サックス 演奏

サックス偉人伝:ズート・シムズ

*線が太く、どっしり重量感のあるサックスの音色で、ひと言ひと言を噛み締めるようにフレーズを組み立てていく、流麗でクールなソロでファンを魅了した、「スウィングスタイルによる最強のサックス奏者」、ズート・シムズは、1925年10月29日カリフォルニア州イングルウッド生まれの、テナーサックス&ソプラノサックス奏者です。本名はジョン・ヘイリー・シムズ(John Haley Sims)、ズートはあだ名です。「ズート(Zoot)」という言葉は「いかれた」とか「おしゃれ」とか言う意味を持ったスラングで、キリっとした顔立ちの白人テナーマンの彼には、ぴったりのあだ名だったのでしょう。
 ズートは、40年代初頭からベニー・グッドマンやアーティ・ショウ、スタン・ケントン、バディ・リッチらの著名なビッグ・バンドに参加し、テナーサックスのソロイストとしての地位を確立しました。第2期ウディ・ハーマン楽団(セカンド・ハード)のサックスセクション、ズート・シムズ(ts)、サージ・チャロフ(bs)、ハービー・スチュワード(ts)、スタン・ゲッツ(ts)、に参加し、彼らを全面的にフィーチャ ーした曲、「フォー・ブラザース」を大ヒットさせています。また1954年からジェリー・マリガンとともに、マリガン・コンサート・ジャズ・バンドとしてツアーをしています。1950年代前半からアル・コーンとのコラボレーション活動を始め、この形式が「アルとズート」として後々まで長く続き、素晴らしいツイン・サックスの録音を何点も残しています。余談ですが、ズート・シムズは大酒飲みでも有名です。1983年の来日時のライヴハウスでは、演奏の始まる前からウイスキーを飲みはじめ、休息時間も飲み続けていたにも関わらず、演奏にはまったく乱れが無かったそうです。ズートは底なしの酒豪で、一日にウイスキーのボトル2本はかるく空け、のどが乾いたと言ってはビールを飲んでいたとのことです。アメリカで酔っぱらってホテルのドアを壊し、弁償させられたことがあったそうですが、チェック・アウトの時、「弁償したのだからこのドアは俺のものだ」と言って、大きくて重いドアを抱えてホテルを出て行った、というのは有名な話です。

 「懐かしき良き時代」の「まさにテナーマン」だったズート・シムズのセッティングは、セルマーマークVIにオットーリンクのメタルマウスピースという、ど直球なものです。ズートは若い頃からビックバンドの経験を重ねたせいか、アンサンブルの中で自分を生かし、共演者を生かしながら、バンド全体でコンセプトを実現させていくタイプのプレーヤーです。彼のソロでは、同じようなフレーズパターンを繰り返すことが多いのですが、その繰り返しが確固たるリズムを作り、独特の力強い「ノリ」を作り出します。スイング時代のジャズの「楽しさ」をたっぷりと含んだ演奏は、聴くものに親近感と安らぎを与えていると思います。安心してその音の中に身を委ね、うっとりと心地よい世界を堪能できる、ズート・シムズはそんな大きな世界を持ったテナーマンです。

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