サックス 演奏

サックス偉人伝:キャノンボール・アダレイ

*あのクインシー・ジョーンズが、「凄いぞ、こいつは次のチャーリー・パーカーだよ」と感嘆し、あのデビッド・サンボーンは、「チャーリー・パーカーは別格として、キャノンボールがアルト奏者の最高峰だ」 と評価しているキャノンボール・アダレイは、1928年9月15日、フロリダ州タンパ生まれのジャズアルト・サックス奏者です。本名はジュリアン・エドウィン・アダレイ。1955年、27歳の夏にニューョークへ移り、その胸躍らせる圧倒的なサックス演奏で、ニューヨークのジャズシーンに衝撃を与えました。アルトサックス奏者でビ・バップの始祖チャーリー・パーカーが同年初頭に34歳で亡くなった直後で、ジャズ界には大きな穴が空いており、多くの人がキャノンボールがその穴を埋めてくれると期待しました。 1957年にマイルス・デイヴィス・セクステットに加入し、アルバム『マイルストーンズ(1958)』 と 『カインド・オブ・ブルー(1959)』に参加しています。またマイルスと共同で録音した『サムシン・ェルス (1958)』では、収録したシャンソンの名曲「Autumn Leaves(枯葉)」が大ヒットし、ジャズのスタンダ ードとなっています。

 キャノンボールは正統派のジャズジャンルだけでなく、ソウル・ジャズ、ファンキー・ジャズの立役者としても知られています。卓越したリズム感とフィンガリングテクニックを駆使し、超絶的なフレージングが持ち味です。キャノンボールのソロが始まると場の空気が一転し、音楽が妙に明るくなります。多分、彼が紡ぎだす陽性なフレージングと、朗々と明るく鳴り渡る彼ならではのアルト・サウンドが、独特の世界を作り出しているのでしょう。ライブステージでは、彼のふくよかな巨体(185cm)と人懐こい笑顔も、音楽を明るくするのに一躍買ったようです。「キャノンボール」の愛称はニューョークジャズ界デビューのときからです。その意味は、「キャノン=大砲」の「ボール=弾丸」、つまり昔の大砲の弾は大きな丸い鉄の玉だったので、彼のでっぷりとしたお腹の感じから来たという説と、「大食い→人食い人種(キャンニバル:Cannibal) 」がなまって、という説があります。どちらにしろ、彼を象徴するぴったりの愛称です。
 キャノンボールはKing Super 20にMeyer Brothersのマウスピースを使っていたことで有名です。King Super 20はかなりパワーのある楽器ですので、キャノンボールのあの太いアルトの音のベースになっているのでしょう。彼日く、「サックスを始めた頃はテナーを吹きたいと思ってた。2次大戦の頃、 使えそうだという理由だけで中古のアルトを買い、アルトでテナーのように吹こうとしていた。レスタ ー・ヤング、コールマン・ホーキンスらの強烈なスタイルを身に付けようとしていた」そうです。チャーリー・パーカーらによって音楽的洗練度が上がり、「ビ・バップ」として芸術のレベルにまで高度化し、「分かり難い」とまで言われたジャズを、明るく明快で、リズミックな彼ならではの魅力によって、「ファンキー」なジャズとして大衆に受け入れられるまでにしたキャノンボールの功績は、今のジャズの多様化の重要な起点となっているはずです。

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