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サックス お手入れ

Written By: sax on 11月 29, 2017 No Comment

サックスを吹いた後は、必ずスワブを管体に通して水分を除去してください。サックスのお手入れの基本中の基本です。英語の「swab」は床を拭くモップとか綿棒の意味ですが、細くて覗くこともままならない、サックスの細いパイプの内部をしっかりと拭いてくれているのだろうか、とか、中で詰まってしまわないだろうか、とかスワブヘの「不安」は結構ありますよね。
 サックス用スワブクリーナーは、その形状から数パターンに分類出来ます。ハンカチ形状の布に紐をつけた「普及型」、何らかの形状保持構造を伴って管体内部を円形になぞるように作られた「パイプ内密着型」、布そのものの形状や構造で管体内部への接触率を上げようとした「もしゃもしゃ型(?)」等色々あります。近年の流行としてほとんどのスワブに、管体内にスワブが詰まってしまった場合に引き戻す、「詰まり防止戻し紐」が付いています。サックス管体の上部にはオクターブパイプと呼ばれる突起が出ているため、それがスワブを詰まらせてしまう場合が少なくありません。この戻し紐でベル側に引き戻せば、かなりの確率で詰まりを治すことが出来ます。ちなみにスワブ詰りがどうしようもなくなったときには、迷わずリペアスタッフに頼みましょう。素人技で何とかしようとすると、このオクターブパイプを破損したり、管体内部を傷つけたりしてしまいます。

 どんな形状のスワブでも、水分の吸収性能はかつての物から飛躍的に向上しているようです。かつてのスワブは木綿や合成シルクが吸水布の材質でしたが、いまではマイクロファイバー素材等の特殊な繊維で、ちょっとした水分も根こそぎ吸い取ってくれるようになっています。しかしポイントはここです。スワブは基本的に水分吸収のためのものです。管体内部を雑巾がけのように「擦って綺麗にする」訳ではありません。長期に渡ってお手入れをサボり、管体内部にホコリ等が溜まってしまった場合には、スワブによる掃除では効果がない場合があります。手入れをサボる→残った水分にホコリが付着する→管体内部にホコリが残る→ホコリにホコリが蓄積する、という最悪の展開は避けてください。「パイプ内密着型スワブ」や「もしゃもしゃ型スワブ」で何とかなる場合もありますが、最悪の場合、悪臭を放って来て、分解掃除という可能性も無い訳ではありません。

 スワブの正しい通し方、って有るんでしょうか。お勧めの作法はあります。基本、椅子に座ってやりましょう。膝の上にサックスを立てて、ベル側からスワブの「先紐(戻し紐ではないほう)」を入れ、管体を逆さにしてその先端をネック側から出します。そこからサックスを膝の上にサックスの上を右側にして置き(右利きの場合)、ゆっくりと先紐を引いていきます。そのときベルに吸い込まれていくスワブ本体が丸まったり、絡んだりしていないかを確認してください。スワブ本体が管体の中程あたりに達したら、左手で押さえるキーを左手で塞いで先紐を引いていきます。こうすると、パッドの裏側に付着した水分も吸収することが出来ます。スポン、とスワブがサックス上部から抜けたら大成功。これを数回繰り返して掃除はOKです。あ、ネックとマウスピースの掃除も忘れないでください。
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Written By: sax on 7月 19, 2017 No Comment

