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10月 2016

Written By: sax on 10月 25, 2016 No Comment

サックスという楽器はメカニズムの塊です。機械的な仕掛けが複雑に絡むことで、指の動きが各パーツに伝達され、必要なパッドが開閉します。回転を伝えるシャフト。シャフトの回転軸を支えるポスト。回転角度を別のシャフトに伝えるカム構造。カップの開きを押さえるレバー。カップの開閉角度を決める繰り出しネジ、など等。なんと600個余りの部品が互いに絡まり、こんなにも沢山の機械仕掛けで、奏者の指使いに合わせて複雑に動作します。その証拠にサックスの操作をすると、サックス全体から「ガチャガチャ」というメカニカルノイズが発生します。今日はその「メカノイズ」についてお話しします。
 サックスという楽器の構造上、ある程度の大きさの金属の部品が、互いにかみ合って指からの動作を伝え合っていますので、その動きに応じて金属がぶつかり合う「メカノイズ」はどうしても避けることはできません。とはいえ、あまりにガチャガチャうるさいのも音楽の邪魔になりますので、サックスの部品にはコルクやフェルトを使って、金属のぶつかり、擦れによるノイズを減らすための工夫がされています。シャフトの回転を別のシャフトに伝えるカム構造部では、レバーとレバー受けの間に薄いコルク材が貼り付けられています。またカップを抑える繰り出しネジの先端には、厚いフェルト材が貼られており、クッション性を持って金属を押さえます。このコルクとフェルトが無ければ、サックスは運指に伴い、今以上の「ガチャガチャ音」を発生し、サックスから出る音楽を阻害するほどになるでしょう。
 このコルクとフェルトは単に「消音」や「クッション」の為だけに存在する訳ではありません。これらはメカニズム機構の複雑な連携の「塩梅」を調整するための重要な部品でもあります。1ミリ前後の厚さのコルクでも、その厚さを微妙に調整することにより、サックスのより完璧な動作を実現します。またコルクやフェルトの部品は、その性質上、減ったり、縮んだり、「取れたり」してしまいます。自分が吹いているサックスのメカノイズがある日突然変わった場合には、コルクやフェルトの摩耗や脱落が懸念されます。それは単にノイズの音がひどくなったことにとどまらず、かならずサックスの機能的不備につながります。カップを押さえるフェルトが無くなれば、カップの開きが大きくなり、特定の音の音程が変わります。連動機構のコルクが薄く減ってくれば、機構の遊びが大きくなり、パッドが閉まらなかったり、開かなかったりというトラブルに通じます。ひどい時にはサックスからまったく音が出なくなってしまう場合もあるでしょう。自分のサックスの「メカノイズ」、ガチャガチャ音に変化があった場合には、自分のサックスの隅から隅まで、詳細を観察し、コルク・フェルトの摩耗や脱落をチェックしましょう。そのまま使い続けると、大きな故障につながりかねません。ノイズの変化は概ねサックスのメカの異常です。ご注意を。

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Written By: sax on 10月 18, 2016 No Comment


管楽器の奏法のあるべき姿は教則本などで提示されています。先生も「あるべき姿」を生徒さんに教えてくれます。しかし実際の奏法はというと、あるべき姿からは微妙に違いが出てきます。伝説のトランペッター、ディジー・ガレスピーは吹くときにカエルのように頬を膨らませています。またアルトサックスのレジェンド、ディビッド・サンボーンは、かなり右下寄りにマウスピースを咥えて吹いています。どちらも素晴らしいプレーヤーですが、その奏法は「あるべき姿」としては教則本で取り上げられてはいません。今日はサックスやフルート、金管楽器のアンブシャを決めるときに重要な、「水平感覚」についてお話しします。
 「真っすぐ」、「中心に」、「90度」等の言葉は、管楽器のアンブシャを説明するときに必ず出てくる重要な単語です。「口の中央に、真っすぐにマウスピースを差し込みます。」、なんて基本ですよね。「顔に対するマウスピースの上下角度はほぼ90度。口の上側から、また下側からマウスピースが口に入っていくことの無いよう注意してください。」、なんていうのも定石です。マウスピースとリードを正しく機能させるには、口から効率良く息をサックスに送り込んでいくことが大事です。また口腔(口の中)の最適な位置に、マウスピースはいなければなりません。そのためには「中央」や「90度」は大事なキーワードです。しかしこれらはご存じのように必須ではありません。人それぞれにあごの形も違えば、身体の大きさによってマウスピースを咥える角度も違ってきます。しかし、「自分なりの吹き方」がどの程度標準からずれているかをご存知の方は多くはないでしょう。

