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10月 2017

Written By: sax on 10月 18, 2017 No Comment

前回はリガチャーの一般的な特性についてお話ししましたので、今回は実際にリガチャーを 「選ぶ」際の注意点についてお話しします。
 新しいリガチャーを選ぼうとしているということは、今使っているリガチャーヘの不満があるという事です。はっきりした不満は感じていなくても、「何か音がぼやけている気がする」、「マウスピースの性能が十分出ていない気がする」等の、もやっとしたものかもしれません。少なくとも今使っているリガチャーがマウスピースに付属の物だったり、出所不明の雑な造作の物だったりする場合は、市販の個別売りのリガチャーに交換すれば、たとえそれが高価なものでなくても、ほぼ確実にサウンドは改善すると思います。良いリガチャーはサウンドばかりでなく、吹奏感も改善します。息が通り易く感じたり、少ない息で十分な音量を出せたり、音の強弱のコントロールがし易くなったりします。しかしここで、「わー、最高!このリガチャーにしよう。」、と決めてしまうのは考え物です。何故なら、普通のリガチャーを使えばみんなそうなるからです。要は今まで使っていたリガチャーが「ちゃんとしていなかった」だけなのです。リガチャー選別において、多くのサックス奏者がこのギャップに魅せられて、必要な検討にまで至らずに新リガチャー購入を決めてしまう傾向にあります。そしてそのリガチャーを使っているうちに、また新たな不満に気づき違うリガチャーを検討する、というリガチャー探しの無限ループに入り込んでしまいます。もちろん、息が通り難い、息のパワーを取られる、音の強弱のコントロールがし難い、なんて感じるリガチャーは論外ですが、その上にある「サウンドの改善」という目標を忘れないでください。もちろん、その目標があるならばですが…。吹奏感の改善目的でリガチャーを新調するのを否定するわけではありませんが、せっかくの高額な買い物ですので、サウンドの改善を目論まない手は無いと思います。現状のサウンドへの不満を思い返し、それを改善するリガチャーを、試奏を録音するなどして慎重に選んでください。
 リガチャーの交換で期待できるサウンドへの変化はいくつかありますが、そのひとつに 「音の濁りを取る」があります。なにかもっさりと濁っているサウンドが、適切なリガチャーを選ぶとすっきりとクリアな音になります。メタルマウスピースであれば、「共鳴する」リガチャーを使うことでサウンドの輪郭を増強することが出来ます。ラバーマウスピースであればベルト系のリガチャーで「倍音を整理」してサウンドを整えるのも良いでしょう。リガチャーで「音を明るく」することも出来ます。クリアと明るいは同一線上ですが別問題です。倍音豊かに響くリガチャーを探す訳ですが、この倍音構成(サウンドカラー)は奏者の好みです。リガチャー特有の個性を較べながら探してください。「音を締める」ことにもリガチャーが貢献できます。マウスピースを均一に振動させることでこの効果が出ますので、あまり共鳴しないリガチャーが良いでしょう。マウスピースが明る過ぎるサウンドなら、リガチャーで高音域の倍音を抑え込んで、「ダーク」にすることも可能です。このような、「方法」と「結果」を考えながら、リガチャーの選択をすることをお勧めします。
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Written By: sax on 10月 11, 2017 No Comment

