サックス 本体

良いサックスとは?

先日は激安サックスの品質について考え、長く付き合える楽器としては適さないかも、とお話ししました。しかしそこで考えました、「良い楽器、良いサックスとは何だろう?」と。今日は多くのサックス奏者が評する、良いサックスとは、について考えてみます。

楽器は正確な音階を発するための道具です。ピアノやギターはチューニングによって正確な音程を出せるようになります。チューニングが取れておらず、ピッチの狂った音を出すピアノやギター は「ダメな状態」です。しかしサックスは、正しくチューニングをしたからと言って、全音域に対し、楽器自身だけでは正しい音程を出すことが出来ません。
サックス等の木管楽器は、トーンホールの開閉によって、管体の共振周波数を変えることで音階を出しますが、その周波数は設計上でも近似値でしかなく、アンブシャや息のスピードに変えることによって、求める音高への調整が必須です。
つまり、奏者が無理をせずに、正しい音程を容易に出せる、というサックスが音程に関して良いサックスです。しかし調整は奏者の技量です。一般的に上位機種のサックスほど音程調整が容易と言われますが、固定されたアンブシャで棒吹きすれば、正しい音程は出てくれません。
逆に設計に難のあるサックスでも、ある程度の上級者が吹けば、音を外さずに吹くことが出来ることもあります。

サックスは色々な音色を出すことが出来ます。ラッカー、金メッキ、銀メッキ等、管体のフィニッシュや、真鍮、ブロンズ、洋銀等の材質、また設計上の管体形状や板金の厚さでも持っているサウンドの個性は異なり、各メーカーが個性のあるモデルを出しています。奏法でもストレートトーンやサブトーン等、様々な音色を出すことが出来ます。
またサックス等の管楽器は、奏者の体形も楽器の出す音色に影響すると言われています。サックスの音色について考えるとき、低音域から高音域まで、その楽器のサウンドとして一貫性が取れているかも考慮しなければなりません。雑な造りのサックスは、往々にして「音色の腰」や「制御できない音色の癖」を持っています。

フィンガリング等の操作性も、サックスの質の評価の対象でしょう。多くの奏者はフィンガリング動作の軽さ/重さ、必要指圧の均一性、自分の指の可動域に対するキーレイアウトの適合性、キーの戻りの素早さや滑らかさ等、サックスの道具としての機械的な完成度、また自分への適合度を「サックスの品質の良さ」の判断基準とします。

楽器の性能を考えるとき、音の三要素である「音の大きさ・音程・音色」に関する能力と、道具としての操作性が評価の基本となりそうです。
しかしこれまでの記載で分かるように、それらのすべては「奏者の感覚」に密接に連動しています。それを乱暴にまとめると、奏者が吹いていて「気持ち良い楽器」が、「良いサックス」なのではないでしょうか。とはいえ奏者も成長や変化をします。「昨日の気持ち良さ」は「今日の不快」かもしれません。
良いサックスは、「今、良いサックス」と割り切って探すのがベスト、という事が結論かもしれません。

 

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