サックス お手入れ

コルクの話し

*サックスの重さは、ソプラノで1.4kg、アルトは2.6kg、テナーは3.6kg、バリトンは6.5kgくらいです。材質によってもちろん重さは変わりますが、一般的なサックスはこの重さのほとんどが管体やキー構造の素材「真鍮」の重さです。シャフトとポストをつなぐ部分等のネジには鋼が使われていますが、まあこれも金属です。そしてサックス素材の超マイナーチームがフェルトとコルクです。フェルトはカップなどの可動部の当り防止や開き調整に使われていますが、もうひとつの素材「コルク」はサックスの色々な部分で、多様な使い方をされています。
 サックスにとって一番大事なコルク、「運搬時固定用コルク」はあまり皆さんの目に触れないかもしれません。サックスが工場から出荷される際、輸送中の振動でキーが動いて、調整が狂ってしまうのを防ぐため、カップやキーにクサビ形のコルクを挟んで、可動部が動かないように固定します。これが「運搬時固定用コルク」です。このコルクによって、サックスは輸送時、すべてのトーンホールカップは閉じて固定された状態になっています。両手の8本の指を使ってキーを塞ぎ、最低音のB♭の音を出すときの状態です。

 コルクのもうひとつの役割は「当たり止め兼高さ調整」です。フェルトは金属の間に入って、それらが衝突して音を出すのを防ぐだけですが、クッション性に加えて軽く、ある程度の強度があるコルクは、その高さでキーの開き具合の調整にも使用されます。パームキーには無くてはならない存在で、ここのコルクが外れると、金属が当たってガシャガシャ音が出るだけでなく、キーが開き過ぎて音程が低くなってしまいます。パームキーのコルクが外れた時に、適当な大きさにワインのコルク等を切り刻んで、接着剤で張り付けるサックス奏者が少なくありませんが、キーの開きも調整しないと悲惨な音程になります。素人修理はお勧めしません。
 サックスコルクの花形(?)といえばネックコルクでしょう。ネックの先端でマウスピースを受け止め、息漏れさせずにマウスピースのエネルギーをサックス本体に伝達する、大事な役割のコルクです。雑に取り付けると、ネックとコルクの間に隙間が出来てサウンドの輪郭が甘くなったり、マウスピースがグラグラ動いてアンブシャが安定しなかったりと、ろくなことがありません。またネックコルクには、強度もクッション性も高い上質な天然コルクを使う事も大事です。コースターやピンナップボードに使われている、コルク材を粉砕&圧縮成型した圧縮コルクは、弾性、強度、気密性等、あらゆる面でサックス用には向いていません。同じような理由で、パームキーのコルクも圧縮コルクは不向きです。押さえた時の感覚に雲泥の差が出ます。天然コルクでも粗悪なものは経年劣化か激しいので要注意です。
——————————————————————————————–

『イー楽器のお得情報』

返品保証30日+豪華3大特典付き
⇒『AIZENより 2月キャンペーン! 返品保証30日+豪華3大特典付き』

レビューを書いてAIZENゲットのチャンス!
⇒『AIZENお客様の声キャンペーン!』

関連記事

  1. サックス お手入れ

    やってはいけないオイル系メンテナンス

    サックスを愛する皆さんは、大事な楽器のメンテナンスにはかなり気を使っ…

  2. サックス お手入れ

    ズボラの勧め

    楽器を演奏するひとの性格は、その演奏する楽器で分類できると言われて…

  3. サックス お手入れ

    サックスの手入れにオイルは必要ですか?

    金管楽器奏者の方々は、とにかくやたら色んな種類のオイルや薬品(笑)を…

  4. サックス アクセサリ

    コルクグリスの塗り方詳細

    サックス細かすぎるポイント第?段!誰も教えてくれないのに、サックス奏…

  5. サックス お手入れ

    奏者がサックスを破壊する?

    管楽器の中でも、サックスという楽器は壊れ易い部類に入ると思います。機…

  6. サックス お手入れ

    バランス調整って何?

    サックスは定期的なメンテナンスが必要な楽器です。土日のアマチュア・サ…

previous arrow
next arrow
Slider

最近の記事

アーカイブ

2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  
PAGE TOP