サックスという楽器も機械の一種です。例えば自動車のタイヤやブレーキパッド、エンジンオイルなどのように、消耗し、交換や手当が必要な部分が沢山あります。それらの消耗部品への注意を怠ると、「演奏中に音が出なくなった」、とか、「音程が修正できないほど狂ってきた」等の予想外のトラブルに通じることがあります。今日はサックスの消耗部品の話しです。
 サックスの一番の消耗部品は「リード」です。こればっかりは避けられない「使用による劣化」です。それにコストも安いものではありません。樹脂リードを使って寿命を延ばすという手もありますが、天然リードの「延命法」はいくつかあります。近代では常識になりつつある、リードの湿度管理もその一つです。保湿機能を持ったリードケースを使ったり、使用したリードをビンの中で水中に沈めて乾かないようにしたり、等の対策でリードの乾燥を防ぐことで寿命は延びるようです。何ら科学的根拠のない医療迷信のような方法ですが、 「渋いお茶にリードを浸しておくと、コシが生き返る!」というひともいます。ま、捨てる前に試すのも一考かと。
 リードに続くサックスの消耗部品となると、皆甲乙付け難い「消耗度」です。まず気になるのはネックコルクでしょうか。使っているうちに硬くなり、また擦り減って、マウスピースとの間で空気が漏れるようになる場合があります。カッチカチのネックコルクのサックスを平気で吹いている方をたまに見かけますが、「なんか硬そう」と感じたら交換しましょう。トーンホールを塞ぐパッド(タンポ)も影響が大きい消耗部品ですね。はっきり言って、そのサックスのオーナーが、「パッドが硬いな」と感じたらほぼ手遅れです。定期的にリペアマンに見てもらい、劣化したパッドを交換するようにしましょう。フェルトも地味ですが重要な消耗部品です。金属部品の間に入って「衝撃を防ぐ」のが主な役割ですが、もうひとつ 「パッドの開き具合を微調整する」という役割もあります。取れてしまったり、潰れてしまったフェルトによって、トーンホールカップの位置に不具合が生じる場合があります。たまに自分の楽器の「フェルト」をじっくり観察してあげましょう。
 多くのサックス奏者が、意外と無頓着なのがサックスの管体表面の消耗です。ソプラノを除くサックスの管体左側は、演奏中に奏者の太ももに擦られるので、塗装やメッキ、また地金も擦れて摩耗します。長きに渡って摩耗しますので、その影響に気が付き難いのですが、表面が変わればサウンドも変わります。クロス等で磨きすぎるのも考え物ですが、全く表面を掃除しないでサビが出るのも良くないかもしれません。またサックス表面のサビを研磨剤で磨く方をたまに見かけますが、研磨剤はお勧めしません。手の油を拭き取る程度で充分です。またサビは金属表面に酸化膜を作るので、それ以上の劣化を防ぐ「防御層」となる場合もあります。管体の大幅なクリーニングは、是非リペアマンに相談してからおこなってください。
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Written By: sax on 5月 10, 2017 No Comment

最近の100均は奥が深い。かつては、「これが100円?凄い!」が基本的な100均の感想でしたが、今では、「こんな物まで100均で売ってるの?」、という感想のほうが多い気がします。とにかく100円ショップでの買い物は発見が多くてめちゃ楽しいですよね。そんな100円ショップで、サックス演奏に関わる多くの便利グッズを仕入れてますので、そのいくつかをご紹介します。
 「椅子の靴下」というものを100均で見かけたことはありませんか?椅子の四つの足に履かせるニットや布のカバーで、椅子の足を覆って床に傷がつかないようにするものですが、見た目はまるで赤ちゃん用の小さな靴下みたいなものです。これがマウスピースのケースにドンぴしゃなんです。サイズがテナーやアルトのマウスピースにぴったりで、尚かつクッション性があってマウスピースへのダメージも防げます。必ずしも椅子の靴下にこだわらなくても100均には膨大な種類の小物入れが「生息」していますので、気長に探せばあなたのニーズに合致した「入れ物」が見つかると思います。特にウェットスーツのようなウレタン生地でできた「クッションバッグ」は大きさのバリエーションが豊富なので、メトロノームやチューナー、コンタクトマイク、譜面ライト、ケーブル類等のケースにピッタリなものが探せます。入れる物主体で入れ物を探すのが普通ですが、品目の種類が多い100均では、入れ物を見ながら、「それに入れる物」を考える、というのもお勧めです。「あ、このポーチ。スワブを入れるのにちょうど良いじゃん!」、なんて探し方も良いと思います。
 100均で是非揃えたい(?)のが、「譜面整理系文房具」です。透明のシート状のフォルダで文書をまとめる「クリアファイル」は、譜面の整理にピッタリです。色々な色がありますので、曲のジャンルや使うバンドによって色分けするのも良いでしょう。譜面の入ったクリアファイルを入れるための「書類ケース」も100均で揃えてしまいましょう。A4やB4など、大きさも豊富ですので、中に詰め込む譜面の量によって選びましょう。屋外の演奏で必須な、クリアブックも100均で売っているようです。譜面を入れて、ページを開いて洗濯ばさみで譜面台に留めれば、屋外の多少の風でも譜面が飛ばされることがありません。譜面用には、開いた状態がなるべく平坦になるような綴じ代のブックが良いと思います。100均のクリアブックは総じて収納ページが少ないのが難点ですが、文房具店のクリアブックは軽く千円を超える物ばかりですので、工夫して100均クリアブックが使えるなら、それに越したことは無いでしょう。
 その他にも、シールやゴムバンド、ペン立や名札など、みなさんの楽器ライフに役立ちそうなものが、沢山100均の棚に並んでいます。音楽家の為の道具があるのは、楽器屋さんだけじゃありませんよ。

