店長のコメント
カイルベルト SX90R テナーサックスは吹いた感じ、パワフルで明るいサウンドですが、耳障りな感じはありません。全ての音域で広いダイナミックレンジがあります。確かに造りはごつくて大きいですが、管体は比較的軽く、心地よい感触です。滑らかなキーアクションです。
ただ、Cよりも上の高音の音程がわずかにシャープな傾向でした。どんなサックスにも多少なりとも癖があるように、そこは奏者が上手くコントロールしてやらなければならないと思いますが、これは大きな問題とはなりません。驚くことフラジオのコントロールはとても良くぴったりとツボにはまって吹けました。
また分厚く、クリアな音色と滑らかな音のつながりは、何物にも変え難い味があります。十分に重みと深みを含んだサウンド、特に低音にその傾向が強く、全音域でそろった音の粒とレスポンスの良さはロールドトーンホールのお陰でしょう。カイルベルトには根強いファンがいますが、何故カイルベルト SX90R テナーサックスに彼らが魅せられるか、少しわかるような気がします。セルマー追従でないカイルベルトのオリジナリティと気骨が感じられます。
仕上げはカイルベルトの代名詞とも言えるブラックニッケルと、ゴールドラッカーがあります。
説明
カイルベルトSX90Rテナーサックスは、1920、30年代の古き良き時代のアメリカのサックスを思い出させます。より大きなベルとボウ(U字管)のため、太く丸い音を生み出します。ロールドトーンホールは、タンポの密閉度とキーの静寂度を高めました。ヴィンテージサウンドは最新技術と結合し、SX90Rテナーは世界中のジャズミュージシャンの間で人気のサックスとなりました。音色がダークで、広がりを持っており、しかもレスポンスが早い。トーンホールリングの存在があってこそで、ミュージシャンの個々のサウンドを作り出すことができます。
カイルベルトSX90Rテナーサックスは、あらゆる音楽スタイルに適したプロフェッショナル仕様です。SX90Rは小人数編成のアンサンブルでもよく溶け込み、ビッグバンドの中でもよく響きます。
最高を選ぶ
現代技術・技巧と1920年代、30年代のヴィンテージサウンドの完全なる融合は、時代を超えて、文字通りナンバー1のサックスが完成しました。
優れたトーンホール=優れたサウンド
SX90Rは数々の新しい工夫が特徴です。トンホールのエッジ部にリングがはんだ付けされ、パッドの寿命を長くしました。この広めのシートは、より一層のサウンドの放出とより柔らかな静寂性を兼ね備えたキーアクションを生み出し、空気漏れ対策にもなっています。新しい調整ネジ付きFキーブリッジが、右手キーの空気漏れを防ぎます。
ロールドトーン仕様
カイルベルトはSX90を一層グレードアップさせ、ミュージシャン個々に合った楽器を作るため、更なる特徴を加えました。その結果SX90R(Rはトーンホールリングのこと)は、1940年代の古き良き日のコーン、ブッシャーを彷彿とさせます。このサックスの最も注目すべき特徴は、トーンホールです。SX90Rは、通常のトーンホールにはんだ付けされたトーンリングを使っています。そのトーンホールリングは、パットの寿命を長め、トーンホールとは別に一つ一つ装着しているので、必要ならば簡単に付け替えることも出来ます。
クオリティー
全てのカイルベルトサックスは、カイルベルトのアーティスト・マイクスミス氏によって、テスト演奏されます。各々の楽器の性能が確かめられると、パッドが適切な位置で保たれるようにキークランプが付けられます。
付属品一覧
ケース、カイルベルトマウスピース、ネック、ケア用品。
ユリウス・カイルベルトの歴史
カイルベルトは、1925年以来ずっと同じ製法でサックスを作り続けています。 70年にも及ぶ経験と専門知識により、世界を代表するサックスメーカーの一つへと成長しました。これまで熟練職人のもつ巧みな技術と、最新の生産技術により、絶え間ない品質向上を果たしてきました。
カイルベルトはフィーリングとパッションで高い完成度のサックスを作るメーカーです。 こうやって多くの世界クラスのサックス奏者に支持されてきました。カイルベルトと世界中のトップミュージシャンによる継続的な品質改良により、常に質の高いサックス造りに貢献してきました。プロ、アマチュアはカイヴェルトの名前を連想してクォリティを評価するだけではありません。さまざまなジャンルのサックスプレイヤーは、メーカーが行う信頼のおけるカスタマーサービスも高く評価しているのです。ユリウス・カイルベルトは1925年、小さな木管楽器店として始まり、10年の内で世界に名の知れたサックスメーカーの一つに発展しました。
第二次世界大戦後、カイルベルトはフランクフルト近郊のNauheimに移り住みました。そのメーカーは1962年まで創設者ユリウス・カイヴェルトが、その後は彼の息子であるヨセフによって経営されました。1970年からカイルベルトは、サックス製造に力を注ぎました。今日、ソプラノからバスまで全範囲のサックスが製造されています。
したがって、カイルベルトはそれぞれの音楽スタイルに適した楽器を提供できます。1989年にカイルベルトは世界に名を馳せているBoosey&Hawkesグループに仲間入りしました。
カイルベルトのサックスについて
世界の4大サックスメーカーの一つで、高い評価をしている台湾のジュピター社で作られているSTレンジ以外は、ドイツで生産しています。注目すべきは特大のベルです。これらのサックスは通常のホーンよりごつく、大きく感じ、見た目通り音も大きいです。
カイルベルトの大きな音は好評ですが、アクションは必ずしも心地良く感じるとは限りません。しかし、音の大きさに魅せられ、キーアクションをマスターしたサックス奏者は他のサックスには見向きもしなくなります。