レイテンシー(Latency、レイテンシとも表記します)とは、データ送信から受信、またはコマンド実行から応答までに発生する「遅延時間」のことを指します。ネットワークやシステムの反応速度を示す重要な指標で、ミリ秒(ms:ミリセック、千分の1秒)単位で表記されます。我々サックス奏者には何の関係も無さそうな気がしますが、現代の音楽シーンで、レイテンシーはサックス奏者にも無縁ではありません。サックス奏者に関わるレイテンシーについて説明します。
現代のサックス奏者にとって、一番重要と思われるのがワイヤレスマイクの「レイテンシー」です。現在でも一般的に使用されている「アナログワイヤレスマイクB帯(806.125~809.750MHz)」のレイテンシーは、デジタル処理を挟まないため実質ゼロです。音声を波形のまま電波として送受信するラジオと同じ原理であるため、音のズレが許されないライブ環境や講演に最適です。しかし電波の強度により混信が起こったり、信号にノイズが乗り易いということから、多チャンネル使用環境や大規模な音響システムでは、デジタル処理したA帯(470-710MHz、710-714MHzおよび1.2GHz)が使用されています。デジタルA帯ワイヤレスマイクでは、デジタルといえども数ミリsecのレイテンシーで、アナログと同様にほとんど遅延はありません。しかし近年の楽器用のワイヤレスマイクでは一般的に、2.4GHz帯ISMバンド(産業・科学・医療用:Industrial, Scientific and Medical)という、免許不要で使えるデジタル方式の製品が使用されています。Wi-FiやBluetoothと同じ2.4GHz帯を使用するため、小型・低コストな一方、他機器との干渉を受けやすく、距離や壁に弱いデメリットもあります。2.4GHz帯ISMバンドの一般的なレイテンシーは約3ms~20msで、レイテンシーが10msを超えると、人間は目にする口の動きと音のタイミングに違和感を感じ始めます。音は距離による遅延も大きいので場合にもよりますが、多くのワイヤレスシステムは10ms以下のレイテンシーを目指しています。そんななか、サックス演奏に使われるワイヤレスマイクのレイテンシーは、ほとんどの機種で4ms以下を保証していますが、使用条件や機種によって、実際に感じられる遅延はまちまちです。ワイヤレスシステム購入の際は、十分な仕様の検討と吟味が必要です。
ワイヤレスマイクのレイテンシーは、「音→電気→音」の返還遅延ですが、サックス奏者に関係するもう一つのレイテンシーに、「動作→電気」の遅延があります。ウインドシンセを操作するときの、演奏とそれを信号で受けるプログラムの動作との遅延です。ウインドシンセをPCやタブレット等のアプリにつなげ、演奏データをDAWソフトに入力したり、ソフト音源で発音させる場合、入力楽器とソフトウエアとの間のレイテンシーが生じます。MIDIやBluetooth等の介在する通信システム、また中間のドライバ、実際の動作するPCやタブレットの性能、はたまた入力楽器のキーの応答機構の特性等、多くの影響要素がありますが、レイテンシーが大きい場合は、違和感で演奏にならないということも少なくありません。ウインドシンセ奏者は、かなりの割合でレイテンシーで悩むと言っても過言ではありません。
音楽演奏という行為は、ほんの些細な遅延、レイテンシーにも過敏です。1000分の1秒、ミリセックの時間もないがしろに出来ません。
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