サックスのネックを交換することで、音質や吹奏感、そのサックスの性能にまで大きな影響が及ぶということは、いまやサックス奏者には良く知られた「常識」です。そして最近、「KBネック」というカスタムメイドのサックスネックが、その秀逸な性能で巷の話題になっています。噂のKBネックに迫ってみましょう。
セルマーUSAがかつて出していた、スターリングシルバー製のMark VIテナー用ネック、パラスコス社の木製ネック、ヤマハのカスタムネック、V1/G1//E1//C1、ヤナギサワのW/Kzシリーズネック等、多くのサックスメーカー、アクセサリーメーカーが、独自の「オプションネック」を製品化しており、それらによって自分のサックスを改造し、サウンド改良、吹奏感改善に役立てるサックス奏者は少なくありません。そんななか、近年、ニューヨークのブルックリン地区に工房を持つ、「KB SAX」が製作するカスタムネックが、超一流のプロをはじめとするサックス奏者の間で話題になっています。
「KB SAX」は、2010年にキム・ボック(Kim Bock)とその妻アンジー(Angie)によって始められた、サックスの修理を主体とする工房です。デンマーク出身のキム・ボックは、1996年にバークリー音楽院を卒業後、2000年からニューヨークを拠点にプロの音楽家として活動を始めました。伝説のトランペット奏者、メイナード・ファーガソンのバンドに在籍していたこともあります。演奏だけでなく、楽器のメカニズムにも興味を持っていたキムは、楽器修理技術者の視点と、演奏者としての繊細さを融合させた、楽器に関する深い知識を蓄えていき、2010年に「KB SAX」をオープンすることになります。KB SAXはすぐに評判のサックス修理工房となり、ラヴィ・コルトレーン(Ravi Coltrane)、スティーブ・コールマン(Steve Coleman)、ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)、ジョー・ロヴァーノ(Joe Lovano)など、多くの超一流プロ奏者の顧客を獲得しました。KB SAXはヴィンテージセルマーサックスのショップとしてもサービスを展開し、バランスアクション、SBA、Mark VIなど、幅広いヴィンテージセルマーを取り揃えています。キムは何百ものヴィンテージセルマーを扱ううちに、ネックでサックスの機能に大きな違いが出ることに気づきました。ネックを変えただけで音色、反応、イントネーションが変わってしまい、サックスの音の大部分はネック左右されると考えました。キムはヴィンテージサックスのネックの細部に渡る寸法や演奏特性を記した、ネック測定データを集め始めます。彼が測定した無数のネックの一つには、息子ラヴィの提供した、ジョン・コルトレーンのSBAのネックもありました。そんなたゆまない研究の積み重ねで、キムは理想のネックの形状を導き出し、その製造を始めました。
キムは、サックスのネックを作る新しい方法にも挑戦し、工場に注文してネックを生産させるのではなく、すべて自社製作でおこなうことを選びました。パイプの壁厚の一貫性に欠点がある従来の工法の替わりに、「ミラーツイン」プロセスという独自の工法を考案し、ネックチューブ全体の金属の厚さが均一に保たれるようにしました。多くの一流プロに試作品を使用してもらい、細かいフィードバックから改良を続け、KB SAXのテナーネックは2016年に正式に発売されました。複数の真鍮合金や、特徴的なハンドハンマリングによるハンドメイドネックは、は独自の音色と応答特性で高い評価を受けています。2020年にはアルトのネックも販売を開始しました。同社サイトによると、テナー用が$1,625、アルト用が$1,295、海外発送・14日トライアル期間・送料割引あり、だそうです。
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