サックス 演奏

間違いだらけのアンサンブル指導

*サックスを吹いている方々は、楽器の特性上アンサンブルや合奏で吹き機会が多いと思います。サックスソロのみの演奏の機会も無いわけではありませんが、ピアノやバイオリンのそれに比べて頻度は低いでしょう。今回は、ブラスバンドやビッグバンドの、「合奏」や「アンサンブル」の練習についてお話しさせてください。サックス奏者ばかりでなく、ほかの楽器にも共通する、合奏上達のヒントがあるかもしれません。
 多くのコンサートマスターや指導者が、「リード(マウスピースに着けるリードではありません。一番アルトや一番トランペットのことです。)の音を聞きながら、合わせて吹いてください。」、と言います。各パートのリード(トップ)はそのセクションのサウンドの要ですから、その演奏のニュアンスに合わせるのは、サイドとしての義務ですし、パートの一体感には必須の条件です。ビッグバンドではリードトランペットがそのバンドのグループ感を作り、リードアルトがニュアンスを作ると言われています。周りはそれに着いて行くのが鉄則です。でも、よく考えてください。聞きながら、合わせて吹いて、合いますか?リード奏者の音を聞いた時点でそれは「過去」のものです。それにあわせて吹こうとしても、自分の音は未来の音です。既にもう、「ズレてしまっている」んです。効率的な練習をするバンドでは、まず「リードパートだけで演奏する模範演奏」をバンドメンバー全員に聴かせます。もちろん、ここで二ュアンスの調整をすることもありますが、サイドパートのメンバーは、リードの演奏をしっかりと聴き、記憶し、楽譜にメモします。この時点で頭の中でニュアンスをコピーします。そして合奏です。合奏練習中は、サイドパートはリードとの「ズレの調整」のみに集中します。合理的ですよね。

 ジャズの曲を演奏する場合は、指導者は「溜める」とか「スイングして」とか、「八分音符二つは三連符と解釈して…」とか、揃って意味の分からないことを話します(指導者の方々、すみません)。音のタイミングの細かいニュアンスを決める場合は、もっと具体的な指針で統一すべきです。ジャズの「溜め」とか「スイング感」は曲全体では揺れ動くものです。フレーズ単位、小節単位、一拍単位で全員が納得できる「タイミング」を作ることが重要です。また、その曲のオリジナル演奏にどこまで近づこうとするかも重要なポイントです。コンマス(コンサートマスター)はオリジナルの演奏をバンドメンバーに聴かせ、細かい部分をどう再現するかをしっかりと決めましょう。「家で聞いてきてね!」ではあまり役に立ちません。
 一流のプロのバンドは、「あうんの呼吸」でお互いが分かり合います。アマチュアではそんな芸当は無理です。しっかりと話し合う。そして吹いて確認する。あるべき姿を分かり易く提示する。そんな指導が、良いアンサンブルへの最短の道だと思います。
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