サックス お手入れ

バランス調整って何?


サックスは定期的なメンテナンスが必要な楽器です。土日のアマチュア・サックス吹きであれば、サックスの調子を維持するためには、一年に一回程度はリペアマンに「バランス調整」を依頼するのが理想でしょう。「バランス調整」といっても、重さのバランスではありません。今回はそのバランス調整の実態と、なるべくバランス調整に出す頻度を下げる方法についてお話しましょう。
 「バランス調整」とは、基本的にパッドとバネの調整です。サックスという楽器は演奏していると、だんだんこの二つの要素が狂ってきます。リードも消耗品だし、まじ、サックスは金食い虫です(怒)。ま、それを承知でサックスを自分の楽器に選んだのだから仕方の無いことではありますが…。動かす頻度の高いキーのバネは早く弱ります。バネの「へたり」は指の感覚に大きな違和感を生じさせます。特に左右の人差し指、中指、薬指の6個のキーの「反発力」がばらばらになると、とってもキー操作が「気持ち悪く」なります。またパッドも演奏中の水分によって劣化します。ウェット&ドライを繰り返すとパッドはだんだん硬くなり、トーンホールの密閉度が低下します。ですので硬くなったパッドは交換が必要となります。通常のバランス調整はいくつかのキーを分解し、ホコリの除去や油差し、曲がりやゆがみの調整、バネの調整等をおこない、指への反応とパッドカップの動きを調整します。また、硬くなってトーンホールをちゃんと塞げなくなったパッドを交換します。サックスのそのときの状態にもよりますが、最低でも1万円、ちょいと手がかかると2万や3万はいってしまいます。
で、なるべく調整に出さないための方法ですが、基本的に私は調整は頻繁にしたほうが良いと思っています。頻度を多くリペアマンに見てもらうほうが、大修理を要する不具合になりにくいですし、いつでも「絶好調」のサックスを吹くことが出来ます。でも、でも、調整や修理にはお金がかかりますからね。なるべく自分のサックスを「健康に保つ」方法をお教えしましょう。
 まず第一は、「キー操作に不必要に力を込めない」、です。あまり力を入れすぎるとキーが狂い易くなります。そこそこの力で動かすほうが素早いフレーズも容易です。次に、「練習が終わったら必ずパッドの水分は拭き取る」、です。特に左手のパームキー、D、E♭、Eのキーはびしゃびしゃになり易いので、概ね年一回は交換対象になります。ですので、まめに水分を拭き取れば寿命が長くなります。とはいえ、「なんかおかしいな?」と思ったら、迷わずリペアマンに見てもらってください。
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