サックス 本体

ヴィンテージサックスの魅力とデメリット



ジャズサックスプレーヤーはヴィンテージサックスが大好きですよね。確かに人気の高いヴィンテージサックスのサウンドは現代の楽器には出せない魅力があります。
 でも、100万円を超える価格で流通している名品も、知らないひとが見たら、「屑鉄のような、ただの汚いサックス」としか映らない場合も少なくありません。
 アメセル、ビッシャー、コーン等の名ヴィンテージサックスの信奉者の気持ちを分かりつつ、今日はあえて「ヴィンテージサックスの魅力とデメリット」について書いてみましょう。
 ヴィンテージサックスの魅力は、何と言ってもその「特徴のあるサウンド」でしょう。
ヴィンテージサックスのセルマーも、ビッシャーも、コーンも、キングも、近代楽器には無い、それぞれ魅力的で独特なサウンドと吹奏感を持っています。
現代のサックスでそれらの音を出すことは出来ないのでしょうか?答えは「イエス」でもあり「ノー」でもあります。
 多くのメーカーは、トラディショナルなジャズサウンドを求めるサックス奏者向けに、「ヴィンテージサウンド」を特徴の前面に出したモデルを数多く発表しています。ヴィンテージサックスの懐かしく、甘い音は、多くの近代モデルで近いサウンドが実現されています。でも、やはり、「近い」止まりです。ブラインドテストでヴィンテージサックスと近代サックスのヴィンテージモデルの音の違いを比べたら、きっと誰でもが「どっちが古い楽器の音」かは分かるでしょう。
その原因となっているのが、「材質の違い」です。
製造から50年以上を経た金属のサックスと、数年の「若い金属」のサックスとでは、響きが異なります。
また昔の合金製造技術はまだ未熟であり、ヴィンテージサックスの材質には、配合率が不均一で、不純物を多く含んだ金属が使われています。
現代のサックスは大量生産された均一な材質の板金が加工されて出来ています。ヴィンテージサックスと現行サックスの「響きの違い」の原因は、この辺にあると言われています。
 
 吹き易さは、どう考えても現代サックスに軍配が上がると思います。
現代のサックスは、息のエネルギーを音にする効率は高く、また正確な音程の音を出すことができます。この類のサックスの「道具としての機能」を考えれば、さすが現代サックスは先端技術の成果が出ています。
多くのヴィンテージサックスはとても音のコントロールが難しく、正しい音程の音を出すにはかなりの技術が必要です。多分、現代サックスの感覚でヴィンテージサックスを吹いたとしたら、音程のコントロールには非常に苦労するでしょう。
技術の過渡期のサックスですから当然なのですが、それを当時のプレーヤー達は技術や根性でカバーしていたわけです。
ヴィンテージサックスの愛好者の中には「それが楽しい」と自虐的な発言をする方や、「その不安定さが音楽の表現力の幅を広くする」と納得してしまいそうな意見をおっしゃる方もいます。
ただひとつ言えることは、「現代サックスには無い苦労」が、「あのサウンド」の代償として、ヴィンテージサックスには漏れなく付いて来るということです。
——————————————————————————————–
残り僅か!AIZEN限定HRモデル!
アルト 世界限定70本 ⇒ 残り 5本!
テナー 世界限定35本 ⇒ 残り 9本!
——————————————————————————————–
『今週の新着情報』
超希少ヴィンテージ発見!70年前のオットーリンクですよ!
⇒『アルト 希少 オットーリンク Reso Chamberモデル 1940年代』
 
革製なのにパッド付きなので吸水性抜群!
⇒『BG サックスストラップ 『レザー』』
最も精度がよかったニューヨーク時代の希少ヴィンテージ!
⇒『アルト ヴィンテージ ブリルハート エボリン GreatNeck#914xx』
 
残り7名様
AIZENのポイント5倍キャンペーン実施中!

詳しくはこちら

関連記事

  1. サックス 本体

    ジャズサックスとクラッシックサックスの違い。その1

    多くの音楽の話題では、クラッシックとジャズをまったく正反対のもの、ま…

  2. サックス 本体

    シャフトの話し

    サックスという楽器の構造には、ある特徴的な部分があります。もともと指…

  3. サックス 本体

    銀の話し

    最近は銀製のマウスピースや、各部に銀を使ったサックスも一般的になって…

  4. サックス お手入れ

    サックスのメカノイズ

    サックスという楽器はメカニズムの塊です。機械的な仕掛けが複雑に絡むこ…

  5. サックス お手入れ

    サックスのムコウズネ

    足のふくらはぎの反対側、足の部分では最も「肉の薄い部分」である「ムコ…

  6. サックス 本体

    サックス完成までの深い過程

    サックスは1840年代に、ベルギーの管楽器製作者、アドルフ・サックス…

previous arrow
next arrow
Slider

最近の記事

アーカイブ

2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  
PAGE TOP