サックス リード

来てます、人工リード

ここ数年、大手のメーカーから続々と新しい技術による非天然系リード、つまり人工リードが続々リリースされています。
天然リードよりはるかに長く使用出来、繊細な湿度のコントロールも不要で、鳴りやサウンド、吹奏感はほとんど天然の上質なリードと変わらない。そしてなによりも、個体差によるばらつきがまったく無い。いやあ、理想のリードじゃないですか。
多くのサックス奏者が、すぐにヘタってしまい、ひと箱10枚の中の数枚しか使い物にならず、水分がしっかり浸み込むまでのウォーミングが欠かせない、面倒臭い天然リードを見限って、人工リードへ移行しているようです。とうとう来たようです、人工リードの時代が。

サックス奏者は、サックスの音を鳴らすために必要不可欠な部品、「リード」の購入/選択/性能の維持のために、自身の財力、忍耐力、判断力等、かなりの労力を費やしています。
5枚や10枚入りの箱入りリードを買っても、使い物になるのはせいぜい数枚、鳴るリードでも、数回使っただけでヘタってしまうものもあり、天然リードの品質バラツキ、耐久性は、サックス奏者の大きな悩みです。また世界規模の気候変動で、南仏やアルゼンチンなどで、良質なケーンを育てる環境も悪化しているようです。
そんな問題を解決するため、品質のばらつきの無い、高性能な人工リードの開発がサックス関連産業界の長年の夢でしたが、1993年、アメリカの楽器見本市、NAMMショーで発表されたFIBRACELL(ファイブラセル) リードが人工リードの時代の幕を開けました。
最初のFIBRACELL リードは繊維をポリマー樹脂で封じ込めた素材でしたが、現在では何度も素材の改良がなされ、より扱い易く、高品質な天然のリードの性能に近いものになっています。その後、BARI(バリ)やLegere( レジェール)などが独自の素材と製法で人口リードの世界を広げていきました。
近年では2010年に日本のメーカー、Forestone Japan(フォレストーン・ジャパン)が、ポリプロピレンと竹材パルプのセルロース繊維の混合素材による高性能な人工リードを発売し、現在でも高い人気を得ています。

そしてここ数年の人工リード界の爆発的躍進です。リード界の老舗、RICO(リコ)改めD’Addario Woodwinds(ダダリオ・ウッドウィンズ)がポリマー繊維に樹脂とケーン粒子を加えた「VENN」を。日本の楽器大手ヤマハは、「吹きやすさ」、「リーズナブル」、「安心安全」の3つをコンセプトにした、その名もずばり「シンセティックリード」を発売しました。
FIBRACELL と同時期から樹脂リードの販売を始めている老舗、Harry Heartman(ハリー・ハートマン)も画期的な新製品を打ち出してきました。
そして高級リガチャーの人気メーカーであるSilverstein(シルバースタイン)は、ケーンと同様に水分を吸収し、リードトリマーやヤスリで削って調整することも可能な、AMBIPOLYMER(アンビポリマー)という新合成素材を使用したリード、「ALTA(アルタ)」を発売し、購入から6ヶ月以内に不具合が生じた場合、同一のカット、強度のリードと無償で交換するという、驚愕の「6ヶ月保障」を詠っています。
凄いぞ人工リード。もう「リード選別」や「リードを育てる」なんてサックス奏者の苦労は、昔話になるのかもしれません。

 

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