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4月 2019

Written By: sax on 4月 24, 2019 No Comment

スタン・ゲッツは1927年、ペンシルベニア州フィラデルフィア生まれのジャズテナーの巨人です。誰もがその名前を知る、「ザ・ジャズマン」ですので、彼について語れる逸話は星の数ほどあるのですが、今日は「フォー・ブラザース」、「ドラッグ」、「ボサノヴァ」の三題噺でまとめてみます。
 ジャズの歴史において、「ユダヤ系ジャズマン」は才能ある演奏者のひとつのグループとして分類されています。ゲッツはユダヤ系ウクライナ人移民の家庭に生まれたユダヤ系ジャズマンで、ピアノのビル・エヴァンス、アルトサックスのリー・コニッツ、スイングの帝王ベニー・グッドマン、またビッグバンドの巨匠ウディ・ハーマンも「ユダヤ系ジャズマン」です。ゲッツがベニー・グッドマン楽団やウディ・ハーマン楽団で鍛えられ、頭角を現したというのは、そんな「出自」が関係していたのかもしれません。スタン・ケントン楽団やトミー・ドーシー楽団といった一流バンドで経験を積み、ベニー・グッドマンに移った頃のゲッツは、当時の最先端ジャズ「ビ・バップ」に傾倒し、チャーリー・パーカーのフレーズの研究等に時間を費やしたそうです。そしてウディ・ハーマン楽団で方向性を同じとする先進の若手サックス奏者とともに、伝説の「フォー・ブラザース」を録音します。「フォー・ブラザース」のサックス・セクションは、スタン・グッツ、ズート・シムズ、ハービー・スチュワードの3人のテナーサックスにバリトンのサージ・チャロフという、アルトレスの斬新な編成で、中低域が分厚い、独特のファットなサウンドで人気を博しました。この曲はビッグバンドのサックス奏者にとって、ゆるぎない至高の教材として頻繁に演奏されています。

 次にゲッツのドラッグ歴です。スタン・ケントン楽団時代に若くしてヘロインに手を出し、ウディ・ハーマンのビッグバンドで有名になった頃には立派な中毒患者でした。26歳でモルヒネ欲しさに強盗未遂事件を起こし逮捕され、半年間の麻薬刑務所暮らしを送ることになります。その後、麻薬に代わってアルコール依存に悩まされつつも演奏活動を続け、闘病生活を続けた末に1991年、64歳で肝臓癌で逝去しました。ゲッツにとって不幸だったのは、彼の演奏がドラッグや酒の依存症による衰退を周りに感じさせなかったことでした。もちろんそれらのせいで彼の精神と肉体は蝕まれ、生活も荒れていましたが、彼としては良い音楽を生みだせればそれで良かったのでしょうか。同時代のプレーヤー達の中では、「人としては最低の人間」とのゲッツの評価も少なくないようです。
 そして「ボサノヴァ」のゲッツです。一時期ほとんど引退状態でスウェーデンに移住していたゲッツはアメリカに戻り、「ボサノヴァ」の生みの親のひとり、ジョアン・ジルベルトと、彼の奥さんアストラッド・ジルベルトとともに、「ゲッツ/ジルベルト」を発表します。これが大ヒットし、ゲッツは再び脚光を浴びることとなりました。そのヒットには「ボサノヴァ」という目新しい音楽の効果もありましたが、ジャズマンとしてのゲッツの高い音楽性があってこそのものでした。甘い歌声にからみ付く、寄り添うようなオブリガート(合いの手のメロディ)は、ゲッツならではの音楽世界が作られています。スタン・ゲッツはあらゆる意味で「超人」です。

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Written By: sax on 4月 17, 2019 No Comment

