サックス 本体

サックスを響かせる、とはどういうことですか?


サックスのレッスンを受けると、「楽器を良く鳴らしましょう」と教えられます。アマチュアのサックス発表会等では客席で、「あの人はちゃんと楽器を鳴らしてないね」、なんて囁きを耳にすることがあります。楽器の選定では、響くサックス、鳴るサックスを選ぶのが仕事です。さて、この、「鳴るサックス、サックスを響かせる」、ということは実際にはどういったことを指すのでしょうか?これらの言葉を使っているサックス吹きの方々も、以外に無造作に使っていることが多いようです。今日は、サックスを響かせる、鳴らせる、とはどういうことなのかをお話しましょう。
 サックス等の管楽器は言ってみれば、振動増幅器です。息とマウスピースで発生させた音のエネルギーを共振して増幅し、聴衆が聞こえる、感動する音量を作り出します。音量増幅といっても楽器ですので、表現力を伴った増幅でなくてはなりません。音が大きくても、サウンドの質が大きく誇張されたり、癖のある鳴りかたをしてはいけないわけです。逆を考えると分かり易いと思います。鳴らない楽器とは?です。鳴らない楽器は、ピアニッシモで音の芯が無くなり、音像(音の輪郭)がぼやけます。鳴らない楽器は、メゾフォルテで詰まった音になり、かつ音域によって音質がばらばらになります。また鳴らない楽器は、フォルテッシモでは不快な振動(ビビリ)でサウンドを壊します。そして楽器を鳴らすのは楽器の性能に加えて、その吹き手の技量です。それが、「楽器を響かせる」ということです。
では性能の良い楽器、高価な楽器を買えば良いのでしょうか?確かに性能の良い楽器は鳴り易いと言えますが、それを鳴らすのはプレーヤーです。楽器の持っている特性を把握し、吹き方を調整し、楽器と奏者が一体になったときに楽器は響きます。そして、鳴ります。また、楽器はオーナーの奏者と長い時間を一緒に過ごすことで育ちます。正しい練習と、正しい楽器の対話で楽器は最高に響くようになります。鳴る楽器、響く楽器は奏者の意思と表現力を最大限に引き出し、聴衆に伝えます。
残り28名様 イー楽器ドットコム6周年記念キャンペーン開催中
詳しくはこちら

関連記事

  1. サックス 本体

    ヴェノーヴァはサックス?

    2017年8月、サックスと同じシングルリード型マウスピースを発音部に持…

  2. サックス 練習・レッスン

    大事な「耳チューニング」

    皆さんは練習を始める前、またステージの前、サックスのチューニングはどう…

  3. サックス 本体

    サックスにミュートはありますか?

    技術が進んだ現在、多くのサックス弱音器が発売されています。効果はそれ…

  4. サックス 演奏

    さあ、ITに頼ろう!

    皆さんはサックスの練習に、どんな機材や道具を使っていますか?メトロ…

  5. サックス 本体

    サックスとクラリネットはどう違うのですか?2

    前回はクラリネットとサックスの違いの素材とメカニズムのことを話して終…

  6. サックス 練習・レッスン

    「#吹いてみた」の作り方

    新型コロナウイルスの脅威が未だ収まらない昨今、ネットには「#(ハッシュ…

previous arrow
next arrow
Slider

最近の記事

アーカイブ

2025年5月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
PAGE TOP