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6月 2019

Written By: sax on 6月 26, 2019 No Comment

松本英彦は「日本のジャズ」を作ったミュージシャン達のひとりで、日本のジャズの歴史に残る偉大なテナーマンです。1926年岡山県に生まれ、18歳でプロ活動を開始、いわゆる「米軍キャンプ」のバンドを経て、日本のジャズブームの中心となる「ビッグフォー(ジョージ川口(ds)、中村八大(pf)、小野満(b)、松本英彦(ts)」で活躍することとなります。日本ジャズ界への多大な貢献を評価され、1991年には紫綬褒章を受章しています。肺ガンの手術後の医療ミスが元で全身麻痺となり、3年近い闘病生活の末、2000年に73歳で亡くなりました。
 ニックネームは「スリーピー松本」。細い目が演奏中に眠っているように見えるからとか、コンサート中にピアノの横で居眠りをしていたから、とも言われているこのニックネームは、常に温厚な微笑みを絶やさない、大きな包容力を感じさせずにはいられない松本にとって、最適のニックネームだったことでしょう。第二次世界大戦終了後、それまで禁止されていた欧米の音楽が怒涛の如く日本に流入し、それに刺激を受けた多くの若い演奏家たちが「バンドマン」となりました。米軍キャンプのパブやダンスホールで演奏し、本物のジャズを勉強しながら、自己の技量を向上させて行きました。その背景には、敗戦日本政府が米進駐軍の要請に応えるかたちで始めた、演奏家の派遣業務があります。国内の演奏家を集め、米軍キャンプや基地、ホテルに設けられた米軍高級将校や軍属の宿舎に派遣し、演奏させる業務です。プレイヤーの絶対的不足により、日本人プレイヤーたちはそれなりに歓迎され、多くの演奏場所がありました。それゆえに極端に言えば、楽器をもってさえいれば、何かしらのバンド仕事にありつける状況だったようです。そんな玉石混合の状況の中から、スリーピーたちのような「本物」が巣立ち、日本のジャズを作り上げていったのです。

 松本英彦のサウンドは、あくまで太く、温かく、スムースな正統派のテナーサウンドです。奏法も、「呼吸するように」自然で無理のないものになっています。息の吹き込み、ブレス(息継ぎ)、タンギングを、まるでサックスが自分の声であるかのように歌っています。これほどスムースなテナーの演奏は、世界的に見てもそれほど多くはないでしょう。彼は多くの後進にサックスのレッスンをおこないましたが、指導を受けた多くのサックスプレーヤーが、彼の論理的で無駄のない奏法や、練習法の合理性に驚嘆したと述べています。スリーピーは1979年に購入した、HセルマーのマークVII GP(ゴールドプレート)をずっと愛用していました。後期のマークVIIで、かなりSA80系の技術も採用されていそうです。マウスピースは主にベルグラーセンのメタルで、典型的な「豪快テナー系」です。

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Written By: sax on 6月 19, 2019 No Comment

サックスのサウンドの源は、言うまでもなく先端のマウスピースに装着されたリードの「振動」です。奏者の息のエネルギーで発生したリードの振動が、マウスピース、ネック、サックス本体へと伝わり、最終的にサックスのサウンドに変化して聴衆へと届きます。ですので、サックスのサウンドを考えるときには、「振動」を考えることが不可欠です。
 「音のエネルギーをロス無く楽器に伝える」、はサックスにとっての永遠の課題です。古くはアメリカンセルマー製マークVIで採用された、「U字管をはんだ付けする」という手法がありました。接着剤やネジによる締め込みが一般的なU字管の接続を、金属はんだでロウ付けし、振動の伝達率を上げ、かつ息漏れを最小限にしようというアプローチです。これによって、「さすがアメセルは反応が違う!」と言わしめたようですが、今の製造技術で考察すると、必ずしも効果があるかどうかは分からないようです。このU字管のように、サックスには沢山の「つなぎ目」があります。そしてそこの接続を密にすれば、きっと良い音がする、というのが「振動伝達」のコンセプトです。

 サックスのつなぎ目には、リードとマウスピースをつなぐリガチャー、ネックコルクを介したネックとマウスピースの接続、ソケット構造によるネックと本体の接続、そしてU字管があります。「振動伝達」を考えると、サムレストやサムフック、ストラップリングのような、「ここから振動が逃げる」、という場所もありますが、今日は置いておきましょう。リガチャーの種類や構造に関しては膨大なバリエーションがあり、単なる振動伝達に留まらず、振動の成分を調整する発想のリガチャーも少なくありません。ネックコルクの振動伝達改善には、最近多くのアクセサリーが発明されています。「小判型」の金属板をマウスピースとネックの金属部に渡して、マウスピースの振動を積極的にネック側に伝えるアクセサリーが人気のようです。またリガチャーから伸びた金属棒をネックに触れさせ、リードの振動をネックに直接伝えようとするアクセサリーもあります。炭素系の超微粒子を特殊処理でオイルに溶かし込んで作られた、金属接合部の振動伝達性を向上させるオイル、というものもあります。ネックジョイントだけでなく、リガチャーや本体のネジ部に注しても効果があるようです。U字管のはんだ付けも、接合に使うロウ材(溶かす金属)の成分を変えることで、音の伝達効率や、伝達する音の成分をコントロールする技もあるようです。同様に、ネックコルクをネックに巻き付ける際の接着剤も、ゴム系の接着剤を避け、常温で硬化するシェラック(パッドをカップに接着するもの)を好んで使うサックスプレーヤーも多いようです。「振動」の事を考え始めると、ほんと、「しんどお」いです。あは。

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Written By: sax on 6月 12, 2019 No Comment