アルトサックスなら安いもので5、6万円、標準価格帯で20万から40万円、文句無しのプロモデルなら50万から100万円あたりと、サックスの価格は本当にピンキリの幅が大きいです。この価格差は楽器設計の形態や製造方法、材料、検品・調整の方法、品質管理の体制など、とても複雑な要因の積み上げから発生しているとは推察されますが、果たしてその価格差が、ダイレクトに演奏者のための品質の差になっているかは意見が分かれるところでしょう。今日はその価格差の一つの要素、「部品の質」について考えてみましょう。
 まずは「ばね」。サックスにはニードルスプリングと呼ばれる針状のバネが、全体で数十本使われています。ニードルスプリングは、サックスの操作性や機能を支える、非常に重要な部品です。ステンレスや鋼鉄、炭素鋼等で作られており、たかが「ばね」ですが、高性能なほど高価です。安価なサックスには銀色のステンレスばねが使われていることが多いようですが、高価なモデルには硬鋼線を低温焼き鈍し(テンパー処理)した、青みがかった黒色のばねが使われています。このばねは焼き鈍し処理によって独特の青みが出るため、ブルースプリングとも呼ばれ、均一で強い弾性とへたり難い耐久性が特徴です。質の高いニードルスプリングは、小さなたわみでもしっかりとした反発弾性を持つため、繊細で応答性の良いサックスの操作が実現します。

 次に気になるのがパッド(タンポ)の品質です。サックスのタンポの構造は、基本的に台紙と呼ばれる丸い紙に、中綿となるフェルト、これを包み込みこむように皮が張られ、プラスチックや金属のリゾネーター(ブースター)と呼ばれる円盤状の板でそれらを止めています。皮には合成皮革、羊やカンガルーの天然皮革等が使われ、ほとんどの場合防水加工されています。高価なパッドはきめの細かい柔らかな皮で、トーンホールの密閉性を高めます。またリゾネーターには、プラスチック、メタル等の材質のバリエーションとともに、形状のバリエーションもありますので、メーカーや奏者のサウンドヘの意向に応じた、様々な仕様のパッドがあります。ピゾーニ、シャヌー、ミュージック・メディック、ヤマハ等がパッドブランドとして有名です。パッドはあくまで消耗品ですが、低品質なものは早期に硬化して密閉性が劣化したり、破損したりします。高価なパッドは比較的長持ちしますので、結果として経済的とも言えます。
 コルクもサックスの重要な部品の一つです。コルクは地中海性気候を好むコルクガシという植物の樹皮です。自然材ですので採取する樹木の生育状態、また採取時期によってその品質は大きく変わります。適切な条件の下で採取されていないコルクは、そのクッション性にムラがあり、曲げるとすぐに割れてしまうという、サックスの部品としては適当でないものも少なくありません。節が多く、明らかに断層があるのがそんなコルクです。また細かいコルクのフレークを高圧で固めた圧縮コルクというものもあります。これもサックスの部品としては不向きです。最近では化学樹脂で作られた合成コルクもサックスの部品として使われている場合もあるようです。「部品うんちく」でした。

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Written By: sax on 4月 10, 2019 No Comment

偉人と呼ぶにはあまりに若いかもしれませんが、日本ジャズ界の歴史に残るサックス奏者だと確信しています。その人の名は寺久保エレナ、1992年4月30日北海道札幌生まれの26歳のアルトサックス奏者です。ついこのあいだ、高校を卒業してバークリー音楽院に入学したと思っていたら、いつの間にかこんなに大人になっていました。
 ニューヨーク在住のジャズサックス奏者、寺久保エレナの音楽人生は「神童」から始まりました。19歳のときM&M’s(チョコレート)のサックスを持ってる人形をもらって、それがカッコいいな~と思い、それで両親がジャズのライブに連れて行ってくれて、そこからジャズとサックスにハマリました」、とサックスとの人生を早くにスタートしました。12歳で地元札幌のSJFジュニアジャズオーケストラに入団。中学生のときにピアノの山下洋輔に見い出され、新宿ピットインで共演。17歳でボストンバークリー音楽院サマープログラム「Jazz Work Shop」に選抜され5週間のボストンでのキャンプに参力。その翌年にはなんとキングレコードからアルバム「NORTH BIRD」でメジャーデビュー。ピアノに帝王ケニー・バロン、ベースはクリスチャン・マクブライド、ギターにピーター・バーンスタイン、ドラムはリー・ピアソンという最強のリズム隊の共演でニューヨークにて録音。このときはまだ高校3年生です。同年に東京JAZZ 2010で、ロン・カーター(b)、オマー・ハキム(ds)、ウィル・ボウルウェア(pf)と共演。高校卒業直後の2011年6月にはケニー・バロン、ロン・カーターらを迎えた2ndアルバム「New York Attitude」をリリースし、その年の9月、バークリー音楽院に日本人初のプレジデンシャルスカラーシップ生として入学。なんと授業料も寮費も全部免除の特待生です。バークリー在学中に、2012年にはプレイボーイ・ジャズフェスティバル、モンタレー・ジャズフェスティバル、ボストンでのビーンタウン・ジャズフェスティバル等に出演し、その年「New York Attitude」をリリースし、北米デビューを果たしました。2013年(21歳)にはもう自己のカルテットでブルーノート東京に出演と、学生時代からとんでもない活躍ぶりです。バークリー卒業後は拠点をニューヨークに移し、世界中で活躍し、2018年には5枚目のアルバム「リトル・ガール・パワー」をリリースしています。

