サックス お手入れ

リークライト、持ってますか?


サックス吹きたるもの、自分のサックスの健康は、ある程度自分で管理するべき、というのが私の持論です。もちろん故障の修理は信頼できるリペアマンに任せるのが得策ですが、自分の吹いているサックスの細部まで観察し、状態を把握し、どこがどうなると、どうなってしまうのかは理解しておいたほうが良いと思います。とは言いつつも、「余計なことはしないほうが良い」とも多くの方にアドバイスしています。サックス奏者の中には、非常にサックスの構造に詳しく、修理屋調整も自分でやってしまう方も少なくありません。ただしその程度や守備範囲は、やはりプロの修理技術者であるリペアマンのそれとはしっかり区別しておいたほうが良いでしょう。そんな、「自分でやる、サックスのお守りの範囲」についてお話したいと思います。
 「リークライト」というものをご存知でしょうか?最近ではネットオークションに出品されたりしているので、ご存知の方も多いと思います。LED電球を並べて「曲がる棒状」にしたもので、サックスの中に挿入し、サックスを内部から照らすライトです。サックスのトーンホールをパッドで閉じた状態で内部から光を照射し、光の漏れでパッドとトーンホールの隙間を見つけ出すための道具です。リペアマンの工房へ行くと、ほとんどの確立でこのリークライトを使ってトーンホールの隙間を探しています。サックスの修理や調整には必要不可欠な、基本中の基本の道具です。オークションでは数千円で出てますし、自作することも決して難しくありません。なので、このリークライトを持っているサックス奏者がいても、そう珍しくは無いと思います。しかし私は思うのです。「隙間を見つけたら、どうするの?」、と。
リークライトを使って、修理のアマチュアがトーンホールとパッドの間の隙間を見つけても、その隙間を塞ごうとして、キーカップの腕を曲げたり、シャフトを矯正したりするのは厳禁です。サックスの修理はそんなに単純なものではありません。隙間を塞ごうとして、逆に隙間が大きくなってしまう場合もありでしょう。ましてや、その見つけた「隙間」が楽器の調子に影響を与えているか否かも疑わしい部分です。「ミ」の音がちゃんと出ないとき、その原因が「ミ」のトーンホールとパッドの隙間である場合は実は稀です。サックスはあくまで「全体のバランス」で成り立っている楽器です。「自分でなんとかしよう!」、はあまりお勧めできません。
残り11名様 初夏のAIZENキャンペーン
スペシャル4大特典プレゼントキャンペーン開催中

詳しくはこちら

関連記事

  1. サックス 本体

    サックス入門定番ストーリー

    サックスは、「音楽を始める」のに非常に人気のある楽器ですが、最近は4…

  2. サックス 本体

    サックスの種類とその特徴は?

    多分、サックスほど同じ楽器で多くのバリエーションをもっている管楽器は…

  3. サックス アクセサリ

    マニア視点:スクリュー

    さて、サックスは600以上の部品で構成されていますが、そのかなりの…

  4. サックス 本体

    サックス解体新書:オクターブキー

    サックスという楽器は、かなり複雑なメカニズムを持っています。一般的なア…

  5. サックス 本体

    サックスの進化

    サックスという楽器は、1954年頃に発売されたセルマー社のマークV…

  6. サックス お手入れ

    床が濡れる、手が濡れる

    サックスを吹いていると管体内部に水分が溜まります。俗に「つばが溜まる…

previous arrow
next arrow
Slider

最近の記事

アーカイブ

2024年3月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
PAGE TOP