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7月 2016

Written By: sax on 7月 26, 2016 No Comment


サックスに限らず、楽器奏者の最終目的は、立派なステージで大勢の観衆の前で演奏することでしょう。とはいえ、いつもそんな「ハレ」の舞台ばかりではないと思います。忘年会・結婚式の余興や、内輪のパーティーでの演奏、ひどい場合は飲み会の席で突然の指名、なんてことも無い訳ではありません。学校や職場のまわりのひとが、あなたがサックスをやっていると知っていると、こんな厄介なケースが多々起きるものです。ライブやコンサートなどのちゃんとした演奏ではない、「サックス宴会芸」のテクニックについてお話しましょう。
 宴会芸としてのサックス奏者の最重要ポイントは、「素早い立ち上がり」です。お座敷やパーティーではリハーサルもないし、楽器のウォーミングアップの時間もありません。下手をすれば、楽器を組み立てている時間さえ、周りに「ブーブー」言われてしまいます。サックスのクイックセッティングには人工リードが最適です。天然リードと違い、リードを湿らせるというウォーミングアップをまったく必要とせず、マウスピースにセットした瞬間に100%の実力を発揮してくれる、宴会サックスには最高の武器です。マウスピースを仕舞う際に人工リードをセットしておけば、「吹いてよ!」のリクエストに対し、リードセットの時間すらも省けます。宴会サックスではサックスのチューニングも速攻でおこなう必要があります。いつもの適正なチューニングをした際のマウスピースの位置を、ネックのコルクにサインペンで線を引いてメモしておきましょう。マウスピースをその位置に「ズボッ」と差せば、ほぼ完ぺきなチューニング、という位置です。コンサートやライブではありませんから、微妙なピッチの違いはたぶん気付かれません(汗)。そうそう、マウスピースやストラップ、リード等の小物はケースの中か、ケースのポケットに収納しておきましょう。別のかばんの中に仕舞ってあると、これも時間のロスになります。

 宴会サックスのクイックセッティングの次は、宴会サックス奏法です。何も考えずにいつものように演奏するだけでは、宴会でヒンシュクを買うサックスの吹き方があります。それは「でかい音」です。サックスという楽器は、奏者が考えている以上に大きな音がします。ライブ会場やコンサートホールでは、音が散ってさほど気になりませんが、宴会やパーティーの会場のような小さな部屋では、サックスの音は「轟音」です。天井の高い吹き抜けのホールのような場所でもない限り、音量はp(ピアノ)かmp(メソピアノ)で十分です。演奏曲目?それはあなたの腕と趣味にお任せします。楽しい宴会を!

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Written By: sax on 7月 19, 2016 No Comment


楽器を演奏するひとは、必ずと言って良いほど「座右の書」を持っています。「毎日の練習で、必ずこの本のエチュードでウォーミングアップする。」とか、「サウンドに迷ったら、この本を読み返して自分の演奏法をチェックする。」、というような、楽器演奏のための心の支えとなっている教則本が有ります。今日は名著と呼ばれるいくつかの教則本を紹介しますが、決して宣伝ではありませんので、実際に自分の手に取り、自分に合っていると思ったらお試しいただければ良いかもしれません。
 ジャズサックス奏者に限らず、クラッシック系、ポップス系、ジャンルを超えたサックス奏者に支持されているのが、歴史的なサックス奏者、デーブ・リーブマンによる「サクソフォーン上達法」です。原題は「DEVELOPING A PERSONAL SAXOPHONE SOUND」というタイトルで、サックス奏者が自分のサウンドを論理的に構築していくための方法が記されています。決してサックス入門書ではありませんが、サックス経験の浅いプレーヤーでも十分に理解でき、かつ練習に生かせる記述に溢れています。楽譜こそありませんが、こういう演奏のためには、こういう練習や考え方が必要、というような、目的と手段を明確に提示している教本です。次は、ラリー・ティール著「サキソフォーン演奏技法(The Art of Saxophone Playing)」です。アメリカにおけるクラシックサックスのパイオニア的存在であるラリー・ティール Larry Teal(1905 – 1984)の著作です。「サックスがどうして音が出るのか」、から、「アンブシャの機能」、「サックスの練習法」など等、サックスのすべてに渡る知識を懇切丁寧に、かつ理論的に解説してある名著です。どんなレベルのサックス奏者に対しても、演奏や練習のヒントとなる基本的な示唆や情報が随所にちりばめられています。クラッシックやジャズというジャンルを超えたサックスの解説書です。ちょっとマニアックかもしれませんが、シガード・ラッシャー著「サウンド・メイクのための トップ・トーン・フォー・サクソフォン」も紹介しましょう。この本は、フラジオと呼ばれるサックスの高音域の演奏手法、運指を解説したものですが、この本に記述されたプロセスを実行し、サックスの倍音を理解し、コントロールすることで、サックスのサウンド作りの基本が会得できる本です。

 練習用のエチュードやスケールパターンの名著も数多くあります。伝説のジャズサックスプレーヤー、オリバーネルソン著の「Patterns for Improvisation」はジャズのアドリブに必要なコード進行を、メジャー、マイナー、ホールトーン、ディミニッシュ、トライトーンなどを用いた、あらゆるパターンを記したフレーズ練習本です。発刊後50年を超える古典ですが、ジャズサックス奏者には基本中の基本だと思います。年配のプレーヤーには発刊当初のタイトル、「Pattern for Jazz」で通っています。同じく名サックス奏者、ジャッキー・マクリーン著、「Daily Warm-up Exercises for Saxophone」もお勧めです。単純なフレーズ集ではありますが、何百回も反復し、身体に覚えさせる価値のある基本フレーズばかりです。滑らかに各フレーズが演奏できるようになれば、もう上級ジャズサックス奏者でしょう