 マウスピースに対して割り箸が十字になるよう輪ゴムで固定してみてください。マウスピースの左右に長く割り箸が飛び出た状態でマウスピースを咥えると、顔に対してマウスピースが「中央で真っすぐ」か、ということが確認できます。横からは鏡を使うか、スマホでマウスピースを咥えた自分の横顔を撮影してみてください。マウスピースの上下の角度が確認できます。また咥える深さも客観視できます。このような工夫で、標準的で正しいアンブシャとの誤差を確認し、自分のアンブシャはどのくらいずれているかを認識しましょう。どうしてそんな面倒なことをするか、ですって?自分の「ずれ幅」を分かっておくためです。そうすれば、自分の課題に対しての解決方法が、意外と簡単に見えてきます。サブトーンが出し難いのは、マウスピースを咥える角度が原因かもしれません。サブトーンは息がリードに当たる角度が影響します。高音域の音がにごるのは、口の真ん中で咥えていないからかもしれません。下唇がリードの左右を均一に締め付けていないと、音がにごったり、音程が安定しません。このように、アンブシャや演奏姿勢の水平感覚を意識して自分の奏法を確認することは、サックスの演奏技術向上にとても役立つはずです。

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Written By: sax on 10月 11, 2016 No Comment


リードのマウスピースへの装着は、サックスを吹く上で必須の項目です。なにしろリードが着いていなければサックスは鳴ってくれません。教則本等の色々なところでリードの装着方法が説明されていますが、いまひとつおおまかな感じがします。馬鹿みたいに細かい、おせっかいなくらいにしつこい「リードの取り付け方法」の説明に挑戦します。
 リガチャー(リード留め具)はマウスピースに着けたままネジを緩め、そこにリードを差し込みます。リードを先にマウスピースに取り付けないのは、後からリガチャーを被せると、リードの先端をリガチャーで痛める恐れがあるからです。最初にマウスピースの先端とリードの先端を揃えます。リードの向こう側にマウスピースの先端が、「髪の毛一本ほど見える」のが良いという説もありますが、リードの先端を指で押し、マウスピースの先端にリード先端をぴったり付けたうえで、隙間の無いように揃えるのが基本型です。リードをそれより出すか、引っ込めるかは奏者の好みです。先端をそろえたらシードの後端をそろえます。右手の親指と人差し指でリードの左右を挟み、マウスピースのテーブルの中心にリードが乗るように調整します。リードの先端と後端の位置が決まるまで、この動作を繰り返します。
 リードの位置が決まったら左手の親指でリードを押さえて、マウスピースとリードの位置がずれないようにしっかりと固定したうえで、リガチャーの位置を調整します。リガチャーの位置はなるべくマウスピースの後ろ(ネックへ差す側)に寄せたほうが、リードの振動に良いようです。リガチャー装着位置の端から数ミリ残すのが定石です。これをやっている間にリードかすれた場合は、リードの位置決めからやり直しです。リガチャーはリードを左右均等の力で締め付けるよう注意してください。基本的には、リードの長さ方向の中心線にリガチャーの真ん中が来るようにします。ネジを締めているうちにリードやリガチャーがずれてくる場合がありますので、その場合は「振り出しに戻る」です。

