製造から数十年以上経った今でも、多くの奏者に愛され、使用されているサックスの銘品たち、そんなヴィンテージサックスの中でも、特別な個性とサウンドで人気の高いのが、「CONN 6M アルトサックス」です。CONN 6Mに迫ってみましょう。
1915年創立のアメリカの老舗管楽器メーカー、C.G. CONNが1931年に発売したプロモデルのアルトサックス、「CONN 6M The Artist」が、多くのサックス奏者が「Naked Lady(ネイキッド・レディ:裸の淑女)」と呼ぶアルトサックスです。正式なモデル名は「The Artist」ですが、五角形の窓の中に裸の女性が描かれた、アールデコ調デザインのベル彫刻が特徴的なため、多くのファンが「ネイキッド・レディ」と呼んでいます。通常サックスのベル彫刻は、平刀(ひらとう)を用いてジグザグな線で描かれますが、この「レディ」だけは直線で手彫りです(例外もあるようです)。下書き無しで一気に描かれているため、線も意匠もサックスの個体毎にすべて異なり、二つと同じものはありません。CONNのサックスは、セルマーが登場するまでアメリカのジャズプレイヤーの多くが使用した楽器で、6M(1931年)がアルト、10M(1934年)がテナー、12M(1930年)がバリトンになります。いずれもCONNの特長である、ストレートで明るく、骨太なサウンドの傾向を持っています。
CONNのサックスは早期から、当時サックスではほとんど無かった「ロールド・トーンホール」を採用しています。トーンホールの開口部先端を丸め、ノイズの低減やレスポンスの向上を図る機構で、高級フルートのトーンホールで一般的に採用されていました。大手フルートメーカー、ヘインズ社が持つロールド・トーンホールの特許を、CONNはあえて買い取り、サックスとして初めて使用したそうです。セルマーのバランスアクション以前のサックスは、インライントーンホール(管体に対して直線的にトーンホールが並ぶ配置)で、奏者から見て左側にB、B♭のトーンホールが配置され、奏者に触れないようキーガードで守られていますが、ネイキッド・レディの時代のCONNサックスでは、シンプルなワイヤのガードが採用されています。また同様に、キーポストの基部に台座を設けず。直接ポストを管体にロウ付けしているのも特徴です。このような部品のシンプルさと軽さが、CONN独特の豊かな音色を作り出しているとも言われています。
ネイキッド・レディといったら、思い浮かぶのは「マイクロ・チューニング・デバイス」です。ネックの先端に取り付けられた、回転ダイヤル付きの樽状の機構で、このダイヤルを回すことでネックが伸び縮みし、マウスピースを抜き差しせずともチューニングが出来ます。斬新で画期的なCONN独自の発明ですが、あまり奏者には受け入れられなかったようです。CONN 6Mを多用したことで知られるジャズアルトのレジェンド、チャーリー・パーカーが6Mを吹いている写真では、マイクロ・チューニング・デバイスの無いネックが使用されています。マイクロ・チューニング・デバイスの特許図面はネットに公開されており、それを見るとこの部品が、いかに緻密であるかが分かります。マイクロ・チューニング・デバイス付のCONNサックスを使用しているサックス奏者の間では、「マイクロ・チューニング・デバイスはしっかり縮めて固定し、マウスピース抜き差しでチューニングをする」、というのが常識になっています。また6Mはネックオクターブホールがネックの下側に付いた、近年ではヤナギサワでおなじみの、アンダースラング・オクターブキーとなっています。ネイキッド・レディは、アイデアと革新技術満載のヴィンテージサックスです。
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