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11月 2018

Written By: sax on 11月 14, 2018 No Comment

ネットのQ&Aサイトでサックス関連質問を検索すると、かなりの頻度で出てくる質問に、 「音が出ない!どうして」があります。サックスを吹いていると多分何度かは、「あれ?音が出ない。何故?」、という場面に出くわすのではないでしょうか。そんなときのヒントをご紹介します。
 サックスから全く音が出ない場合、真っ先に疑うのはリードです。というか、リードが振動していないので音が出ないのです。リードが振動しないのには、いくつかの原因が考えられます。一番多いのはリードがマウスピースに正しくセットされておらず、リードが振動することが出来ないケースです。リードとリガチャーの装着状態を確認しましょう。次に疑うのは、「振動できるリードかどうか」です。リードが折れていたり、波打っていたり、ねじれていたりして、まったくリードが音を出せない場合です。ま、この場合はリード交換です。マウスピースの先端に対し、リードの先端が遠すぎる(ディップが広過ぎるかずれている)場合や、リードが柔らかすぎてマウスピースの先端にくっ付いて蓋をしてしまう事も考えられます。この場合は、マウスピースを啼える深さを変える事で、音が出てくる場合があります。咥え方を深くしたり、浅くしたりして様子を見ましょう。このケースはアンブシャの唇の締め具合が大きく影響しますので、テナーサックスからソプラノへ持ち替えたり、アルトサックスを吹いた直後にバリトンを吹くなど、マウスピースの大きさの差に起因することも少なくありません。唇の地下鉄力加減と、マウスピースの咥える深さに対する感覚が、実際の状態と自分の思っている状態とで、かい離を起こしている場合が多いようです。

 いちお音は出るが、何か芯の無いスカスカの音で、全部の息が音に変わっていない感じ。これは息漏れと考えて良いでしょう。サックスは多くの「隙間」を持っています。マウスピースとネックコルクの間、ネックと本体のネックレシーバー、オクターブキーが不適切に開いていたらこれも隙間です。各トーンホールのパッドのズレによる隙間、解放パッドの開き加減も「隙間」として影響する場合もあります。これらの場合は完全に「故障」ですので、自分で原因の究明と解決が出来なければ、早々にリペアマンのお世話になるのが得策でしょう。
 一番やっかいなのが、物理的に音は出るが、サックスとしてまともな音が出ない、という場合です。サックスという楽器としての能力が出ず、「ちゃんと、音が出ない」というケースです。これはもう、原因は千差万別です。バッドの張り付き、ズレはもちろん、メカニズムの故障や管体の曲がり等、考え出したらキリがありません。基本的にリペアマンに助けを求めるのが最善だと思います。ここでちょっとしたアドバイスをひとつ。Fの音が出ないからといって、Fのトーンホールだけを気にするのは間違いです。とんでもない場所のパッドのズレでFの音がおかしくなるケースもあります。サックスって複雑な楽器なんです。

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Written By: sax on 11月 7, 2018 No Comment

フランス、ノルマンディー地方に生まれたマルセル・ミュール(以下ミュール)。多分、人類史上最高のサックス奏者のひとりと言っても誰も文句を言わないでしょう。彼のために多くのサックス曲が作られ、彼によって演奏されました。それらの曲は今でもクラシックサックスの名曲として引き継がれ、多くのサックス奏者によって演奏されています。その偉業ゆえに、まるでミュールがサックスを普及したかのような誤解をしている人が少なくありませんが、サックスは1840年代に発明されており、セルマー社も1885年にサックスの製造を開始しています。ミュールは1901年生まれ(没は2001年。 21世紀まで生きました!)ですので、ミュールがサックスを手に取ったときには、すでにサックスは楽器としてそれなりの存在になっており、多くの歴史に残るサックス奏者がすでに登場していました。ですので、ミュールがサックスを普及させたという訳ではないようです。

 1942年、ミュールは当時休止状態にあったパリ音楽院のサキソフォン科を復活させ、そこで多くのサックス奏者や教育者を育てたとのことです。名門音楽学校でサックスの専門科が休止してたということは、当時あまりサックス奏者を目指す音楽家がいなかったということでしょうか。他の楽器に比べてサックスはマイナーな楽器だったわけです。それが天才サックス奏者ミュールの登場によって、サックスの素晴らしい音色や演奏のテクニック、楽器としての成熟度が多くの音楽ファンに紹介され、「サックスって凄いじゃん!」となり、「俺もやりたい!でもパリ音楽院、サックス科無いじゃん」、「パリ音楽院:ミュールさんに教えてもらうしかないでしょ」、となったのではないかと思います。となると、やっぱりミュールは、「サックスを世にアピールし、定着させたひと」なのでしょう。
 この名門「パリ音楽院サキソフォン科」での教育者としての活動ばかりでなく、ミュールは自身の演奏活動も精力的におこないました。アルトサックスを吹いてのソロ活動に加え、当時の最高のメンバーで構成された「パリ・サクソフォン四重奏団」を結成し、自らもそこでソプラノ・サックスを演奏しました。ミュールの時代の音楽は、78回転のSPレコードでの録音・流通が主流でした。そのためこの時代の音楽家の多くは限られた数の録音しか残していませんが、幸いミュールは多くの録音を残しています。ミュールの演奏は多くのSPレコードから復刻されCD化されており、当時の艶やかなミュールの音色と驚異的な演奏テクニックを今でも感じる事が可能です。ミュールはサックスにビブラート奏法を導入したことで有名ですが、音の立ち上がりやタンギング、サウンドの作り方など、現代サックス奏法の原点と思われる技術を随所に聞くことが出来ます。私見ですが、初めてミュールの演奏を聴いたとき、「え?マーシャル・ロイヤル?」つて思いました。歴史的ビッグバンド、カウント・ペイシー楽団の名リードアルト、マーシャル・ロイヤルのサウンドとミュールのサウンドは劇似です(と、思います)。ミュールの「Lonely Street」、聞いてみたかった!

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