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サックス偉人伝:マルセル・ミュール

*フランス、ノルマンディー地方に生まれたマルセル・ミュール(以下ミュール)。多分、人類史上最高のサックス奏者のひとりと言っても誰も文句を言わないでしょう。彼のために多くのサックス曲が作られ、彼によって演奏されました。それらの曲は今でもクラシックサックスの名曲として引き継がれ、多くのサックス奏者によって演奏されています。その偉業ゆえに、まるでミュールがサックスを普及したかのような誤解をしている人が少なくありませんが、サックスは1840年代に発明されており、セルマー社も1885年にサックスの製造を開始しています。ミュールは1901年生まれ(没は2001年。 21世紀まで生きました!)ですので、ミュールがサックスを手に取ったときには、すでにサックスは楽器としてそれなりの存在になっており、多くの歴史に残るサックス奏者がすでに登場していました。ですので、ミュールがサックスを普及させたという訳ではないようです。

 1942年、ミュールは当時休止状態にあったパリ音楽院のサキソフォン科を復活させ、そこで多くのサックス奏者や教育者を育てたとのことです。名門音楽学校でサックスの専門科が休止してたということは、当時あまりサックス奏者を目指す音楽家がいなかったということでしょうか。他の楽器に比べてサックスはマイナーな楽器だったわけです。それが天才サックス奏者ミュールの登場によって、サックスの素晴らしい音色や演奏のテクニック、楽器としての成熟度が多くの音楽ファンに紹介され、「サックスって凄いじゃん!」となり、「俺もやりたい!でもパリ音楽院、サックス科無いじゃん」、「パリ音楽院:ミュールさんに教えてもらうしかないでしょ」、となったのではないかと思います。となると、やっぱりミュールは、「サックスを世にアピールし、定着させたひと」なのでしょう。
 この名門「パリ音楽院サキソフォン科」での教育者としての活動ばかりでなく、ミュールは自身の演奏活動も精力的におこないました。アルトサックスを吹いてのソロ活動に加え、当時の最高のメンバーで構成された「パリ・サクソフォン四重奏団」を結成し、自らもそこでソプラノ・サックスを演奏しました。ミュールの時代の音楽は、78回転のSPレコードでの録音・流通が主流でした。そのためこの時代の音楽家の多くは限られた数の録音しか残していませんが、幸いミュールは多くの録音を残しています。ミュールの演奏は多くのSPレコードから復刻されCD化されており、当時の艶やかなミュールの音色と驚異的な演奏テクニックを今でも感じる事が可能です。ミュールはサックスにビブラート奏法を導入したことで有名ですが、音の立ち上がりやタンギング、サウンドの作り方など、現代サックス奏法の原点と思われる技術を随所に聞くことが出来ます。私見ですが、初めてミュールの演奏を聴いたとき、「え?マーシャル・ロイヤル?」つて思いました。歴史的ビッグバンド、カウント・ペイシー楽団の名リードアルト、マーシャル・ロイヤルのサウンドとミュールのサウンドは劇似です(と、思います)。ミュールの「Lonely Street」、聞いてみたかった!
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