サックス お手入れ

サックスの長距離運搬


あなたのサックスの平均移動距離はどのくらいでしょうか?自宅から学校まで毎日?または月一のバンド練習の場所の公民館まで?個人練習をするスタジオ?なんにせよ自宅からサックスを担いで、もしくは手に提げて、ケースに入れて運びますよね。あ、車に積んで運びますか?よし、距離や方法によって違う、サックス運搬の基本条件について聞いてください。
 まずはケースに入れての電車または徒歩移動。ま、飛んだり跳ねだり、転んだりを注意してサックスを運びましょう。ドスンと床に置いたり、ケースごと床を転がったりしないよう、「普通に」注意してください。車での移動も、まあ一般的なケアで構いません。強いて言うなら、車の荷台やトランクにサックスを入れる場合、ケースは箱型の大きなハードケースが良いでしょう。パックケースだと車の振動からサックスを守るには少々心もとないのと、安定が悪いのでごろごろと転がってしまうのが難点です。厚い毛布でくるんだり、トランクの隙間に荷物を詰めて、転がる空間を無くしてしまう等の配慮が必要です。
しかし同じ車移動でも、演奏旅行で数時間かけてサックスを運ぶ、などという場合には、もうひとクラス上の工夫が必要です。現地に着いて練習が始まったら、「あれ、サックスの調子が変!」、なんて悲劇にならないようにしたいものです。サックスの長距離運搬の場合はもちろんボックス型のハードケースが最適です。車での輸送後、移動先で電車移動等がある場合には、最悪でもパックケースでしょう。ソフトケースは絶対に使わないでください。ソフトケースは自分の体で、常時サックスを守ることが出来る場合のケースです。サックスが自分の手から離れる場合は、ソフトケースは決してお勧めできません。さて、ケースはOKの場合でも長距離輸送の「もうひと手間」があれば万全です。それはキーの固定、キークランプです。サックスは新品でも中古でも、プロの手による発送時には必ず、 「開いたキーを閉じた状態に固定する」ことをしてから出荷します。サックスの開いたキーがそのままの状態だと、輸送中の振動やショックによって、卜-ンホールカップ(トーンホールを塞ぐパッドのあるカップ)がオモリになってシャフト等の部品を曲げてしまい、ちゃんとトーンホールを塞げない状態になってしまいます。そのためコルクのクサビや「キークランプ(太い針金で出来た金具)」を使って、開いたトーンホールを塞いだ状態に固定します。これで多少の振動やショックでは、そのサックスはほとんど悪影響を受けない状態で運搬できます。ワインのコルクを刻んで小さなクサビをいくつか作れば、自分でも簡単にキーを塞ぐ事が出来ます。
残り2名様 初夏のAIZENキャンペーン
スペシャル4大特典プレゼントキャンペーン開催中

詳しくはこちら

関連記事

  1. サックス お手入れ

    サックスのパッドは自分で交換できますか?

    日常生活ではDIYは大流行です。ドゥー・イット・ユアセルフ、「自分…

  2. サックス 本体

    リラッカーってどこが悪いの?

      ほとんどのサックスはラッカー塗装で表面処理をしています。薄い…

  3. サックス お手入れ

    やってはいけないオイル系メンテナンス

    サックスを愛する皆さんは、大事な楽器のメンテナンスにはかなり気を使っ…

  4. サックス 本体

    サックスは車に入れっぱなしで大丈夫ですか?

    そろそろ全国的に「夏」が近づいています。今年も日本各地で蒸し暑い夏が…

  5. サックス 本体

    抜けって何?

    「新品のサックスは、半年くらい吹き続けないと抜けてこないよね」とか、「…

  6. サックス 本体

    なんとあれがサックスの仲間

    1840年代にベルギーの管楽器製作者、アドルフ・サックス(Antoi…

previous arrow
next arrow
Slider

最近の記事

アーカイブ

2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
PAGE TOP