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Written By: sax on 4月 26, 2017 No Comment

楽器演奏をするものにとって、人前で演奏する機会は大きな楽しみであり、同時にとても緊張するものでもあります。多分皆さんの多くは、人前で演奏するために日夜サックスの練習を積んでいると思いますが、練習と本番とでは緊張の度合いが大きく違います。ライブの本番前日なんて、目が冴えて眠れない、なんて人も沢山いるはずです。今日はステージでの本番前、準備を万全にし、自分をリラックスさせるための、「ルーティーン(必ずおこなう定番の動作)」の話をしましょう。音楽に限らず、演劇や講演、ダンスや演芸、ステージでおこなうどんなものでも、「手の平に人という字を書いて、それを飲み込む」なんていう、「人前であからないためのおまじない」があります。サックス奏者のステージ前のルーティーンも、実はそんな「おまじない」のひとつなのかもしれません。ただし根本は、「サックスという楽器を無事に吹ききるためのチェック」がそのルーティーンですので、覚えておおいて損は無いと思います。
 演奏本番前の大事なルーティーンのひとつに、「呼吸の確認と調整」があります。「ステージに立つ」とう緊張感は、知らず知らずに自分の体の各部をも緊張させています。緊張した体をリラックスさせ、いつものサックス用の呼吸が出来るようにしましょう。まず胸で数回深呼吸をし、続いて横隔膜を意識して最大に息を吸い込みましょう。喉を開いて、ゆっくりと「温かい息」を細く開けた口から吐いていきます。背筋の緊張もほぐしておきましょう。背中を丸めて床を見る姿勢から、ゆっくりと背中を延ばし、天井を見るまでぎゅっと背中をそらします。そのとき、両肩の力は、くるくると肩を回してリラックスさせましょう。体のためのルーティーンの基本はこんなもんでしょう。
 次は楽器、サックスのためのルーティーンです。ネックオクターブキーのシャフトスクリューが飛び出ていないか確認しましょう。演奏をしているとこのスクリューが緩んで出っ張って来ている場合があります。出ていたらドライバーで軽く締めこみましょう。ネックスクリュー(本体のジョイント側でネックを締め付けるネジ)は緩んでいないか。このネジが緩んでいると、ネックが回転したり、息が漏れて音がうまく出なくなったりします。うっかり緩んだままで演奏しがちですので注意してください。G#とC#のキーで、ちゃんとパッドが開くか。この二つのキーアクションは、閉まったパッドを開く動作です。パッドが卜-ンホールに張り付いていると、キー操作をしてもパッドが開かない場合がよくあります。くっ付いていたら手で開けて、張り付きを治しましょう。ルーティーンの最後はサックス管体のウォームアップです。すべてのキーを塞いで、温かい息をゆっくりと、そしてたっぷりとサックスの中に入れ、楽器全体を温めましょう。サックスに関しては、もっと色々な部分を確認したいところなのですが、ステージ袖で本番直前に直せる不具合はそんなに多くありません。直せない不具合は発見しないほうが良いのではないでしょうか。その類のチェックは演奏前のリハーサルや音合わせでやっておきましょうね。

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Written By: sax on 4月 12, 2017 No Comment

