「Octavin」という楽器をご存じでしょうか。オクタヴィン(またはオクターフィン)と呼ばれるこの楽器は、かつて「ダス・ドイッチェ・サキソフォン(ドイツ製のサキソフォン)」と広告を打たれるなど、かなりサックスを意識した存在でした。もちろん今では、どこの楽器屋さんでも見ることは皆無です。この「絶滅したサックスのような楽器」、「サックスじゃないサックス」、オクタヴィンについて深掘りします。
我々の知るサックス(サキソフォン)は、1840年代初頭にベルギーの楽器製作者、アドルフ・サックスによって発明され、1846年6月28日に彼が特許を取得した楽器です。クラリネットのようなシングルリードの木管楽器ですが、管体は金属製の円錐管、工夫された倍音制御によって、オクターブの運指が統一され、演奏し易くなっています。木管楽器の運動性能の高さ、金管楽器相当のダイナミックレンジの広さ、音質の美しさ等から瞬く間に普及し、今ではクラシック音楽からポップス、ロック、ジャズに至るまで、様々な分野の音楽で多方面に活躍しています。サックスの大きな構造特徴の一つは円錐管形状ですが、アドルフ・サックスは金管楽器でも円錐管を採用した楽器を数多く発明しており、サックスに加え、フリューゲルホルン、ユーフォニアム、チューバなどがサクソルン族と呼ばれています。そんな円錐管楽器、サクソルンの超変わり者がオクタヴィンです。
オクタヴィンは1881年にファゴット製作者のユリウス・イェーリング(Julius Jehring)によって発明されました。オクタヴィンは構造的にはサックスに似ており、シングルリードのマウスピースで音域はソプラノサックスに似ています。しかし、オクタヴィンはいくつかの点で大きくサックスと異なります。その円錐形のボアはサックスよりもテーパーが小さく、その管体は金属ではなく木製であること。そして見た目の形状はかなりファゴットに近く、下部でつながれた2つの平行な直線セクション(一つの木製筐体に二つの円錐空洞が平行に並んでいる)があり、マウスピースは一方のセクションの上部に、もう一方のセクションの上部には金属製のベルが取り付けられています。運指はアルバート式クラリネットと軍用システムオーボエの要素を融合させた、極めて革新的なものだったそうです。オクタヴィンは主にドイツのアドラー社によって製造されました。生産はおよそ1893年から1903年までおこなわれ、サックスのニッチな木製代替楽器として少数手作りされました。発売当初はサックスよりも柔らかな音色を強調し、「ダス・ドイッチェ・サキソフォン(ドイツ製のサキソフォン)」と謳われていましたが、オクタヴィンより安価で作り易い金属製サックスが市場を支配するに応じて、オクタヴィンは10年と経たずに陳腐化しました。
今や博物館でした見ることの出来ないオクタヴィンですが、ネット時代の今では、その姿と音色を間近に見聴きすることが出来ます。「SAX Traction-Avant」の動画チャンネルでは、サックス奏者、宮崎真一氏のオクタヴィンの演奏で、ウェーバーの「魔弾の射手」等の一節を聴くことが出来ます。ソプラノサックスとオーボエの中間のような、柔らかく優しい音色で、聴いていてうっとりとするような、ロマンチックな音色の楽器です。
——————————————————————————————–
⇒『 AIZENより 音色アップデート キャンペーン 返品保証30日+豪華3大特典付き』
⇒『AIZENお客様の声キャンペーン!』















この記事へのコメントはありません。