サックス 練習・レッスン

サックスのフィンガリング

「サックスを演奏する」、という作業は、主に口と指でおこないます。もちろん息の出し方、姿勢、手首や腕による指の動きの補助等、喉やら胸やら、腰やら手首、肘等、細かく見れば、奏者は全身を使ってサックスをコントロールしていますが、音を出すエネルギーをサックスに伝える「口」、そして出す音の高さを決める「指」は特に重要な体の部位です。意外と忘れられがちな、「サックスのフィンガリング」について深掘りしてみましょう。

サックスを演奏している皆さんは、ほとんど意識せずに口と指を連動させている事でしょう。しかし楽器が意志通りの音を出すためには、その音を出せる状態になったサックスに、息を入れる必要があります。弦を押さえてから弦を弾くギター、バルブやピストンで管体の長さを変えてから息を吹き込む金管楽器等、皆同じ仕組みです。でもこれらの「音高の準備」と「発音」の時差は、あまり奏者は意識することはありません。しかし実際にはタンギングで音を出す直前、100分の1秒程度のタイミングで、指はサックスの準備を終えています。それ故に、サックスは希望の音高の音を出してくれます。ですので、指が絡まりそうな早いフレーズを吹くとき、指が口に追いつかない場合も出てきます。しかしこんなとき奏者は、無意識に音を出しっぱなしにして、指だけで音を変えます。ノータンギングのフレーズ演奏です。もの凄い速さのソロフレーズを吹いているプロサックス奏者に、「どこでタンギングしているんですか?」と訊いたら、「頭以外はタンギングしてないよ、パッドの開きを大きめにして、ノータンギングでも音の切れが出るようしている。」との答えでした。そのときは目からうろこでしたが、サックスの経験を積んだ今では、自分でも無意識にやっていることを自覚しています。口と指の微妙なタイミングの関係、タンギングの位置等を、是非練習で意識してみてください。きっと「上手い歌い方」に通じると思います。

フィンガリングの反応速度は、デジタルのサックスではとても重要な仕様です。指の動き、フィンガリングを電気信号に変えて、デジタル音源を駆動する電子サックスやウインドシンセサイザーでは、そのスイッチングの速度が、フレーズの速さの限界や演奏感覚に影響を与えます。AKAIのEWIやスタイナーホーン系のウインドシンセでは、静電容量スイッチと呼ばれる、金属製の検出パネルと指の接触によって操作を検出するスイッチが使われており、機械的な断続接点を持たないため、超高速に反応します。ローランドのエアロフォンシリーズでは、キーは機械式ボタンスイッチを採用しています。ストロークの小さい接点構造で、指の動きを電子回路に伝えています。ヤマハのYDSシリーズやODISEI MUSICのTravel Saxでは、サックスのキーメカニズムに連動したマイクロスイッチで回路に繋がっています。それぞれ操作感は大きく異なり、奏者によって好みが分かれるようです。またフィンガリング操作による反応速度もそれぞれ異なるようで、機種によっては速いフレーズで発音エラーが出る場合がある、という声もあるようです。電子サックス系の発音の遅延はレイテンシと呼ばれ、データが要求されてから処理が完了するまでの「待ち時間」や「遅延時間」を差しますが、フィンガリング系の設計仕様や、システム全体の信号伝達速度で大きく変わり、演奏に不具合が出るほどの遅延が出る場合もあります。ステージで電子サックス系を使う奏者は、このレイテンシをとても気にします。口、指、出音のタイミングが少しでも狂うと、奏者は演奏し辛くなってしまいます。

 

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