春となり、温かくなってくると外に出たくなります。サックス奏者の皆さんも、公園や空き地、河原などでの「外練」をしたくなる、おあつらえ向きの天気になってきます。サックスだけでなく、管楽器は総じて大きな音が出るため、家での練習にはいきおい制限がかかります。外で伸び伸びと大きな音が出せるこの季節、「外練」でのいくつかの注意を紹介しましょう。
 「外練」の基本は、なにはともあれ「自分」を大事にすることです。寒さや雨などの天候で「外錬」を強行すれば、あなたが風邪をひいてしまいます。サックスの練習で風邪をひいたなんて、誰も同情してくれません。まずは自分の体を第一にいたわってください。体の次にいたわるのが楽器です。サックスは木管楽器と言っても、ほとんどの部品は金属製なので、かなり丈夫な部類の管楽器です。クラリネットなど自然木材で出来た楽器は、室内と屋外との湿度や温度の差で木材が膨張してしまい、ひどい場合には主管の割れ(クラック)も引き起こしてしまいます。湿度はともかく、サックスも大きな温度差は決して良い条件ではありませんので、室温と外気の温度差には注意を払ってください。また、「外錬」での直射日光にも注意が必要です。サックスの表面処理にはラッカー等の塗料が使用されていますが、これらの塗料は概ね太陽光に含まれる紫外線の影響を受けます。強い紫外線下に長時間サックスをさらすことで、塗料の色が変色する「焼け」や、塗装面にしわがよる「ちじれ」等の影響が出る場合がありますので、夏の直射日光などには十分注意してください。
 「外錬」では風にも注意してください。ま、風が当たるくらいではサックスは壊れませんが、警戒ポイントは風が飛ばしてくる「砂ぼこり」です。外気には風に運ばれた細かい砂や埃が含まれ、空気中を舞っています。これらの砂や埃がサックスのシャフトの軸受けや、回転部に付着すると、機械油の中に留まって、可動部を擦る「やすり」のように機能してしまいます。目に見えないような砂埃でも、長い間にサックスの可動部をすり減らします。気が付いたら、「シャフトがガクガク」なんてことにもなり兼ねません。風邪で埃が舞っているような日に、外で練習するようなことは避けるのが賢明でしょう。
 「外錬」では、サックスの故障などの楽器への配慮に加え、練習の方法そのものにも注意が必要です。広い屋外では、自分のサックスの音を反射する壁等は無いことがほとんどですので、自分の耳を使った音量のコントロールが難しくなります。ついつい無理して大きな音を出してしまう傾向が出てきますので、それがもとで喉にダメージを与える場合もあります。また小さな音が聞こえ難いので、サックスのコントロールが雑になりがちです。しかし、広い場所で、自分の音を「遠くに飛ばす」のはとても気持ちが良く、かつ重要な練習です。気持ちの良い「外錬」をしてください。

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Written By: sax on 3月 22, 2017 No Comment

管楽器は空気を振動させて音を出す道具です。その楽器の長さ、もしくは共振する波長によって、その楽器から出る音の高さが決まります。普通の気温の変化程度では、楽器素材の熱膨張は無視できるほどの些細なものです。すると、気温が上がると空気の波長が変わり、その長さの楽器で出る音の振動数が大きくなる、つまり音が高くなってしまいます。楽器がいつもより冷えているとき、いつも吹き方では楽器から出る音は低くなります。そして楽器を吹くにしたがって暖かい息が楽器の中を温めていき、音がだんだん高くなります。今日は温度とピッチのコントロールについてお話しします。
 真冬のアンサンブル練習。みんなが楽器を準備したら、各々が自分の楽器をチューニングします。練習が進むにつれて、楽器達のハーモニーが崩れていきます。みんなの楽器のピッチがめちゃくちゃ高くなっています。真夏の野外コンサート。控室でチューニングしたはずなのに、楽器のピッチがどんどん高くなっていきます。自分の音を聞きながら、マウスピースを抜いてピッチを合わせていますが、もうこれ以上抜けません。楽器はもの凄く熱くなっています。皆さんにもこんな経験はありませんか?サックスでもトランペットでも、管楽器は冷えていれば音のピッチが低くなり、熱くなれば高くなります。奏者の息の温度は36度前後で均一ですので、外気の寒さやエアコンで冷えた楽器を吹いていれば、だんだん温まりピッチが高くなります。真夏の日差しで高温になった管楽器は、息を通したくらいでは温度は下がってくれません。アッチッチでピッチの恐ろしく高い楽器になります。
 サックスに限らず、管楽器奏者はこの「楽器の温度と気温」に注意して演奏しなければなりません。「ウォーミングアップ」とは、演奏前の肩慣らしだけでなく、文字通り「楽器を温める」ことが必要です。あなたの楽器が冷たいと感じたら、全トーンホールを塞ぎ、温かい息を大量にサックスに入れましょう。マウスピースやネックを手で温めるのも効果的です。ベルに軽くタオルを詰め、低い「ド」の運指で息を入れると、息が楽器を効率的に温めてくれます。温まった楽器は決して寒い場所には持って行かないように。すぐに冷たくなってしまいます。ステージ本番前などで楽器を温める時間が無い場合は、楽器が吹いていると温まり、ピッチが上がることを想定してチューニングをします。あらかじめ低めにチューニングする、ということです。もしくはアンブシャを強めに、口をきつく締めた状態でチューニングをし、演奏中に普通に戻していく、という難度の高いやり方もあります。
 炎天下の直射日光で熱くなった楽器は…。霧吹きをして楽器を冷やすトロンボーン奏者を見たことかおりますが、効果はどうなのでしょう。日陰に入るのが一番。日向に出ない、楽器を日向に置かないのが基本です。

