくタイプです。この方式により、3Dプリンタは急速な低価格化が実現され、家電製品並みの感覚で、「希望の立体」を作り出すことが出来ます。ネットからは多彩な3Dプリンタ用データが無料でダウンロードでき、専用の3Dソフトが無くても、スマホから色々な「もの」を3Dプリントすることが出来ます。
無料の3D造形データがダウンロードできるサイトには、世界最大級の3Dプリントデータ共有サイト「Thingiverse」、Bambu Lab社が運営する「MakerWorld」、Prusa社が運営する高品質なコミュニティサイト「Printables」等がありますが、いずれのサイトでも、「Saxophone」で検索すると、「エンドプラグ」、「リードケース」、「マウスピース」、「マウスピースキャップ」、「リガチャー」、「サックススタンド」等のデータがぞろぞろと表示され、すべて無料でダウンロードし、自分の3Dプリンタで造形することが出来ます。なかには、ヤマハのサックスシンセ、YDS-120用のホーンベルパーツや、各種サックス用のリード、サックスストラップ用の幅広Y字スライダーなどもあります。もちろん3Dプリンタで作ったマウスピースが、どんな音を出してくれるのかは分かりませんし、リガチャーやスタンドの強度も心配ではあります。ただ主流の熱溶解積層(FDM/FFF)方式の3Dプリンタには、固い素材、柔らかい素材、ゴムのような素材等、色々な造形素材が使えますし、その解像度(成形の細かさ)も多様に選べますので、上手くプリントすればサックス奏者が満足出来るものになるのかもしれません。
3Dプリンタと言えば、Syos社のマウスピースが有名です。高度な3Dプリント技術を駆使して、高性能なサックス用マウスピースを製造販売していますが、最近チタン製の3Dプリンタマウスピースを発売しました。航空宇宙分野等で使われる先端の金属3Dプリント技術である「レーザーメタルフュージョン方式」を用いて、細かいチタン粉末を高精度レーザーで層ごとに融合させ、内部の形状を驚異的な精度で作り出しているそうです。同社のCEO、ポーリン・エヴェノ(Pauline Eveno) 氏いわく、「私たちは3Dプリントのマウスピースを作るために、素材と成形精度、製品の安定性について徹底的に研究し、その結果を製造材料と器機に反映させ、高品質なマウスピースの製造を実現しています。」、とのことです。やはり、先端は凄いですね。
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