サックスやトランペットなどのブラスセクションと、エレクトロニック・ダンス・ミュージック(EDM)やハウス・ミュージックのビートを融合させた新しい音楽ジャンル、「ブラスハウスバンド」の人気バンド、「Too Many Zooz」のメンバーであり、またアルトサックス奏者のグレース・ケリーとのサックスデュオ、2SAXYを組んでいる、バリトンサックス奏者、レオナルド・アントニオ・ペレグリーノ(Leonardo Antonio Pellegrino)、通称Leo P(レオP)。独特な奏法によるバリトンサックスのサウンドで、彼は今やバリトンサックスの革命児とも呼ばれています。その独特の演奏スタイルは、多くの音楽ファンを魅了し、ネットにはその演奏シーンが溢れています。Leo Pの演奏スタイルを分析してみましょう。
低音階の運指のまま、息のスピードや喉のコントロールだけで超高音域(アルティッシモ)へと滑らかにかき上げるように移動する「オーバートーン・グリッサンド」。同じ音程を、オクターブ上、2オクターブ上の数オクターブ間の跳躍をリズミックに変化させ、まるで打楽器のようなビート感を生み出す「オクターブ・ジャンプ」。激しく踊りながら演奏する中で、右手を楽器から完全に離して高く突き上げる、独特のLeo P式「アクション奏法」。これらは皆、Leo Pが独自に開発し、自己の演奏に取り入れている奏法です。Leo Pは「ソロ・ハウス・サックス(Solo House Sax)」と名付けた、サックスでハウス・ミュージックのグルーヴやベースラインを表現する彼のシグネチャー・スタイルを提唱し、動画やオンライン講座、ワークショップ等でこれらの演奏技術の説明、指導をおこなっており、これらの斬新な奏法を、サックス奏者向けに公開しています。そしてこれらの奏法の重要な基本となるのが、「ブレスアタック」と語っています。
一般的なサックスの奏法では、舌をリードに当てた状態から離すタンギングで音を出しますが、Leo Pは音の出だしを舌ではなく「息の圧力(ブレス)」でコントロールしています。舌の力に頼らず、腹式呼吸からの強烈な空気圧で音を立ち上げるため、パワフルで鋭いアタックが生まれるそうです。Leo P自身、このブレス中心のコントロールが、彼の高速タンギングへの入り口(ゲートウェイ)になっていると言っています。実際彼の特殊奏法のほとんどは、舌によるタンギングではまったくスピードが追い付きません。縦横無尽に倍音をコントロール出来ているのも、呼吸法によるものだそうです。Leo Pの右手フリー奏法は、左手のAキーを塞ぎ管体全体を閉じた状態にして、喉のコントロールによる倍音で演奏するとのことですが、息の圧力やスピードが伴わないと難しいテクニックです。またあの重たいバリトンサックスを支えて演奏しながら、素早いステップで舞台上を踊りまくるlことが出来るのも、多分彼の超人的な呼吸能力に起因しているとも思われます。いくら丁寧で細かい説明を受けても、果たして自分で出来るようになるのかは疑問です。
Leo Pはヤマハの中級モデルのバリトンサックス、ハイF♯キーの無いYBS-52を使用しているそうです。ホールのコンサート等では、クリップマイクをベル用と、長いグースネックの付いた右手トーンホール用の2本をサックスに装着した、彼独自のマイキング構成を採用しています。このあたりでも、かなりユニークですね。
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