サックス リガチャー

進化するリガチャー

マウスピース選びは、言わずと知れた「サックス奏者の悩みの種」の筆頭ですが、近年ではマウスピースにリードを固定するための「リガチャー」も選択肢が広がり、サックス奏者の大きな悩みの種のひとつになっています。留まることを知らないリガチャーの進化を、時系列的かつ基本構造的におさらいしてみましょう。

リガチャーの原型は「撚り糸(よりいと)をマウスピースに巻き付けてリードを固定する」、糸リガチャーであることは有名です。しかしこれはサックスの原型とも言える、クラリネットが発明された1700年頃のリガチャーの形態で、その100年後の1810年頃には、エストニア出身のクラリネット設計者、イワン・ミューラーによって、現在のような金属製のリガチャーが発明されています。
アドルフ・サックスがサックスを発明したのが1840年代初頭ですので、サックスの普及期には、すでに金属製リガチャーが一般的になっていたようです。薄い金属板を丸めてベルト状にし、二本のネジで締め上げてマウスピースにリードを固定する、という、今でも標準的なリガチャーが永きに渡って使用されて来ました。
しかし1920年代、世界中で流行した「ジャズ」の花形楽器としてサックスが注目され始めた頃、多くのサックス奏者が自分独自のサウンドを追求するため、マウスピースにこだわるようになり、沢山の新しいマウスピースメーカーが起業しました。そしてマウスピースの多様化と個性化によって、リガチャーのデザインも変化を遂げます。

1931年に発売されたオットーリンクのメタルマウスピース、Master Linkは、ジャズサックス奏者の間で圧倒的な支持を受けましたが、付属のリガチャーは、筒状の金属の下部から一本のネジでリード押さえプレートを押し付ける、という斬新なデザインでした。それが今尚現役な「リンクメタルのリガチャー」の始まりです。この型式のリガチャー構造は、ロートン等いくつかのヴィンテージマウスピースで採用され、現在ではTheo Wanne(セオ・ワニ)のマウスピースに残っています。

永らく、「下二本ネジ締め」が主流だったリガチャーですが、1990年代末頃から「上二本ネジ締め(逆締め)」や「上一本ネジ締め」等の新デザインの製品が世に出てきます。「上二本締め」ではWood Stone やハリソン、「上一本絞め」ではロブナーやBG等が早くから注目されました。「上一本絞め」派には近年、セルマーやヤナギサワ、バンドレン等の老舗も参戦しています。
このリガチャーデザインの多様化に伴い、単に締め方の違いだけでなく、リガチャーの素材や構造面でも新しい設計が取り入れられるようになりました。
ブルズアイは「バランサー」と呼ばれる「おもり」を交換することで、音色のコントロールを可能にしました。フランソワ・ルイのUltimateシリーズは、金属ベルトの代わりに針金でマウスピースを締め付けました。ロブナーは合成ゴムを使用したベルトで締め付けるタイプのリガチャーをシリーズ展開しています。
2014年に販売を開始したSilverstein(シルバースタイン)も、未だ話題の中心にいるようです。いわゆる「紐リガ」ですが、特殊素材のコードや、レールやネジの位置や材質で、サウンドや吹奏感の調整が可能です。

マウスピース同様、リガチャー選びもサックス奏者にとって「ドロ沼」のようです。くれぐれも溺れないでください。

 

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