サックス 練習・レッスン

サックスで大きい音を出すコツは?


サックスで大きい音を出すことが、多くのサックス吹きの憧れになっている事実があるようです。確かに電気楽器と競演する機会が多いサックスは、アコースティック楽器として、マイクの力を借りずに大きな音を出したいかもしれません。
また、トランペットのような「空気を切り裂くような音」とは無縁なサックスとしては、「金管の奴ら」(笑)に大きい音で勝ってみたいのかもしれません。しかしへそ曲がりの私はあえて言わせて頂きます。「サックスは大きい音など出す必要は無い!」、と…。
サックスに必要なのは、「良く通る音」であり、「遠くへ届く音」だと思います。それらがどういう音なのかを説明させてください。
空気の振動のエネルギーである「音圧」を聞き手に向けて噴出すような、トランペットやトロンボーン等の金管楽器のサウンド感と異なり、フルート、クラリネット、サックス等の木管楽器は、空気の合間をすり抜けて、聞き手の耳元に届くようなサウンドがその特徴だと思います。
サックスの音質の表現に良く使われる、「遠達性」(遠くへ届く性能)とはまさに木管楽器のサウンドのための表現です。決して大きな音でなくても、周りの楽器の出す音に紛れず、しっかりとした輪郭を持って近くから遠くまで総ての聴衆の耳に届く音、そんな音がサックスのサウンドの理想だと思います。
そんなサウンドに必要、かつ重要なのが、「聞こえないほど小さな音で、しっかり聞こえる音」を出す、ということです。それがサックスのサウンド造りのひとつの目標であり、このようなサウンドを追求すれば、おのずから「大きな音」が得られます。というより、「大きな音」が必要無くなります。
目をつぶってあなたの好きなサックスプレーヤーの演奏を思い浮かべてください。それは目の前数十センチのサックスから出る音でしょうか?
離れた場所のプレーヤーから、自分の胸元に軽やかに飛んできた音、そんな音がサックスの理想のサウンドだと思います。サックスの音の出る場所、「ベル」は客席ではなく天井を向いています。そもそもサックスとは、「天井に跳ね返った音を聞いてもらう楽器」、…なのかもしれませんね。
 
 *写真は全てflickrから掲載しています。
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