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部品の質

*アルトサックスなら安いもので5、6万円、標準価格帯で20万から40万円、文句無しのプロモデルなら50万から100万円あたりと、サックスの価格は本当にピンキリの幅が大きいです。この価格差は楽器設計の形態や製造方法、材料、検品・調整の方法、品質管理の体制など、とても複雑な要因の積み上げから発生しているとは推察されますが、果たしてその価格差が、ダイレクトに演奏者のための品質の差になっているかは意見が分かれるところでしょう。今日はその価格差の一つの要素、「部品の質」について考えてみましょう。
 まずは「ばね」。サックスにはニードルスプリングと呼ばれる針状のバネが、全体で数十本使われています。ニードルスプリングは、サックスの操作性や機能を支える、非常に重要な部品です。ステンレスや鋼鉄、炭素鋼等で作られており、たかが「ばね」ですが、高性能なほど高価です。安価なサックスには銀色のステンレスばねが使われていることが多いようですが、高価なモデルには硬鋼線を低温焼き鈍し(テンパー処理)した、青みがかった黒色のばねが使われています。このばねは焼き鈍し処理によって独特の青みが出るため、ブルースプリングとも呼ばれ、均一で強い弾性とへたり難い耐久性が特徴です。質の高いニードルスプリングは、小さなたわみでもしっかりとした反発弾性を持つため、繊細で応答性の良いサックスの操作が実現します。

 次に気になるのがパッド(タンポ)の品質です。サックスのタンポの構造は、基本的に台紙と呼ばれる丸い紙に、中綿となるフェルト、これを包み込みこむように皮が張られ、プラスチックや金属のリゾネーター(ブースター)と呼ばれる円盤状の板でそれらを止めています。皮には合成皮革、羊やカンガルーの天然皮革等が使われ、ほとんどの場合防水加工されています。高価なパッドはきめの細かい柔らかな皮で、トーンホールの密閉性を高めます。またリゾネーターには、プラスチック、メタル等の材質のバリエーションとともに、形状のバリエーションもありますので、メーカーや奏者のサウンドヘの意向に応じた、様々な仕様のパッドがあります。ピゾーニ、シャヌー、ミュージック・メディック、ヤマハ等がパッドブランドとして有名です。パッドはあくまで消耗品ですが、低品質なものは早期に硬化して密閉性が劣化したり、破損したりします。高価なパッドは比較的長持ちしますので、結果として経済的とも言えます。
 コルクもサックスの重要な部品の一つです。コルクは地中海性気候を好むコルクガシという植物の樹皮です。自然材ですので採取する樹木の生育状態、また採取時期によってその品質は大きく変わります。適切な条件の下で採取されていないコルクは、そのクッション性にムラがあり、曲げるとすぐに割れてしまうという、サックスの部品としては適当でないものも少なくありません。節が多く、明らかに断層があるのがそんなコルクです。また細かいコルクのフレークを高圧で固めた圧縮コルクというものもあります。これもサックスの部品としては不向きです。最近では化学樹脂で作られた合成コルクもサックスの部品として使われている場合もあるようです。「部品うんちく」でした。
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