サックス マウスピース

セルマー・ジャズトリビュート

サックスマウスピースのど定番、S80を擁することから、セルマー社のマウスピースは「エボナイト」のイメージが強いようですが、ジャズテナー専用とも言えるメタルマウスピース、「JAZZ TRIBUTE(ジャズ・トリビュート)」(テナー用のみ)を発売し、「セルマーはメタルも凄いんだぜ!」、と言わんばかりに話題になっています。このセルマー・ジャズトリビュートを深掘りしてみましょう。

セルマー・パリのテナーサックス用メタルマウスピース、「JAZZ TRIBUTE(ジャズ・トリビュート)」は、2025年3月13日にリリースされました。またそれに遅れること半年、セルマー・パリの創業140周年を記念したシリアルナンバー入りモデル、「JAZZ TRIBUTE 2025」が、全世界で140本限定で発売されました。セルマー社の、このマウスピースに対する思い入れがうかがえます。「JAZZ TRIBUTE」は、ジャズ黄金時代を築いた伝説的なプレイヤーにインスパイアされ、伝統を重んじながらも未来を切り拓く現代のプレイヤーのために設計されており、深みのある音色、豊かな響き、温かみのあるバランスの取れたサウンド、そしてスムーズな吹奏感を実現しています。さらに表面の金メッキ処理により、音の輝きと遠達性を向上させ、より豊かでニュアンスに富んだトーンを生み出せます。最先端のNCマシンにより、0.03mm以下という超高精度で加工をおこない、加えて高精度3D光学検査機で30種以上の検査を通し、完璧な品質を維持しています。マウスピースに刻印された「JAZZ TRIBUTE」のロゴは、ジャズスタンダードのバイブルとも呼ばれる楽譜本、「Real Book」の表紙書体をイメージしており、ジャズに対する敬意を表しているとのことです。

非常にジャズにこだわった印象のメタルマウスピース、「JAZZ TRIBUTE」ですが、セルマーは大昔、1940年代後半から、今でも支持者が多いメタルマウスピースを販売していました。「Classic Metal(クラッシックメタル)」と「Jazz Metal(ジャズメタル)」です。ヴィンテージ・マウスピースマニアなら見たことのある、あの小判型の黒いティースガードが特徴の、シルバーメタリックのマウスピースです。シャンク部はセルマー伝統のマウスピース、Soloistと同じ「ダルマ型」をしています(そうでないモデルも存在します)。クラッシックメタルはあのマルセル・ミュールが使用していたことで有名で、ジャズメタルは伝説のジャズジャイアント、ジョン・コルトレーンがソプラノで使用していました。彼の大ヒットアルバム、「My Favorite Things」のジャケット写真で、コルトレーンはセルマー・ジャズメタルを、マークVIのソプラノに着けて吹いています。一かつて、「ジャズのソプラノなら、マウスピースはセルマー・ジャズメタル」、と流行った時代もあったようです。余談になってしまいますが、セルマー・ジャズメタルのアルトのリガチャーが、ガーデラのテナーマウスピースにぴったりだと、故マイケル・ブレッカーが使用していたことから、リガチャーのみが高値で流通していた時期があります。もちろんサイズだけの問題ではなく、ジャズメタルのリガチャーの品質がとても高かったので、人気になったようです。「Classic Metal」と「Jazz Metal」の復刻メタルマウスピース、セルマーさん、出してくれませんか。

 

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