2007年の年が明けて間もない1月13日、多くのジャズファンを呆然とさせた彼の突然の死。偉大なジャズテナー奏者でありEWI(エレクトロニック・ウィンド・インストルメント)奏者のマイケル・ブレッカーが、骨髄異形成症候群から進行した白血病のため亡くなりました。死のまさに直前まで、マイケルは最前線で時代の音楽シーンをけん引していました。生まれ持った才能と弛まない努力によって、彼は最高の技術とセンスで、素晴らしい音楽世界をファンに届けてくれました。
 ブレッカー・ブラザーズやステップス・アヘッドといつた、兄、ランディ(Tp)と共同リーダーを務めたバンドでの活動に加え、自己のリーダーバンド、スタジオ・ミュージシャンやツアーバンド・メンバー、フィーチャード・ソロイストとしての活動も幅広く、関わった録音も多様なジャンルに渡り、その数は1,000を上回ると言われています。マイケル・ブレカーを「20世紀を代表するテナーサックス奏者」と言っても、誰も異論は唱えないでしょう。57歳で亡くなる直前まで新作のレコーディングを進めており、そのアルバム「PILGRIMAGE」が遺作となりました。病室にEWI等の機材を持ち込んで、レコーディングを続けていたそうです。彼の正確無比なサックステクニックは、比べられる奏者もいないほどの至高のテクニックであり、一部のファンには「機械的過ぎて冷たいサウンド」とも言われましたが、没後発表された『UMO JAZZ ORCHESTRA WITH MICHAEL BRECKER LIVE IN HELSINKI 1995』では、キャリアの集大成を迎える絶頂期のマイケルのサウンドが熱くうねりを上げており、兄、ランディ・ブレッカーも、「マイケルの最高のプレイのひとつだ!」、とそのクォリティの高さに驚愕したと言われています。

 ファンクやフュージョンジャズと呼ばれるジャンルで主に活躍したマイケルは、いわゆる「電子化サックス」の先駆者でもありました。バーカスベリー社のリード貼り付け型ピックアップ、モデル1375を1970年代のブレッカー・ブラザーズで使用しており、また1980年代にはネックに穴をあけて装着するピエゾタイプのピックアップをラックタイプのシンセサイザーに接続して演奏しています。「Steps Ahead」の1986年の厚生年金会館でのライブでは、EWIの前身である「スタイナーホーン」を吹いており、サンプラーや複数音源を駆使した一人オーケストラ的演奏は必聴です。1988年には本格的にAKAIのEW11000を使用し始めています。当時ヤマハのメカキータイプのサックスシンセサイザーWX7も発売されていましたが、マイケルは静電タッチキータイプの AKAI製を終始使用していました。スピーディーな運指を突き詰めるには、触れるだけで感知される静電タイプが向いているとのコメントも残しています。
 マイケル・ブレッカーのことを書き始めると、まったく紙面が足りません。とにかくマイケル、凄いっす!

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Written By: sax on 6月 5, 2019 No Comment

サックスの値段は入門用で5、6万円、長く使い続けられる標準品で20万から40万円、憧れのプロモデルなら50万から80万円あたりというところでしょうか。すごい価格幅です。市場価格100万円を超えるセルマーマークVIなどの「ヴィンテージ名器」を使用している方からは、「入門用?あ、おもちゃのサックスね。」なんて中傷ぎみたコメントを聞くこともあります。安いサックスは、本当におもちゃなんでしょうか。
 廉価版のサックスは、確かに欠点は少なくありません。サウンド的な観点で言えば、「響きが単調」、「音域で音色が変わる」、「音量が出ない」、「音程が取り難い」等。また、機械的な性能で言ったら、「調整が狂い易い」、「バネの反発力が不均一で運指がやり難い」、「曲がり易い」、「へこみ易い」、「錆び易い」なんて、まあ、キリがありません。これらがサックスの価格の差で出てしまうのですね。機械構造で出来ている工業製品の価格差の原因は、ほとんどの場合「人件費」です。よほどの大量生産のモノでない限り、どれだけ人間が手をかけて作っているかでコストは増減します。かたや、多くの経験豊かなリペアマンの方々が口を揃えて言うのが、「安いサックスでも、それなりに手を入れれば充分に上級者の戦力になるサックスに化けるよ」、ということです。基本的にサックスは、定期的な調整を必要とする繊細な楽器です。パッド(タンポ)も消耗品ですし、使えば使うだけサックスの可動部には「狂い」が生じてきます。名器だって調整しなければ「動作不良サックス」ならば、「おもちゃのサックス」と言われる廉価版サックスだって、手を掛ければ充分魅力的な楽器に生まれ変わるのです。

 サックスのオーバーホールは安くて10万円、多少面倒な調整が入れば15万円くらいは必要です。しかしこれで、パッドの全交換、針バネの交換調整、キーバランス調整(パッドとトーンホールのすり合わせ、キータッチの調整、パッドの開き具合の調整、等)、可動部の磨き、オイル差し、等の作業がおこなわれます。ネックスクリューやベル支柱ネジなどを交換すると倍音が豊かになったりします。リペアマンによっては音質改善のための細かな裏技を持っている方々もいます。ネックのトーンホールを大きくしたり、ネックの先端に金属リングを溶接したり、U字管をはんだ接着したりと、色々なテクニックがあるようです。サムレストとサムフックを金属製に替えるのも、音質改善に有効です。マウスピースも「一流品」が良いですね。吹き易さも、音質も楽器付属のモノとは段違いです。おお、凄いですね。ここまですれば、かなり良い音の出る、良いサックスになっているはずです。しかしここまで手を掛けると、そこそこの中級サックスが買えるくらいのお金を費やしていますね。あっ!大事な事を忘れていました。吹き手が高い技術を持ったサックス上級者にならなければ、どんな良いサックスだって、ただの金属の塊ですね。

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