サックス奏者の特徴というか、宿命(?)が「セッティングの試行錯誤」です。マウスピースやネック等の部分の交換。サムレストやサムフック、ネックスクリュー等の部品の交換…。ストラップやクリーニングスワブ、リードケース等の周辺小物の検討…。お金と根性の続く限り、サックス奏者の「果てしのない旅」は続きます。その中でも一番「病気にかかり易い」のが「リガチャー」ではないでしょうか。千円前後の超安価なものから、数万円の「猛者」までバリエーションが多数あり、かつ見た目のアピール度も千差万別。はたまたサウンドへの影響も多大と来たら「病気」にならない訳がありません。そんな病気にお役にたてるかどうかは分かりませんが、リガチャーを理解するための、その仕組みについてお話しします。
 リガチャーの基本機能は単純です。リードをマウスピースに固定して、リードが安定的に振動して音を出せる環境を作るのがリガチャーの仕事です。リガチャーの原点は、「紐でぐるぐる巻きにして縛る」でした。それが「輪っか」型の金属ベルトをネジで締める形に変化し、ネジを上側にした「逆締め」が登場、またオットーリンクのリガチャーのようなネジでリードプレートを押し付けるタイプなども出てきました。リガチャーの構造による機能性は各々特徴がありますが、重要なのは「リードを均一な力でマウスピースに押し付けて固定する」ことです。どんな優秀な機構のリガチャーでも、無造作にセットすれば均一性や安定性が得られません。順締めリガチャーならギャップはリードの真ん中にしましょう。逆締めリガチャーは、左右からのベルトの力が均一になるよう、指でリードとリガチャーベルト部をしっかり押さえながら締めましょう。リードプレート型リガチャーでは、締めネジの中心がリードの中心とマウスピースの芯を貫くようにセットします。リガチャーがリードを最適に固定できるかできないかは、あなたの注意深さ次第です。ちゃんとセットすると、安価なリガチャーでも予想以上のサウンドが得られる場合もあります。
 リガチャーはリードを固定する以外に、「マウスピースの振動の手助け」という機能も持っています。マウスピースはリードの振動に共鳴し、サックスのサウンドの源流を生み出しますが、その源流の音の生成に参加しています。色々な形がある金属製リガチャーのほとんどは「共鳴子」として振動を増幅します。増幅する振動の周波数特性が「そのリガチャーのサウンド傾向」です。逆に厚い樹脂ベルト式のリガチャーは振動を吸収します。振動の吸収は決して「音を無くす」ことではなく、特定の倍音を制御することでもあり、マウスピースの不要な周波数を抑え込んでサウンドを改良します。糸系、紐系、針金系のリガチャーはあくまでも「振動しない」ことに重点が置かれていることが多いようです。マウスピースのサウンドに対して余計な足し算も引き算もしない、奥ゆかしいリガチャーです。
 以上のリガチャーの特性はあくまで一般論です。リガチャーによってサックスのサウンドは激変しますので、お財布と相談しながらリガチャー選択を楽しんでください。
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Written By: sax on 10月 4, 2017 No Comment

今日のテーマは、改めて口にするのもばかばかしい位の常套句、「どうしたらサックスが上手になるか」です。しかしサックス初心者からプロ奏者まで、「どうしたら上手くなるか」は絶えず悩んでいることです。ぽんと、どうしたら少しでも近道が出来るんでしょう。一緒に考えてみましょう。
 サックスを上手くなりたい自分としては、他の楽器から何かを「パクれないか」をしばしば考えます。同じ木管楽器の「フルート」や金管楽器の花形「トランペット」はどうなんでしょう。何か上手くなる特効薬がないのか聞いてみました。答えは皆同じ。「練習だよ!」でした。ですよね…。あ、でもフルートやトランペットの練習を見ていたら、何かが違います。同じ指使いで違う音が出ています。サックスは音に対して指使いが決まっています。サックスの「運指表」では基本的に全部の音に指使いが決まっており、ある運指をすれば、基本的に該当する音が出てくれます。オクターブ上はオクターブキーを押し、その上の音はサイドキーの操作で出てくれます。これって、他の楽器では信じられない「楽なこと」なんです。金管楽器は倍音の積み重ねと、それに対する管長の操作で音を出しています。トランペットでは第1バルブを押すと1音下がり、第2バルブを押すと半音下がり、第3バルブを押すと1音半下がる仕組みになっているので、唇で倍音の基音を出し、バルブ操作でそれを下げて音を出します。フルートもオクターブキーが無いので、唇から出す息のスピードや太さを変えて倍音を出します。
 サックスは科学技術の力によって、特定の音を究極に出し易くした楽器です。奏者がさほど苦労しなくとも、指定された指使いさえすれば、決められた音が出てくれます。実はサックス奏者にとって、ここが大きな問題なのです。サックスはオクターブキーを押して、左手人差し指と中指を閉じれば「ラ」の音が出ます。しかしフルートは同じ指使いでもオクターブ下の音が出たり、他の倍音が出ます。トランペットも同様です。唇や口の中の容積、息のコントロールで、「ラを出そう」としなければ、「ラ」は出ないのです。サックス奏者のかなりの人たちが、「出ちやった音」でサックスを演奏しています。それを「出した音」にすればサウンドの質も向上し、コントロールの方法も明確になります。サックス奏者が出す音を意識して初めて、サックスと一体化した最高の音が出せるのです。
 面倒臭い理屈を言いましたが、実践は簡単です。頭の中で出したい音の高さと音質を「歌う」のです。楽器なしで歌うときの喉、呼吸、身体全体の状態を意識して、その体勢で息を入れてサックスを吹くのです。これによってびっくりするほどサウンドが改善しますが、決して簡単なことではありません。歌いながらスケールを吹いてみましょう。歌いながらフレーズを吹いてみましょう。サックスそのものと奏者が一体になって音を出す。これが、サックスが上手くなる練習の原点です。
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