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2月 2017

Written By: sax on 2月 22, 2017 No Comment

サックスという楽器は真鍮等の金属で出来た、沢山の優雅な曲線で成り立っています。周りの光をその曲線が各所で反射し、複雑なメカニズムも細かく光を映し、その輝きは本当に美しく、誰もが魅了されます。しかしそれゆえに、「へこみ」に弱いことは、サックス奏者の誰もが熟知している事実でもあります。ズボンのベルトのバックルが少し当たっただけでも、サックスのボディはうっすらと凹んでしまう場合もあります。さあて困ったものです。管楽器の「凹み」は、サウンドに影響のない些細なものであっても、下取りの際には大きなマイナス査定ポイントとなります。管楽器販売関連の多くのプロがやっている、凹み確認のマル秘技をお教えしましょう。
 楽器屋さんやリペアマンさんが、白い布手袋をはめて楽器を触るのを見たことがあると思います。もちろんこれはご想像通り、手の油が楽器の表面に付着し、表面を汚してしまうのを避けるのが第一の目的です。しかし、手袋をはめていると良いことがもうひとつあるのです。それは、「楽器の表面の凹凸が細かく感じられる」、ということです。どこでも見る白い薄手の布手袋は、最近では100均でも買えますし、化粧品屋さんや薬局でも買えます。高額なものではないので、サックス奏者は是非この手袋を常備してください。この布手袋をしたうえで、自分のサックスのネックや、ボディのあらゆる部分を撫でてみてください。あらあら不思議、素手で触っても分からなかった凹凸が、手袋をすると非常に細かく感じられるのです。肉眼と素手ではまったくわからない、ネックのほんの少しの凹みでも、手袋越しに触れると、嘘のようにはっきりと分かります。光を映してみても分からなかった凹みや表面のうねりが、くっきりはっきりと指で感じることができます。

 この「技」でしか分からないような些細な凹みや歪みは、一般的にはサックスのサウンドにほとんど影響を与えません。ですので、自分の楽器を自分で演奏している分にはさほど必要な確認ではないでしょう。しかし、楽器を借りて演奏する場合や、逆に貸し出すときに、その楽器の状態をつぶさに確認するには役に立つでしょう。また、「音程がなんかおかしい。ネックが曲がっているのかな?」、なんてときに手袋をしてネックを擦れば、曲がって楕円になったネック管体が感じられるでしょう。また、中古楽器を購入するときの状態確認にも良いかもしれません。特にヴィンテージサックスなどでは、塗装が剥げたり、錆で表面が荒れていたりしているので、目ではなく、指で凹みや歪みを確認することは大切です。凹みを修理で直した後の微細な膨らみも感じることが出来るかもしれません。手袋をして愛器を撫でる。試してみてください。

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Written By: sax on 2月 15, 2017 No Comment

サックスのマウスピースの材質は多種多様です。昔ながらのハードラバー(エボナイト)製。メタル素材では一般的な真鍮ばかりでなく、ステンレススチールやアルミニウムが使われているものもあります。新しい合成樹脂素材ではABS樹脂やアクリル、ポリカーボネート等も使われています。サックス奏者にとって音の根源であるマウスピースは、自分のサウンド作りに欠かせない大切な部品です。価格も超高価なヴィンテージの逸品や、職人のハンドメイドもの、精密加工機で製作される現代的な名品と、マウスピースを選ぶのは本当に大変です。この大事なマウスピースの「寿命」って考えたことがありますか?
 結論から先に言えば、「マウスピースには寿命があります」。サックスの演奏中、マウスピースはリードの振動とともに「震えて」います。しかもマウスピース全体に均一な振動をしているのではなく、先端、リガチャー接触部、シャンク(ネック接合部)では異なる振動をしています。この部分的に異なる振動はねじれを生み、マウスピースの各部に「ストレス」を与えます。ストレスはマウスピースの材質の強度に細かな変化を与え続け、最終的には「振動する構造としての機能不全」を起こします。簡単に言えば、「マウスピースは長年吹き続けることによる振動の蓄積で、いつか鳴らなくなってしまう」、ということです。 しかし、その寿命は素材の初期状況や演奏の際のストレスの大小、演奏の頻度等、多くの要素が絡み合うので、何時間、何年間でマウスピースが寿命を迎えるのかはまったく予測することは出来ません。また寿命があると考えると、寿命に向かって徐々に変化をして行くわけで、その変化を「熟成」や「成長」と捉えることもできます。新品のマウスピースがある状態に変化し、そのサウンドが変わって来た時、あるプレーヤーは、「このマウスピースは死んだな」と言い、別のプレーヤーは、「やっと枯れて来た」と言うかもしれません。

 50年以上前に製造されたヴィンテージマウスピースが、市場で高価で取引されています。 「腕の良い職人によって作られた名作は、50年以上経ってもその時代の音で鳴ってくれる」、というのは間違いです。マウスピースの材質は、どんなものでも「経年変化」します。完全に昔と同じ音では無いはずです。それでも「良い音」なのは、良質なマウスピースは良質な変化をする、ということです。奏者が受け入れられる上質な変化は、決して「死への過程」ではなく、むしろそのマウスピースの「味」や「性格」でしょう。
 このように、何もしなくてもマウスピースは歳を取ります。ましてや傷や欠け、ショックによる内部刺激は、その機能にダメージを与え、本来のサウンドが出せなくなってしまいます。マウスピースを大切に扱い、その変化に寄り添い、長く付き合ってください。

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Written By: sax on 2月 8, 2017 No Comment

