大手サックスメーカーが、近年次々と記念モデルを発売していますが、日本のサックス専門メーカー、YANAGISAWA(サックスのブランド名としてはこれが正しいようです)がとんでもなくゴージャスなサックスを発売しました。プリマ楽器創業80周年記念、プリマ・ヤナギサワサクソフォーン「孔雀の誇り」です。このサックスと発売元のプリマについて掘り下げてみましょう。
プリマ社は1945年、東京・赤羽で楽器・楽譜の卸商として創業しました。1950年代に入ると、日本で最初のフルートを製作した村松孝一氏のフルートを「プリマフルート」とし発売したり、日本のオカリーナの父と呼ばれる明田川孝氏が製作するオカリーナを、「プリマオカリーナ」として販売したりと、特に木管楽器の製作支援を重点的におこない、積極的な販売活動をおこなっていました。柳澤孝信氏、坂野勝二氏によって設立された柳澤管楽器が1954年、第1号テナーサクソフォーン(T-3)を発売開始して以来、当初は「プリマサクソフォーン」として、そして現在は「プリマ・ヤナギサワサクソフォーン」として)、長きにわたり、柳澤管楽器のサックスを販売しています。同じようにNIKKAN(日本管楽器)のサックスをヤマハが売っていた時代もありましたが、NIKKANはヤマハの実質的子会社で、後にヤマハに統合されました。プリマ社は1960年代にはセルマーやマーチンのサックスの輸入発売も開始しますが、1970年代頃までは、柳沢製のサックスは「プリマサックス」の名のほうが認知度が高かったようです。プリマ楽器は現在では100を優に超えるブランドの楽器を販売する、大手楽器・楽譜総合卸商社です。
そのプリマ楽器が2025年、創立80周年を記念して発売したのが、プリマ・ヤナギサワサクソフォーン「孔雀の誇り」です。9月20日発売予定のアルトとソプラノの「孔雀の誇り」は、YANAGISAWAのWOシリーズの最高級モデルをベースに、重厚なシルバープレートフィニッシュを施し、ハンガリー出身のグラヴィール彫刻家マイゼィク・ローベルト氏が、平和や調和、希望の象徴とされる「孔雀」の姿を彫刻で描いています。グラヴィール彫刻とは、回転する銅盤を用いてガラスに立体的な彫刻を施す技法で、17世紀ボヘミアにおいて、水晶彫刻の技術をガラスに応用することから始まったといわれる、伝統的な彫刻技法です。ローベルト氏自身が楽器の個体一本一本に、自らの手で彫刻を施し、グラヴィール彫刻の手法により、銀メッキの下の真鍮面が現れ、彫刻の図柄は素晴らしい金色に輝いています。プリマ楽器の動画サイトで、サックス奏者の宮崎隆睦(みやざきたかひろ)氏による試奏が紹介されていますが、シルバープレートのサックス特有の柔らかなサウンドに、更に深みがかかった感じのサックスとなっているようです。パッドにはメタルブースター、サムフック、サムレストには金メッキ仕上げの「サムの魔法使い」、キーには白蝶貝等、豪華な構成で、ソプラノサックスはカーブドの一体型ネックとなっています。アルト、ソプラノとも価格は128万円(税抜き)です。
——————————————————————————————–
⇒『 AIZENより Summerキャンペーン 返品保証30日+豪華3大特典付き』
⇒『AIZENお客様の声キャンペーン!』
この記事へのコメントはありません。