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Written By: sax on 2月 22, 2017 No Comment

サックスという楽器は真鍮等の金属で出来た、沢山の優雅な曲線で成り立っています。周りの光をその曲線が各所で反射し、複雑なメカニズムも細かく光を映し、その輝きは本当に美しく、誰もが魅了されます。しかしそれゆえに、「へこみ」に弱いことは、サックス奏者の誰もが熟知している事実でもあります。ズボンのベルトのバックルが少し当たっただけでも、サックスのボディはうっすらと凹んでしまう場合もあります。さあて困ったものです。管楽器の「凹み」は、サウンドに影響のない些細なものであっても、下取りの際には大きなマイナス査定ポイントとなります。管楽器販売関連の多くのプロがやっている、凹み確認のマル秘技をお教えしましょう。
 楽器屋さんやリペアマンさんが、白い布手袋をはめて楽器を触るのを見たことがあると思います。もちろんこれはご想像通り、手の油が楽器の表面に付着し、表面を汚してしまうのを避けるのが第一の目的です。しかし、手袋をはめていると良いことがもうひとつあるのです。それは、「楽器の表面の凹凸が細かく感じられる」、ということです。どこでも見る白い薄手の布手袋は、最近では100均でも買えますし、化粧品屋さんや薬局でも買えます。高額なものではないので、サックス奏者は是非この手袋を常備してください。この布手袋をしたうえで、自分のサックスのネックや、ボディのあらゆる部分を撫でてみてください。あらあら不思議、素手で触っても分からなかった凹凸が、手袋をすると非常に細かく感じられるのです。肉眼と素手ではまったくわからない、ネックのほんの少しの凹みでも、手袋越しに触れると、嘘のようにはっきりと分かります。光を映してみても分からなかった凹みや表面のうねりが、くっきりはっきりと指で感じることができます。

 この「技」でしか分からないような些細な凹みや歪みは、一般的にはサックスのサウンドにほとんど影響を与えません。ですので、自分の楽器を自分で演奏している分にはさほど必要な確認ではないでしょう。しかし、楽器を借りて演奏する場合や、逆に貸し出すときに、その楽器の状態をつぶさに確認するには役に立つでしょう。また、「音程がなんかおかしい。ネックが曲がっているのかな?」、なんてときに手袋をしてネックを擦れば、曲がって楕円になったネック管体が感じられるでしょう。また、中古楽器を購入するときの状態確認にも良いかもしれません。特にヴィンテージサックスなどでは、塗装が剥げたり、錆で表面が荒れていたりしているので、目ではなく、指で凹みや歪みを確認することは大切です。凹みを修理で直した後の微細な膨らみも感じることが出来るかもしれません。手袋をして愛器を撫でる。試してみてください。

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Written By: sax on 2月 15, 2017 No Comment

