店長のコメント
見た目はベルもキーも大きく、いかにもドイツ産という感じで、ごついです。吹いてみて何よりも印象に残るのは、他のサックスに比べて全体的にダークなサウンド傾向があるところです。
前述の通り、全体的なキーの配置は、外国人の大き目の手を意識して作られているのでしょうか、特に右手キーの間隔が広く、右手の指を意識的に伸ばして演奏しなければならず、慣れるのに少し時間がかかりました。欧米人に比べ、比較的手の小さい日本人にとって、操作性の点では日本製のサックスに比べると取っつきにくいかもしれません。
しかしその分厚く、クリアな音色と滑らかな音のつながりは、何物にも変え難い味があります。全音域でそろった音の粒とレスポンスの良さはロールドトーンホールのお陰でしょう。カイルベルトのパワフルなサウンドはファンの間で根強い人気があります。
仕上げはカイルベルトの代名詞とも言えるブラックニッケルと、ゴールドラッカーがあります。
ラッカー、メッキによる音の違いは
こちら
を参考にして下さい。
カイルベルトSX90Rアルトサックスは、1920、30年代の古き良き時代のアメリカのサックスを思い出させます。より大きなベルとボウ(U字管)のため、太く丸い音を生み出します。ロールドトーンホールは、タンポの密閉度とキーの静寂度を高めました。ヴィンテージサウンドは最新技術と結合し、SX90Rアルトは世界中のジャズミュージシャンの間で人気のサックスとなりました。音色がダークで、広がりを持っており、しかもレスポンスが早い。トーンホールリングの存在があってこそで、ミュージシャンの個々のサウンドを作り出すことができます。
カイルベルトSX90Rアルトサックスは、あらゆる音楽スタイルに適したプロフェッショナル仕様です。SX90Rは小人数編成のアンサンブルでもよく溶け込み、ビッグバンドの中でもよく響きます。
最高を選ぶ
現代技術・技巧と1920年代、30年代のヴィンテージサウンドの完全なる融合は、時代を超えて、文字通りナンバー1のサックスが完成しました。
優れたトーンホール=優れたサウンド
SX90Rは数々の新しい工夫が特徴です。トンホールのエッジ部にリングがはんだ付けされ、パッドの寿命を長くしました。この広めのシートは、より一層のサウンドの放出とより柔らかな静寂性を兼ね備えたキーアクションを生み出し、空気漏れ対策にもなっています。新しい調整ネジ付きFキーブリッジが、右手キーの空気漏れを防ぎます。
ロールドトーン仕様
カイルベルトはSX90を一層グレードアップさせ、ミュージシャン個々に合った楽器を作るため、更なる特徴を加えました。その結果SX90R(Rはトーンホールリングのこと)は、1940年代の古き良き日のコーン、ブッシャーを彷彿とさせます。このサックスの最も注目すべき特徴は、トーンホールです。SX90Rは、通常のトーンホールにはんだ付けされたトーンリングを使っています。そのトーンホールリングは、パットの寿命を長め、トーンホールとは別に一つ一つ装着しているので、必要ならば簡単に付け替えることも出来ます。
クオリティー
全てのカイルベルトサックスは、カイルベルトのアーティスト・マイクスミス氏によって、テスト演奏されます。各々の楽器の性能が確かめられると、パッドが適切な位置で保たれるようにキークランプが付けられます。
付属品一覧
ケース、カイルベルトマウスピース、ネック、ケア用品。
ユリウス・カイルベルトの歴史
カイルベルトは、1925年以来ずっと同じ製法でサックスを作り続けています。 70年にも及ぶ経験と専門知識により、世界を代表するサックスメーカーの一つへと成長しました。これまで熟練職人のもつ巧みな技術と、最新の生産技術により、絶え間ない品質向上を果たしてきました。
カイルベルトはフィーリングとパッションで高い完成度のサックスを作るメーカーです。 こうやって多くの世界クラスのサックス奏者に支持されてきました。カイルベルトと世界中のトップミュージシャンによる継続的な品質改良により、常に質の高いサックス造りに貢献してきました。プロ、アマチュアはカイヴェルトの名前を連想してクォリティを評価するだけではありません。さまざまなジャンルのサックスプレイヤーは、メーカーが行う信頼のおけるカスタマーサービスも高く評価しているのです。ユリウス・カイルベルトは1925年、小さな木管楽器店として始まり、10年の内で世界に名の知れたサックスメーカーの一つに発展しました。
第二次世界大戦後、カイルベルトはフランクフルト近郊のNauheimに移り住みました。そのメーカーは1962年まで創設者ユリウス・カイヴェルトが、その後は彼の息子であるヨセフによって経営されました。1970年からカイルベルトは、サックス製造に力を注ぎました。今日、ソプラノからバスまで全範囲のサックスが製造されています。
したがって、カイルベルトはそれぞれの音楽スタイルに適した楽器を提供できます。1989年にカイルベルトは世界に名を馳せているBoosey&Hawkesグループに仲間入りしました。
カイルベルトのサックスについて
世界の4大サックスメーカーの一つで、高い評価をしている台湾のジュピター社で作られているSTレンジ以外は、ドイツで生産しています。注目すべきは特大のベルです。これらのサックスは通常のホーンよりごつく、大きく感じ、見た目通り音も大きいです。
カイルベルトの大きな音は好評ですが、アクションは必ずしも心地良く感じるとは限りません。しかし、音の大きさに魅せられ、キーアクションをマスターしたサックス奏者は他のサックスには見向きもしなくなります。