5拍子のジャズの名曲、「テイクファイブ」の作曲者であり、デイヴ・ブルーベック・カルテットでのその演奏で、全世界のジャズファンを魅了した、ウエストコーストジャズを代表するアルトサックス奏者、ポール・デスモンド。「柔らかく甘い音色ながら、芯のある鋭さ」を持ち、「ドライ・マティーニのようだ」と表現される、デスモンドの唯一無二のサウンドは、「デスモンドサウンド」と呼ばれ、今尚多くのサックス奏者の目標となっています。彼が使用していたヴィンテージ・マウスピース、MC Gregory A4 M18とともに、デスモンドサウンドの魅力について語ります。
ベルギーのサックス奏者、ジョレ・レインダー(Jorre Reynders)と、ギター奏者、ティモシー・ペドン(Timothy Pedone)の二人が始めた音楽教育サイト、「シャープイレブンミュージック(Sharp Eleven Music)」は、過去のジャズジャイアンツの名ソロをトランスクリプション(採譜)し、分析することを音楽レベルの向上に利用しています。動画チャンネルでは、レスター・ヤング、マイケル・ブレッカー、エリック・マリエンサル、チャーリー・パーカー等、多くのジャズジャイアンツの歴史に残るソロの動画と、その楽譜がリンクした動画が掲載されています。サックス奏者ならずとも、なんとも貴重なトランス楽譜の資料です。是非自己の練習に取り入れてみてください。そしてその動画の中でも、かなり登場頻度が高いのがポール・デスモンドです。そう、サックス奏者のジョレは、相当の「デスモンドおたく」です。最近の動画では、「I finally solved the Desmond sound Mystery(ついにポール・デスモンドのサウンドの謎を解明しました。)」と題して、自己の4年間にわたるデスモンドサウンド探求の旅をまとめた動画を掲載しています。セオ・ワニにアドバイスを求めたり、サイオス(Syos)やジョディ・ジャズに特注マウスピースを依頼したり、モーガンの新製品「Dry Martini model 18」に出会ったこととか、楽器をMark VIからSuper Balanced Actionに替えたこととか、結局ヴィンテージのMC Gregory A4 M18を手に入れたとか、自分の挑戦の歴史を熱く語っています。デスモンドサウンド探求者の熱が分かる動画です。
日本のデスモンド探求者のひとりに、アルトサックス&クロマチックハーモニカ奏者、菅野浩がいます。小編成のユニットでのCDを数多く発表しており、人気ビッグバンド、ジェントルフォレストジャズバンドにも参加しています。彼のマニア性の特徴は、「現代の楽器でデスモンドサウンドを再現したい」です。ヴィンテージのBalanced ActionやMC Gregory A4 M18を使って理想の音を出しても、故障や破損すればそれまで。代替えの効く現代のサックスとマウスピースでデスモンドサウンドを追求したい、というのが彼の思想です。実際サックスはヤマハのYAS-82ZのF♯キーレスを使用し、マウスピースは自ら開発に参加し、長い年月をかけて完成した、Wood Stoneの「Super Custom Model 46を使用しています。これは現代楽器向けに、M.C.グレゴリー・マウスピースの持つビンテージサウンドを再現した、ローバッフル、ミディアムラージチェンバー、ミディアムフェイシングのラバーマウスピースです。今彼は、リガチャーの研究開発にもはまっているそうです。
シャープイレブンの動画でジョレが述べています。「現代のマウスピースは、大音量、太い芯、明るい音、高反応性を目指して作られています。しかしデスモンドサウンドの求めるものは、全部その逆なんです。」と。ポール・デスモンドを、またじっくり聴いてみませんか。
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