サックス 演奏

パームキーとサイドキーの調整


サックスには指の先で押さえるキーに加え、左手の手のひらで押さえるパームキー、そして右手の人差し指の横腹で押さえるサイドキーまで着いています。サックス初心者の方々は、この面倒臭い指使いの組み合わせに、最初はぞっとしたと思います。しかしサックスという楽器は、木管楽器の中では非常に簡単な運指で音が出せる楽器です。いや、もっとも簡単な運指の楽器だと断言できます。機会があったら、オーボエやファゴットの運指表をネットや教則本で見てみてください。恐ろしい指使いが「基本運指」になっているのに、腰を抜かすこと間違いなしです。
 パームキーとサイドキーに話を戻しましょう。やっかいなこれらのキーではありますが、左手の指の先でキーを押さえたまま、パームキーを操作することはほとんどありません。また右手の指先でキーを押さえた状態で、サイドキーを押すこともほとんどありません。「ほとんど」としたのは、特殊なフラジオ音域や、替え指で、「まれに」やっかいな指使いが必要になる場合があるためです。とはいっても、指の先でボタンを押す操作と、手のひらや指の横腹でレバーを押す操作は、難易度の面で雲泥の差です。サックスのパームキーとサイドキーは、非常に人間工学を考慮した構造になってはいますが、奏者の手の大きさ、手首の曲がり易さ、各部の関節や筋肉の癖、等の極めて個人的な相違の部分に、その使い易さが異なります。
多くのサックス奏者は、自分が練習を積むことで、自分のサックスのパームキーとサイドキーの操作が円滑にいくように鍛錬します。それは決して間違いではありません。しかし、「どうしてもサイドEにうまく指が当たらない」とか、「パームDを押すとD♯キーに触ってしまう」とかの不具合はサックスにつきものです。そんな場合は楽器のパームキーやサイドキーの位置や形を調整し、自分の感覚に合うようにしましょう。市販のパームキーライザーを取り付けたり、パテでキーを盛り上げたり、またサイドキーはリペアマンに相談して、段差をちょっと多めにつけるとか、間隔をあけるとかの工夫をするのも有効です。ちょっとした改造で、びっくりするほど操作しやすくなるのが、これらパームキーとサイドキーです。これらのキーが使い易いと、色々なフレーズの組み立ての面でも、凄く余裕が出てきます。悩んだら、即実行です!
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