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Written By: sax on 7月 12, 2016 No Comment


楽器の構造上、弱音器の効果が少ないサックスの練習には、大きな音を出しても問題の出ない練習場所が必要です。ネックに細工をしたり、サックス全体を囲んでしまう弱音器も市販されていますが、演奏上の制限や、吹奏感の違和感が少なくありません。サックスの場合は、金管楽器の「プラクティスミュート(練習用弱音器)」のような必殺技はないので、勢い「練習場所探し」がサックス奏者の共通の問題です。練習用スタジオも数多く存在しますが、時間単位の価格や、予約の取り難さ等、安易に常用することは難しいのが現状です。そこで近年注目されている、サックス等管楽器の練習場所が「カラオケボックス」です。
 ボックスといっても大人数が入れる部屋もありますし、時間単位の使用料は練習スタジオに較べとても安価です。施設の数がスタジオとは段違いに多いので、思い立った時に気軽に使用できるのも魅力です。スタジオと違って、練習中の飲食も可能ですので、長い時間の「籠り練習」にも便利です。ただし難点も無い訳ではありません。まず、「管楽器の練習はご遠慮ください」というお店もあります。防音設備の都合で、楽器の音が他の部屋に漏れ、「歌」のお客様に迷惑がかかる、という理由が多いようです。また、「カラオケで歌うことを楽しむ」ため、部屋にはソファーとテーブルが常備されているのが普通です。座ってサックスを吹けるような椅子や、譜面台の上の楽譜を見ながら演奏練習をするには、多少スペースのアレンジや、工夫が必要となる場合もあります。長いソファーでは、足の右側にサックスのスペースが取れないので、極端に左を向いて座り、左足はソファーの上で「あぐら」、右足は「ソファーに座っていない」、というような座り方が良いでしょう。この場合、ソファーの前ピッタリに譜面台を置けば、譜面を見ながらサックスを「座奏」することができます。しかし、ソファーのすぐ前にテーブルがあるとこの座り方は困難です。このあたりは練習スタジオには勝てませんね。

 音楽練習スタジオでは、模範演奏やマイナスワン音源を聞きながら練習できるよう、CDやポータブルオーディオが接続できる音響装置が設置されています。またその装置を使って、自分の練習の音を録音することも可能なようになっています。カラオケボックスではこのような専用の装置はありませんが、カラオケのマイクのジャックにポータブルプレーヤーを接続したり、エレキギターが接続できるカラオケセットもありますので、ちょっと工夫すれば「聞きながらの練習」は可能かもしれません。カラオケセットを壊してしまう場合もありますので、音源を接続する場合はお店の方に相談しましょう。
 カラオケボックスは残響が大きいので、自分の楽器の音のサウンドチェックには不向きです。サウンドチェックや音質のコントロールの練習は、やはり練習スタジオや、広い屋外の河川敷などでおこなったほうが良いでしょう。

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Written By: sax on 7月 5, 2016 No Comment


最近のサックスのケースは本当に多様です。伝統的な箱型のケースでも、樹脂を使った驚くほど軽いものや、ジュラルミン等の金属素材で強度を上げ、空港での手荒い荷扱いでも中のサックスはビクともしないものもあります。布や革製のソフトケースも多種多様です。パック型とかコンツアー型と呼ばれる、サックスの外形にぴったりフィットした小型軽量なケースも人気です。ケースの内部も良く考えられており、パーツや小物類の収納性も高いモノが多いようです。しかし、ここで一言。便利な最新式のケースゆえに、「言われた通りの使い方」をしてませんか?サックスケースはサックス奏者の荷物のひとつです。もっと自分流に、便利に使えないでしょうか。

 皆さん、テナーサックスのケースにはテナーサックスを入れていると思います。でもこれは、そのケースが「テナーサックスのために設計された」だけなのではないでしょうか?便利ならば何を入れても良いのではないでしょうか。先日ネット上で、「テナーサックスのパックケースに、アルトサックスとクラリネットを収納している」写真を見かけました。いやあ、目からウロコですよね。また、私の友人のテナーサックス奏者は、3分割したフルートを丁寧にクロスで包み、テナーサックスのベルの内部に入れて運んでいます。パックケースなので、ベル内部から追い出されたネックは、別のカバンに入れています。サックスのベル内にはネック、マウスピース、スタンド、譜面等、あらゆるものが入れられます。楽器自身を傷付けなければ、かなり有効なスペースです。バリトンサックスのベル内は相当な収納力がありますね。収納力の高い箱型のケースなら、小物用のスペースに何でも入ってしまいます。テナーサックスの箱型ケースなら、フルート、クラリネット、ピッコロをそれぞれケースから出して、バラでクロスで包むことで、楽に全部収納出来てしまいます。ケースの収納力はアイデア次第でどうにでもなります。
 収納力の向上だけでなく、運び方も工夫で改善できます。リュックタイプではないサックスケースの周りをナイロンベルトで縛り、そこにストラップを付けて「リュック型に改造」した例も良く見かけます。こういう工夫で重要なのは、そのケースに取り付けられた「ストラップ固定金具」の位置や丈夫さです。ひとつの金具に想定以上の重さがかかると、金具がケースから外れてしまったりするので注意してください。固定ベルトやフックの強度も重要です。

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