 寺久保エレナは早熟なだけではありません。日本人には稀な、卓越したグルーヴ感を有し、バラードから撃速テーマまで、バップからファンクまで、あらゆる形の音楽で、「自分のサウンド」を存在させ続けることの出来る、唯一無二の個性を持ったサックス奏者です。彼女は現在セルマー社と契約し、同社のリファレンスモデルを使用していますが、小さい頃のヤマハやその後のヴィンテージマークⅥ時代と、ほとんど音が変わっていない感じすらします。雑誌のインタビューに、「新しい音楽は、新しい楽器でやるほうが向いてる気がする。」と答えています。どんな楽器でも、彼女の切れ味の良い、芯のあるサウンドは、まさに彼女だけの「オンリーワン」のサウンドのだと思います。

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Written By: sax on 4月 3, 2019 No Comment

最近のサックスケースは、スリーウェイという、手持ち・肩掛け・リュック背負いの3種類の「持ち方」が出来るものが多いようです。PROTEC製のケースシリーズでは、「バックパックストラップ」という別売のアタッチメントが有り、そのアタッチメントを追加購入すれば、ケースが背負えるように変身します。とはいえ管楽器の基本ケースである箱型ケース、セルマーの超軽量パックケース、フライトケース、SKB、Walt Johnson、Winter等のメーカーのシリーズには、背負えるようになっていないものもあります。肩掛けケースをたすき掛けに背負って両手を開ける、というサックス奏者もよく見かけますが、これも軽量のアルトまででしょう。サックスケースをリュックのように背負って、安定した状態で両手が空くのは魅力的です。また重量のあるサックスケースでも、両肩と背中で重量を受け止めれば、かなりの重さでも苦にならずに移動できます。「自分のケースを背負いたい、でも出来ない」、という悩めるサックス奏者に秘密の情報(?)をお教えします。

 楽器の関連製品や付属品は、その楽器の「使用人口」が多いほど多種多様で安価なものが出回っています。世界中で一番演奏者が多い楽器、「ギター」の世界に救世主がいました。「ケースサドル」とか「ケースポーター」と呼ばれる製品です。アコースティックギターのハードケースは「丈夫で重い」の典型です。しかしとんでもない金額のブツも少なくない「ギター」という楽器の世界では、「軽い?持ち易い?いやいや、重くても持ち難くても結構。丈夫が一番!」というプレーヤーが少なくありません。そんな重くて丈夫なケースを、なんとか楽に運びたいと考え出されたのが「ケースサドル」です。サドルとは馬の鞍のことですが、鞍のようにギターケースに縛り付けて固定します。ギターケースの首の部分を締めるようにベルトを巻き付け、ケースの下の部分は相撲のまわし(ふんどし)のようにT形のベルトで固定します。そうしてギターケースに固定された「鞍」には、リュック用のショルダーベルトが二本生えている。幅広のナイロンベルトと、よく考えられたバックルによって、固定した後はぴったり密着しズレることはありません。取り付けられたギターケースを正面から見ると、「むち打ち症のお相撲さん」と見えなくもありませんが、ごついギターケースがこれで背負えるようになったのですから、文句は無いでしょう。このアタッチメントはギター業界では普通に知られた製品のようです。
 なんとサックスケースにもこの「ケースサドル」は使えます。要は「首」と「お尻」があれば、すべてのケースにケースサドルは取り付けられます。ベルトは伸縮自在だし、取り付け時の締め込みも特性バックルでばっちりです。バックルにセーフティボタンが付いていて、バックル部が不用意にどこかにあたっても、決してバックルが外れないようになっています。箱型ケースならアルトサックスからバリトンまで使えそうです。フライトケースのようなパック型サックスケースや、Winterのバリトンケース等にも結構上手く取り付け出来ます。検討する価値はあると思います。

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