サックスのマウスピースの材質は多種多様です。昔ながらのハードラバー(エボナイト)製。メタル素材では一般的な真鍮ばかりでなく、ステンレススチールやアルミニウムが使われているものもあります。新しい合成樹脂素材ではABS樹脂やアクリル、ポリカーボネート等も使われています。サックス奏者にとって音の根源であるマウスピースは、自分のサウンド作りに欠かせない大切な部品です。価格も超高価なヴィンテージの逸品や、職人のハンドメイドもの、精密加工機で製作される現代的な名品と、マウスピースを選ぶのは本当に大変です。この大事なマウスピースの「寿命」って考えたことがありますか?
 結論から先に言えば、「マウスピースには寿命があります」。サックスの演奏中、マウスピースはリードの振動とともに「震えて」います。しかもマウスピース全体に均一な振動をしているのではなく、先端、リガチャー接触部、シャンク(ネック接合部)では異なる振動をしています。この部分的に異なる振動はねじれを生み、マウスピースの各部に「ストレス」を与えます。ストレスはマウスピースの材質の強度に細かな変化を与え続け、最終的には「振動する構造としての機能不全」を起こします。簡単に言えば、「マウスピースは長年吹き続けることによる振動の蓄積で、いつか鳴らなくなってしまう」、ということです。 しかし、その寿命は素材の初期状況や演奏の際のストレスの大小、演奏の頻度等、多くの要素が絡み合うので、何時間、何年間でマウスピースが寿命を迎えるのかはまったく予測することは出来ません。また寿命があると考えると、寿命に向かって徐々に変化をして行くわけで、その変化を「熟成」や「成長」と捉えることもできます。新品のマウスピースがある状態に変化し、そのサウンドが変わって来た時、あるプレーヤーは、「このマウスピースは死んだな」と言い、別のプレーヤーは、「やっと枯れて来た」と言うかもしれません。

 50年以上前に製造されたヴィンテージマウスピースが、市場で高価で取引されています。 「腕の良い職人によって作られた名作は、50年以上経ってもその時代の音で鳴ってくれる」、というのは間違いです。マウスピースの材質は、どんなものでも「経年変化」します。完全に昔と同じ音では無いはずです。それでも「良い音」なのは、良質なマウスピースは良質な変化をする、ということです。奏者が受け入れられる上質な変化は、決して「死への過程」ではなく、むしろそのマウスピースの「味」や「性格」でしょう。
 このように、何もしなくてもマウスピースは歳を取ります。ましてや傷や欠け、ショックによる内部刺激は、その機能にダメージを与え、本来のサウンドが出せなくなってしまいます。マウスピースを大切に扱い、その変化に寄り添い、長く付き合ってください。

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Written By: sax on 2月 8, 2017 No Comment

サックスプレーヤーの皆さん、サックスのサウンドや吹奏感は、口に近い部品ほどその影響が大きいと言われています。マウスピースやリガチャー、リード、高価なところではネック等のパーツには、多くのサックス奏者の皆さんがこだわって、かつお金を掛けていることでしょう。しかし、何か忘れていませんか。あれです、マウスピースのキャップです。「だって、吹くときには外しちゃうから、サウンドに関係ないじゃん。」、とお思いでしょう。確かにキャップは演奏時には外してポケットに入れたり、その辺に置いておいたりします。あまり目立たない存在です。でも、もしあなたのマウスピースキャップがこんなだとしたら、ちょっと放っておけないと思います。
 「マウスピースに被せると、キャップがリードに触る」。致命傷です。キャップが必要以上に深く被さるようになっていると、当然ながらキャップの天井がリードやマウスピースの先端にあたっている場合があります。 リードが損傷し、マウスピースの先端が傷付きます。天井に穴が開いているキャップなら目視で注意できますが、塞がっているタイプなら、マウスピースに被せてみて底の位置をチェック、キャップを被せずに横に並べてその位置に合わせましょう。キャップの天井からマウスピースの先端が、数ミリ以上離れていればOKです。「リガチャーやマウスピースを擦ってしまうキャップ」。意外と恐ろしい結果が待っています。マウスピースの直径や形状に対し、口径が狭く、かつ金属製のキャップでは、キャップをマウスピースに被せる度に、マウスピースの外周をキャップの端で擦って傷つけてしまう場合があります。価格の安い金属キャップは、開口部の内側が尖っている(やすりで丸く加工されていない)場合が少なくおりません。大事なマウスピースやリガチャーが傷だらけ、という事になりかねません。「リードの面に触るキャップ」。無さそうでたまにあるキャップの不具合です。マウスピースのテーパー(次第に細くなる形状)の角度、使用しているリガチャーの厚さ等が悪さをし、キャップを被せると、マウスピースに対し曲がった角度で入っていき、キャップの内部がリードに、特にリードの先端平面部に擦れてしまう場合があります。このような場合には横から見るとキャップが異常に上を向いているので、ちょっと注意深く観察すれば気が付くでしょう。

