サックス お手入れ

ヴィンテージとの付き合い方

サックス市場では、相変わらず大昔の楽器、「ヴィンテージ物」に関する人気は、衰えることを知らないようです。コーン6M/10M、キングSuper 20、ビッシャーやマーチン、評価の高いアメリカンセルマーのSBAやMark VI等は、優に100万円を超える値段が付いたりしています。
マウスピースもしかりです。NY MEYERやMC GREGORY、セルマーのショートシャンク等のヴィンテージマウスピースも、10万円を超える価格が普通に設定されていたりします。そんなヴィンテージサックスや、ヴィンテージマウスピースとの付き合い方をおさらいしましょう。

何十年もの年月を超えて愛され、使われてきた、優秀な個性を持つサックスやマウスピースだからこそ、今尚残存しており、現代のサックス奏者達からも切望の目を向けられているのですが、状態が悪いもの、壊れているもの、経年劣化が激しいものも存在します。
要は「ヴィンテージ物は吹いてみなければ分からない」、というのが基本です。使ってみて、吹いてみて、「あー、良い!使いたい!欲しい!」と感じるものが、自分にとって価値のあるヴィンテージ物であり、名前や由来には、楽器としてさしたる価値も無いと言って良いでしょう。
またヴィンテージは、「相当な年寄り」であることも忘れないでください。今の状態が良くても、いつ何時「寿命」が訪れるかは誰にも分かりません。
ハードラバーマウスピースの材質、エボナイトは、天然ゴムに硫黄を混ぜて固めたものです。天然素材からできているため、合成樹脂の強度や安定度はありません。紫外線、熱、湿気、アルコールに弱い性質を持っていますが、ちゃんとした手入れ、保管をしていれば、ゆうに100年は素材機能を維持できると言われています。
とは言え、目の前にあるヴィンテージマウスピースの、生い立ちのすべてを知れる訳はありません。どんな扱いを受け、どんな保存状態だったかは知る由も無いのです。そしてマウスピースは明らかな「消耗品」であり、演奏の度に凄い振動のストレスに晒されます。
近年のプロサックスプレーヤーの中には、「どんなに良い音が出せるヴィンテージマウスピースでも、壊れてしまったら替えが無い。自分の演奏品質が維持出来なくなってしまう。だから私は現行の、替えの効くマウスピースを使う」、というひとが少なくありません。これがヴィンテージマウスピースとの、付き合い方の基本かもしれません。

ヴィンテージのサックスは、古いと言えども「大きな金属の機械」ですので、マウスピースほど繊細ではありませんが、経年変化は否めません。サビや摩擦でメカ構造に不具合が出たりしますが、修理出来ない訳ではありません。
また金属の経年変化がもたらすサウンドの個性故に、ヴィンテージサックスが好まれる場合もあります。現代の廉価版サックスの中には、修理が難しいものが少なくないと言われていますが、ヴィンテージと呼ばれるものの多くは、その作りの巧妙さと良質な材質ゆえに、「ほとんどの修理は可能」と言われます。
とはいえ、「音を変えない修理」かどうかは別で、ここがヴィンテージサックスとの付き合い方の肝となります。「タンポを変えたら音が変わった」、「凹みを治したら、息の感じが変わってしまった」、「オーバーホールしたら、サウンドの性格が変わってしまった」、なんて良くある話です。
ヴィンテージサックスの修理は、経験豊富なリペアマンと、良く相談しながらおこなうのが良いと言われています。

 

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