サックス 本体

サウンド作りは物真似から

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サックスは管楽器の中でも奏法によるサウンドの変化が付け易い楽器です。そういう意味でサックスは、「高い音楽表現力を持った楽器」と言っても良いでしょう。そんな楽器、サックスであるがゆえに、自分の演奏スタイル、サウンドスタイルを作り出すには、たくさんの練習や試行錯誤、弛みない奏法の研究等が必要です。そう、サックスは意外と「面倒くさい楽器」です。リードやマウスピースのブランドやセッティング、楽器のコンディション。楽器を吹くための体力維持。練習や演奏に関連する小物類。など等と、サウンドに限らず、サックス吹きはいつも何かしら悩んでいるのではないでしょうか。そんな悩み多きサックス吹き(笑)のために、サウンドメイキングのショートカットのための、ひとつの裏技を紹介しましょう。
 サックスのサウンドメイキングが難しいのは、先にもお話ししたように、サックスの表現力が高すぎるのが原因のひとつです。自分自身に、サウンドに対する確固たる信念がなければ、サックス特有の「出やすい音」や「動かしやすい運指」、「付け易い変化」、「簡単な小技」にどうしても引っ張られてしまいます。サックスは「音が出しやすく、始めやすい楽器」と言われますが、取っ付きが良くてもなかなか「音楽」へたどり着くのが難しいのは、このあたりの楽器の特徴が理由のようです。ならば、自分の吹いている楽器がサックスだということを忘れてみてはどうでしょう。乱暴ですが、実に理にかなった方法なのです。
 ブラスバンドやビッグバンドでは、その曲の元アレンジでストリングスが奏でているパートは、ほとんどの場合サックスに割り当てられます。それはサックスがバイオリンやビオラ等ストリングス楽器にサウンドが似ており、またニュアンスも同じ雰囲気を付け易いからです。自分のサックスで徹底的にストリングスの真似をしましょう。バイオリンやチェロ、ビオラの演奏音源を真似るもの良いですが、自分の持っている楽譜やエチュードを、ストリングス楽器が出すような音を目指して練習してみてください。サックス特有のサウンドや癖は忘れ、物真似に集中してみてください。まず音を細く綺麗にしましょう。澄んだ音が長く続かなくてはストリングス風にはなりません。またアタックを柔らかくしましょう。弓が弦を擦り始めるような、柔らかいタンギングです。細かいビブラートも重要です。淡く消えるような音の切り方も真似ましょう。「抜く」という音の切り方です。針の細さをイメージするようなピアニッシモのロングトーンも、ストリングスならではのサウンドです。サックスでは難しいですよ。
 このような物真似を高いレベルに持っていくためには、高度なサックスの操作技術が必要です。そしてその技術は、どんなジャンルでのサックス演奏にも必要で、かつ効果を発揮します。ストリングの物真似をしていると、たぶんその途中で自分の作りたいサックスサウンドが見えてくると思います。ストリングスの物真似練習は、絶対のおススメです。
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