 慎重派のサックス奏者は、マウスピースを仕舞う際、マウスピースにガーゼ等を数せてからキャップをし、全体をクロスで包みます。マウスピースの先端を守るためです。同様に、ダメになったリードをリガチャーに装着し、その先端をマウスピースの先端より外に出るようにしてキャップをするのも良いでしょう。キャップでリードの乾燥を防ぐプレーヤーも沢山います。穴の開いたキャップの穴をテープ等で塞いでしまえば、リードが空気に触れて乾燥するのを防ぐことができます。またキャップ内に湿った紙や布を張り付けているプレーヤーもいるようです。キャップって、大事でしょ?

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Written By: sax on 2月 2, 2017 No Comment

サックス細かすぎるポイント第?段!誰も教えてくれないのに、サックス奏者は皆しなければならない事。でもそんなに頻繁には必要ない。何でしょう?ネックコルクのグリシングです。つまりコルクグリスの塗り方です。ええっ?そんなとこまで気を使うの!ってレベルでコルクグリスについてお話しします。
 最近のコルクグリスは、くり出し型のリップスティックタイプになっており、クリクリと筒から少し出して、そのままネックコルクに塗れるようになっています。しかしそのやり方は「×(バツ)」です。グリスがコルクの上に「置かれている状態」にしかならないので、マウスピースを挿せば、グリスは剥がれてしまいます。コルクにグリスを塗った後、親指と人差し指でゴシゴシと、グリスをコルクに「擦り込んで」ください。コルクにグリスを浸み込ませることで、コルク表面の滑りを長期間キープすることができます。この「擦り込み」の際は、コルクグリスの粘度が低いほうが良いでしょう。温度が低くてグリスに「粘り」が多いと、コルクへの浸み込み具合が低くなります。息で温めるだけでもグリスはかなり溶けますのでお試しを。
 グリスはコルクの全体に塗る必要はありません。マウスピースをネックに挿す際に、マウスピースのシャンクがスムースにネックのコルク部で滑ってくれるようにするのがコルクグリスの役割です。ネックコルクの先端1/4ほどはグリスを塗る必要はありません。逆に先端までグリスを塗り過ぎると、ネックの先端からグリスがネック内部に入り込み、埃を吸着して汚れの原因となりますので注意してください。ネックコルクにグリスを塗り、ネックをマウスピースに差しこむと、余分なグリスがマウスピースの後端に溜まります。この余分なグリスは乾いた布やティッシュで必ずきれいに拭き取りましょう。
 グリスはサックスにとって、実は好ましいものではありません。粘着性のあるオイルですので、ほんの少しでもそれがサックスのどこかに付着すれば、埃がそこに吸着し、汚れとなります。可動部であれば、グリスに付いた埃は「やすり」のように部品を摩耗させ、故障の原因となります。クロスで拭き取っても、グリスは薄く広がるだけで、溶剤を使わなければ完全に拭き取ることは出来ません。コルクグリスを扱うときは、ネックコルク以外のいかなる部分にも絶対に付着しないよう、細心の注意を払ってください。また「滑らす」という効果はグリスだけでは完全に発揮できません。グリスを塗ったコルクの上に水分があると、マウスピースが良い具合に滑ってくれます。マウスピースをネックに挿すときに、コルク表面にハアーっと息を吹きかけたり、ぺろっと舐めたりして湿らせると、スルッと気持ち良く差し込めます。是非お試しを。

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