 一般的な、「順締め2本ねじのリガチャー」では上下のネジを交代に少しずつ締めていきます。「ネジはきつ過ぎずゆる過ぎず」が基本ですが、締め付けがゆるいとリードの振動が吸収されます。しっかりと締めたほうがリードの鳴りは良いようです。リード先端側のネジだけを緩めると音が太くなる場合もあります。試してみてください。リードの装着後は実際に吹いて確認します。普通に吹いて音はどうか、吹き易いか、は勿論ですが、サックスを極端に左右に振って、下唇をリードの片側だけに着けた状態で吹いてみます。左右で同じ音ならOK。そうでない場合はリードがマウスピースの中心からずれているか、もしくはリードそのものの調整が必要です。
 10分も吹いてリードが湿ってくると、リガチャーが緩くなってきます。またチューニングでマウスピースをネックから抜き差ししても、リガチャーがずれる場合があります。このような場合は、ネックを本体から外して、リードやリガチャーの位置を調整します。こうするとチューニングをやり直す必要もありませんし、作業が格段とやり易いです。

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Written By: sax on 10月 4, 2016 No Comment


スマホは私たちの生活を激変させました。通勤電車で映画が見られるとは思っていませんでしたし、自分がポケモンハンターになれるとも思いませんでした。手のひらの中のパソコン、「スマホ」には、私たちの音楽生活をも変えるアプリがたくさん用意されています。そんな「演奏系アプリ」の中のいくつかのお勧めをご紹介しましょう。
 メトロノームやチューナーアプリは非常に沢山の、個性的なアプリが出ています。これといって決めるのは難しいです。お勧めどころは、表示が見易い、好みに合う、ということはもちろんですが、メトロノームは振り子表示機能があることが大切です。ピッ、ピッ、ピッのような音や、単独のランプ点滅では、「拍の間」が感じられません。せっかくの高精細ディスプレイですので、振り子がアニメーションで動いたり、複数のランプで光が走るものがお勧めです。チューナーは音の測定反応が良いものを選んでください。ギター等の弦楽器用に作られたチューナーは測定反応が遅い(弦楽器チューニングの場合はそれで良いのです)ので、管楽器には向いていないものもあります。なかでもセンターチューニングメーターを備えたものがお勧めです。無料アプリをいくつかダウンロードしてみて試してみてください。
 コードの構成音を教えてくれるアプリもあります。「Pianochord」という無料アプリは、かなりの種類のコード名を指定でき、その構成音をピアノ鍵盤の上で確認できます。しかも第一、第二、第三展開も表示し、ピアノ音でハーモニーの確認ができます。アドリブソロの書きソロ作りや、フレーズ探しのガイドに超便利です。「ChordTracker」というアプリは、スマホ内の音源のコード進行を解析し、コード譜を作ってくれます。かなり精度も高いようです。スマホが才能をカバーしてくれ時代になったようです。
 譜面めくりの定番アブリ、「piaScore」も優秀なアプリです。pdfファイルの楽譜を表示し、書き込みや縦スクロール等の機能も持っています。凄いのは、スマホやタブレットのカメラで演奏者を監視し、演奏者が首を振るだけで楽譜をめくってくれるモーションセンサー機能です。もっと確実に譜めくりをしたい場合は、ワイヤレスのフットペダルも使えます。楽譜に対するあらゆるニーズに応えてくれる高性能なアプリです。音楽プレーヤーアプリも進化しています。音のピッチはそのままで、音楽のスピードだけを変えるもの、またスピードはそのままで、ピッチを半音単位で変えることもできます。音源から耳コピーをする場合には必須のツールです。再生速度が変えられるCDプレーヤー、小型のチューニングメーター、小型のリズムマシン等、楽器演奏者は色々な電子機器や道具を持っていましたが、いまや「スマホ一台で、全部OK!」という時代になったようですね。

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