サックス 演奏

ビッグバンドのサックスセクション


皆さんのなかにはビッグバンドでサックスを吹かれている方も多いかと思います。もしくは、ブラスバンドのジャズ編成でビッグバンドの曲を、というケースもあるかもしれません。歴史の古いビッグバンドの中で、サックスセクションといえば最前列の花形です。「学バン業界(学生ビッグバンドの世界)」では「サックス隊」とか呼ばれています。そんなビッグバンドのサックスセクションについて少しお話ししましょう。
 ビッグバンドのサックスセクションは、アルト x 2、テナー x 2、そしてバリトンの5本編成です。各パートの呼び名として、1st(ファースト)リードアルト、2nd(セカンド)テナー、3rd(サード)アルト、4th(フォース)テナー、5th(フイフス)バリトンと分かれています。楽譜によってはアルト1、2とテナー1、2と書かれている場合があり、アルト2は3rdアルト、テナー1は2ndテナーですので、ちょっとややこしいです。そして必ずバンドの最前列に陣取るサックスセクションですが、実はその並び方には数種類のバリエーションがあります。客席から見て左から「2、4、1、3、5」が最近の流行り(?)の並び方です。セクションのリード(ハーモニーのトップノート&メロデイ担当)を中心に置き、音の高さで和音がうまく混ざって聞こえるように配置され、かつソロの多い2ndテナーが左端で、センターマイクに出て行き易くなっています。ハーモニーの混ざり具合を重視した、「4、2、1、3、5」や 「2、3、1、4、5」という並び方もあり、昔から有名な各ビッグバンドは、バンドのサウンドの特色やメンバーの個性によって、色々な並び方に挑戦しているようです。しかしいずれの場合も最低音のバリトンは右端です。すぐ後ろのバストロンボーンと重低音をその場所で押さえています。
 何故サックスは最前列なのでしょう?答えは簡単。前に誰かいると、音が前に飛んで行かないからです。サックスを座奏すると、音の出るベルはかなり下のほうになりますよね。前に何かあると音が前に出て行かなくなってしまいます。これに比ベトロンボーンやトランペットは音の出る位置が高いので、後列でも問題無いのです。ま、そもそも音が大きいですしね。
ステージ上の最前列ゆえに、ビッグバンドのサックスセクションは何をやっても目立ってしまいます。吹き始めるのを忘れてしまうなどの失敗も観客にバレバレです。狭いステージでは、後ろのトロンボーンのスライドが頭に当たることもあります。激しいダンスの伴奏などのときには、かなりヒヤヒヤで演奏しています。ダンサーがぶつかってくる可能性が高いからです。最前列ゆえに全員が立つと迫力があります。サックスソリ(サックスだけのセクション演奏)で全員立って演奏を始めると、客席はお約束のようにかなり沸きます。そんなセクションがビッグバンドの「サックス隊」です。
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