サックス アクセサリ

パッド開けるか開けないか

*久々に斬新で、画期的なサックスアクセサリーが開発されたようです。名前は失念しましたが、サックスのクローズキーカップに装着し、そのパッドを開いたままに固定するアクセサリーだそうです。それによって普段は閉じているパッドが外気に触れ、演奏後も早くに乾燥し寿命が長くなると同時に、パッドの表面にトーンホールエッジが押し当てられることで付いた溝が膨らんで浅くなり、トーンホールの密閉度が高くなる、ということだそうです。確かにG♯、E♭、C♯のキーはほとんどの場合に閉じており、管体の中の湿度満点な空気にいつも触れています。サックスを演奏していないときぐらい、外の世界の空気に触れて適度に乾燥させることは良い事なのでしょう。
 かたや30年以上前から存在する、サックスのマニアックアクセサリー(?)に「サックス・クランプ」というものがあります。名前や構造が違うものが数社から出ていますが、こちらは、「開いているキーを閉めて止めておく」道具です。サックスは工場から出荷される際、輸送時の振動でキーの調整が狂わないよう、各所にコルク材を挟んで、キーがすべて閉じた状態にして箱詰めされます。キーカップがトーンホールから離れた状態でサックスが激しく振動すると、シャフトから枝のように伸びたキーカップがテコの原理でおもりになり、シャフトとの接続部に力がかかってキーバランスが狂ってしまうのです。「サックス・クランプ」はいくつものコルクの役割を特殊な形状のワイヤ等で代用させ、サックスのすべてのキーを閉じた状態に簡単に固定させることが出来るアクセサリーです。また、サックスのパッドを全交換したときに、「パッドをトーンホールに馴染ませる」目的でサックス・クランプを使用するリペアマンも少なくありません。

 ということで、「え~?パッドは閉じるの、それとも開けるの?」という疑間が湧くわけですが、賢明な読者の方々は既にお気づきと思います。保管時にはパッドは開け、輸送時・移動時には閉じておきましょう、ということですね。サックスを使用しないときは、掃除した後にすべてのキーを開け、ケースにも仕舞わずにスタンドに立てかけて放置しておくのが最良でしょう。低音域のキーだけでなく、ネック側に近いパームキー等のパッドも開けておくと、より効果がありそうです。そしてサックスをケースに入れて持ち歩くときにはパッドは閉めよう、ということですね。これはバリトンサックスのようにトーンホールが大きく、カップも大、という部分が多いサックスに効果が大きいでしょう。これらを真面目にやるとかなり面倒ですが、身の回りの輪ゴムや針金で対応することも不可能ではないでしょう。この「理屈」を頭に入れてご自分のサックスと付き合えば、きっとその良い状態を長く維持することが出来るはずです。
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