サックス 本体

二つのオクターブキー


質問でーす!サックスにはオクターブキーはいくつありますか?「ネックに着いてるあれだろ。一個ジャン。」という答えは期待通りに間違いです(笑)。では、今日はサックスのオクターブキーの話しをしましょう。
 多くのサックスプレーヤーはご存知の事と思いますが、サックスには基本的にオクターブキーは二つあります。正確に言えば、オクターブをコントロールするトーンホールが二つあるという言い方になります。皆さんの楽器のほとんどが、サムレストの上にひとつあるオクターブキーによってオクターブの操作がなされます。そのひとつのオクターブトーンホールが中間音域のソから下を受け持つ第一オクターブホール。ハイF♯キーで開閉するトーンホールの近くにある、小さな穴です。この穴から主管の内側に細いパイプが入り込んでいます。主管にスワブを通すときに、引っ掛からないように気をつける場所です。もうひとつのオクターブホールが、皆さんが見慣れているネックパイプ上のトーンホールです。ここからも短いパイプが内側に伸びています。
 二つのトーンホールを塞ぐパッドは、オクターブキーとその他のキーの連動によって、自動的に受け持ちの音域で開閉します。
サックスのオクターブキーはアドルフ・サックスがサックスを発明した時点では二つありました。1800年代末まで、このダブルオクターブキーのサックスは普通にあったようです。その機構では奏者は音域によって二つのオクターブキーを使い分ける必要がありました。もちろん、あのサックスの巨匠、マルセル・ミュールも、オクターブキーが二つ付いたサックスを吹いていたはずです。これはかなり面倒ですよね。それがキーアクションの連携で、今のように奏者はひとつのオクターブキーの操作さえしていれば、後の事はサックス自身が勝手にやってくれるようになりました。サックスはこのようにしてどんどん便利に、使いやすくなって現在に至っています。サックスって進化し続ける楽器なのかもしれません。しかし、私はアドルフ・サックス社製作のダブルオクターブ構造のサックスを吹く機会がありましたが、それはそれは美しい音色でした。便利さとシンプルさ、どちらが重要なのでしょうか?
残り35名様 秋のサックスフェア 1万円相当の豪華4大特典付キャンペーン開催中
詳しくはこちら

関連記事

  1. サックス 本体

    サックスの隙間

    サックスという楽器の原理は、長い円錐管にリードの振動で音エネルギーを与…

  2. サックス 本体

    一本目は新品?中古?

    初めて「自分のサックス」を買おうと決心したとき、新品のサックスを買うか…

  3. サックス 本体

    サックス解体新書:サムフック

    サックスという楽器は、かなり複雑なメカニズムを持っています。一般的なア…

  4. サックス 本体

    バリトン・トリビア

    サックスの中でも、一番所有率が低いのは「バリトンサックス」でしょう。…

  5. サックス 本体

    激安サックス

    コロナ禍の状態が続き、緊急事態宣言も3度目が発令した昨今、「ステイホー…

  6. サックス お手入れ

    サックスのメカノイズ

    サックスという楽器はメカニズムの塊です。機械的な仕掛けが複雑に絡むこ…

previous arrow
next arrow
Slider

最近の記事

アーカイブ

2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
PAGE TOP