サックス 本体

mezzoなサックス

イタリア語の「mezzo」という単語をご存知ですか?読みはほぼ「メッツォ」ですが、お馴染みのmf(メゾフォルテ)やmp(メゾピアノ)の「メゾ」でもあります。「やや~に」や「半分」、「半分にする」、「中間」等の意味があります。そしてサックスの中にも「mezzo」があります。
管楽器はその昔より、ある曲の演奏のために楽器を製作する、また特殊な楽器用に曲を作る、というようなシーンが多数繰り広げられています。一般的なサックスがE♭、B♭調なのに対し、他の中間の調の特殊なサックスが存在します。そんな特殊のなかに「mezzo」なサックスがあります。

メゾソプラノサックス(mezzo-soprano saxophone)は、Fアルトサックスとも呼ばれ、サックスファミリーの特殊楽器です。F調で、アルトサックスより1音高い音域です。曲がったベルの形とサイズ、音はアルトサックスに似ていますが、高音域の音質はソプラノに似ています。
メゾソプラノサックスは1928~9年にC.G.コーン社によって少数製造された、珍しい特殊サックスです。製造時期が大恐慌と重なったため、まったく人気が出ず、ほとんど売れませんでした。なんと同社は、余剰在庫となったメゾソプラノサックスを使って、エルクハートの工房で楽器の修理を教えました。売れ残りのメゾソプラノサックスをコンクリートの床に落とすなど、故意に損傷させ、生徒に修理を学習させていたそうです。
メゾソプラノサックスの著名な演奏者には、アンソニー・ブラクストン、ジェームズ・カーター、ヴィニー・ゴリア、ジョン・イラバゴン、ジェイ・イーストンなどがいます。
C.G.コーン社は F 調の Conn-O-Sax (コーン・オー・サックス)も開発しましたが、これはまっすぐな管体で作られており、わずかに湾曲したネック、球状のベル、低音 A から高音 G までの追加キーを備え、オーボエ属のイングリッシュホルンの形状、音域、音色を模倣することを目的としています。1929 年から 1930 年にかけて少量生産されましたが、このサックスに「mezzo」の名は冠されていません。

最近では、デンマークの木管楽器技術者ピーター・ジェッセン(Peter Jessen)がG調のメゾソプラノサックス、「Gメゾソプラノサックス(G Mezzo Soprano Saxophone)」を設計・製作しています。このサックスはF調のメゾソプラノと異なり、ストレート管でやや曲がったネック、少し傾斜したベルを備えています。
12歳からサックスを始め、16歳から管楽器のリペアマンの修行を始めたピーターは、サックス奏者としての演奏活動をしながら、管楽器のリペアの仕事もおこなっていました。2001 年に、ミュンヘンを拠点とする楽器発明家 Benedikt Eppelsheim (ベネディクト・エッペルスハイム)氏と出会い、「チューバックス」や「ソプリロ」で有名な彼の工房で、サックスの基本的な製造方法、金属加工、音響学を学びました。
その後エッペルスハイム氏からの支援とアドバイスを受け、Gメゾソプラノの製作を始めました。最初のG メゾソプラノはデンマークのサックス奏者、Benjamin Koppel(ベンジャミン・コッペル)、そして2号機はジャズサックスの巨匠、ジョー・ロバーノに購入されました。3号機はピーター自身の演奏活動で使用し、現在までで13台のG メゾソプラノサックスが製作されています。

 

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