リードはサックス奏者の最重要アイテムのひとつです。バンドーレン、ダダリオ、マーカ、ヘムケ、アレキサンダー、ウッドストーン、ゴンザレス、リゴッティ等の天然リードに加え、ヤマハ、レジェール、BARI、フォレストーン、シルバースタイン、トリオレ等の合成リードを含めたら、もう何が何だかわからないほど種類があります。今日はリードの最大手、バンドーレンのリードについてまとめてみます。
2025年8月、とうとうバンドーレンも合成リードを発売しました。同社が7年にわたる研究を経て生み出した新素材のコンポジット繊維を使用し、ケーンの物理的特性を再現した「VKリード」です。サックス用のVKリードには2種類のモデルがあり、VK1は トラディショナルタイプ、VK7 がジャズタイプとなっています。
天然ケーンリードの名品、いわゆる「青箱」、正式名「トラディショナル」は長年にわたって高い評価を得ている、サックス界で一番使われているリードです。ほとんどのサックス指導者は、サックス初心者に対してこの青箱の2半を推薦します。吹き心地も素直でタンギングもし易く、ピアノからフォルテまでの音量の変化も付け易い、安心感たっぷりのリードです。そして「赤箱」、「ジャバ・ファイルドレッドカット」は、バンドーレンのジャズ用リードとして初めてのファイルドカットリードです。ファイルドカットとは、リードのケーンの振動部分の表皮をU字型にカットしたあと、さらに下の表皮をストレートラインでむくことで、アンファイルドカットと比較して、音の立ち上がりが早く、明るく響く音色になるのが特徴のリードの加工法です。よりフレキシブルで、正確なアタック、遠鳴りがして芯があり、リッチな響きが得られます。「銀箱」こと「V.12」は青箱よりも少し抵抗感が増します。初心者には息が入りづらく、吹き難いと感じられる場合もあるようですが、厚めのヒールと長めの振動部が特徴で、より深く豊かな音が得られます。また正確な発音、均一な響き、良くコントロールされた高音域のサウンドを生み出すことが出来ます。「緑ジャバ」と呼ばれる「ジャバ」は、青箱のトラディショナルとは打って変わって、ジャズやポピュラー等、様々な現代的ジャンル向けのリードです。アメリカンカットとも呼ばれるアンファイルドカットで、トラディショナルより先端部が厚く、広い面積部分で最大限の弾力性を持って振動させることが出来、柔軟な演奏を可能とします。JAVAのJAはジャズを表わし、VAはバラエティー(娯楽音楽)、そして社名バンドーレンを表わしているそうです。
「V21」はどんなジャンルにも、どんなマウスピースにも対応する、オールラウンドなリードとして設計されました。透明感があり、非常にあたたかく芯のある音で、正確なアーティキュレーションと、音程差の広い跳躍も比較的容易に演奏することが出来ます。「JUNO」リードは、トラディショナルやV.12に使われるケーンより細めの葦(あし)を使用することにより、“しなり”のある柔軟なリードとして完成しました。レスポンスの速さ、柔軟性の高さを実現し、初めて楽器に触れる方が楽しんで始められるように「ビギナー向け」に設計されており、楽に、響きのあるサウンドを出すことを目指した安価なモデルとなっています。「V16」はアメリカ人ジャズミュージシャンの要望に応えるべく、JAVAをもう少し厚くしたリードです。トラディショナルよりも先端部が厚く振動部が長めで、サウンドはより輝きがあり、あらゆる新しいスタイルの音楽に適しています。「ZZ(ズィーズィー)」はジャズに要求される明るさや音色を犠牲にせずに、素早く反応するリードとして開発されました。サウンド的にはかつての「ラ・ヴォーズ」や「RICO茶箱」系ですが、それらより楽で自由な吹奏感があり、多くのジャズサックス奏者達の支持を得ています。
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