サックスプレーヤーの皆さん、サックスのサウンドや吹奏感は、口に近い部品ほどその影響が大きいと言われています。マウスピースやリガチャー、リード、高価なところではネック等のパーツには、多くのサックス奏者の皆さんがこだわって、かつお金を掛けていることでしょう。しかし、何か忘れていませんか。あれです、マウスピースのキャップです。「だって、吹くときには外しちゃうから、サウンドに関係ないじゃん。」、とお思いでしょう。確かにキャップは演奏時には外してポケットに入れたり、その辺に置いておいたりします。あまり目立たない存在です。でも、もしあなたのマウスピースキャップがこんなだとしたら、ちょっと放っておけないと思います。
 「マウスピースに被せると、キャップがリードに触る」。致命傷です。キャップが必要以上に深く被さるようになっていると、当然ながらキャップの天井がリードやマウスピースの先端にあたっている場合があります。 リードが損傷し、マウスピースの先端が傷付きます。天井に穴が開いているキャップなら目視で注意できますが、塞がっているタイプなら、マウスピースに被せてみて底の位置をチェック、キャップを被せずに横に並べてその位置に合わせましょう。キャップの天井からマウスピースの先端が、数ミリ以上離れていればOKです。「リガチャーやマウスピースを擦ってしまうキャップ」。意外と恐ろしい結果が待っています。マウスピースの直径や形状に対し、口径が狭く、かつ金属製のキャップでは、キャップをマウスピースに被せる度に、マウスピースの外周をキャップの端で擦って傷つけてしまう場合があります。価格の安い金属キャップは、開口部の内側が尖っている(やすりで丸く加工されていない)場合が少なくおりません。大事なマウスピースやリガチャーが傷だらけ、という事になりかねません。「リードの面に触るキャップ」。無さそうでたまにあるキャップの不具合です。マウスピースのテーパー(次第に細くなる形状)の角度、使用しているリガチャーの厚さ等が悪さをし、キャップを被せると、マウスピースに対し曲がった角度で入っていき、キャップの内部がリードに、特にリードの先端平面部に擦れてしまう場合があります。このような場合には横から見るとキャップが異常に上を向いているので、ちょっと注意深く観察すれば気が付くでしょう。

 慎重派のサックス奏者は、マウスピースを仕舞う際、マウスピースにガーゼ等を数せてからキャップをし、全体をクロスで包みます。マウスピースの先端を守るためです。同様に、ダメになったリードをリガチャーに装着し、その先端をマウスピースの先端より外に出るようにしてキャップをするのも良いでしょう。キャップでリードの乾燥を防ぐプレーヤーも沢山います。穴の開いたキャップの穴をテープ等で塞いでしまえば、リードが空気に触れて乾燥するのを防ぐことができます。またキャップ内に湿った紙や布を張り付けているプレーヤーもいるようです。キャップって、大事でしょ?

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Written By: sax on 2月 2, 2017 No Comment

サックス細かすぎるポイント第?段!誰も教えてくれないのに、サックス奏者は皆しなければならない事。でもそんなに頻繁には必要ない。何でしょう?ネックコルクのグリシングです。つまりコルクグリスの塗り方です。ええっ?そんなとこまで気を使うの!ってレベルでコルクグリスについてお話しします。
 最近のコルクグリスは、くり出し型のリップスティックタイプになっており、クリクリと筒から少し出して、そのままネックコルクに塗れるようになっています。しかしそのやり方は「×(バツ)」です。グリスがコルクの上に「置かれている状態」にしかならないので、マウスピースを挿せば、グリスは剥がれてしまいます。コルクにグリスを塗った後、親指と人差し指でゴシゴシと、グリスをコルクに「擦り込んで」ください。コルクにグリスを浸み込ませることで、コルク表面の滑りを長期間キープすることができます。この「擦り込み」の際は、コルクグリスの粘度が低いほうが良いでしょう。温度が低くてグリスに「粘り」が多いと、コルクへの浸み込み具合が低くなります。息で温めるだけでもグリスはかなり溶けますのでお試しを。
 グリスはコルクの全体に塗る必要はありません。マウスピースをネックに挿す際に、マウスピースのシャンクがスムースにネックのコルク部で滑ってくれるようにするのがコルクグリスの役割です。ネックコルクの先端1/4ほどはグリスを塗る必要はありません。逆に先端までグリスを塗り過ぎると、ネックの先端からグリスがネック内部に入り込み、埃を吸着して汚れの原因となりますので注意してください。ネックコルクにグリスを塗り、ネックをマウスピースに差しこむと、余分なグリスがマウスピースの後端に溜まります。この余分なグリスは乾いた布やティッシュで必ずきれいに拭き取りましょう。
 グリスはサックスにとって、実は好ましいものではありません。粘着性のあるオイルですので、ほんの少しでもそれがサックスのどこかに付着すれば、埃がそこに吸着し、汚れとなります。可動部であれば、グリスに付いた埃は「やすり」のように部品を摩耗させ、故障の原因となります。クロスで拭き取っても、グリスは薄く広がるだけで、溶剤を使わなければ完全に拭き取ることは出来ません。コルクグリスを扱うときは、ネックコルク以外のいかなる部分にも絶対に付着しないよう、細心の注意を払ってください。また「滑らす」という効果はグリスだけでは完全に発揮できません。グリスを塗ったコルクの上に水分があると、マウスピースが良い具合に滑ってくれます。マウスピースをネックに挿すときに、コルク表面にハアーっと息を吹きかけたり、ぺろっと舐めたりして湿らせると、スルッと気持ち良く差し込めます。是非お試しを。

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